不動産に特化したマーケティング支援や広告代理サービスでの知見を生かし、大手企業のパートナーとして頼られる存在に
不動産業界「新築分譲マンション」や「ストック住宅のリフォーム」に特化し、新築分譲マンションの販売促進や販売不振物件のマーケティング支援・広告代理サービスを提供しているバサラクト株式会社。大手不動産会社をクライアントに持ち、高い専門性を生かした独自のマーケティング・販売戦略を武器にクライアントの業績に貢献をしています。代表取締役の小嶋宏輔(こじまこうすけ)さんに、設立までの経緯や広告業界に対する思いなどを伺いました。
鶏口牛後でありたい!複数の広告代理店を経て知見と人脈を集めて独立
初めから広告業界を目指していたのですか。
大学時代にDJをしていて、集客のためにイベント告知用のフライヤーなどを作成していました。それが意外と楽しくて。「こういうことが仕事になる」と知って、広告業界を目指しました。折しも就職氷河期で厳しい時でした。なんとか就職した会社が新聞の「名刺広告」を主に扱う会社で、そこでの業務はイメージしていた広告の仕事とはかけ離れたものでした。100件回って契約が取れなければ、101件回れ!という飛び込み営業の日々です。
理想とは違う仕事でしたが、すぐに転職など考えられたのですか?後悔はありませんでしたか?
負けん気は強いですから「まずはここで頑張ってみよう」と決めて、一人前として認められるまで頑張りました。その結果、「新規開拓賞」をたびたび受賞しました。結果的にこの会社は1年ほどで去るのですが、飛び込み営業のノウハウを学んだり、営業先そこで出会った人とのつながりができたりなど、貴重な経験をさせていただきました。
しかし、どうしても「クライアントの事業に貢献する広告に携わりたい」との思いから、23歳の時に別の広告代理店に転職をします。そこで不動産事業部に配属されました。その会社での経験も現在の基盤となっています。その後は、外資系の広告会社に転職し、広島支店に配属になりました。そこから広島での活動がはじまりました。一度、生まれ故郷の福岡にて赴任しましたが、また本拠地を広島に移しました。その後、ベンチャー企業の創業メンバーになったりなどしましたが、仕事内容は変わらず不動産広告一筋で、20年以上は関わっていることになります。
2019年に独立をされていますが、もともと起業したいと考えていたのですか?
今思えば、中学生のころから漠然と考えてはいたと思います。もともと「鶏口牛後」を望むタイプで、大きな企業の一員でいるよりも「より影響力のある仕事がしたい」という思いが強い方でした。ベンチャー企業のメンバーだった時も「いずれは専門性を活かすカタチで独立したい」という思いはあり、当時のメンバーも快く受け入れてくれました。バサラクトの創業は2019年。現在4期目の会社ですが、独立前にいた企業の広告事業部が独立したようなもので、メンバーも仕事も引き継いでいますから、実際は15年以上の社歴があるといっても過言ではないと思います。
PDCAを徹底した独自のメソッドを提供し、マーケティングパートナーとして頼られる存在に
現在の事業内容を教えてください。
「新築分譲マンション」や「ストック住宅のリフォーム」に特化したマーケティング支援・広告代理サービスをオンライン・オフラインを総合的に駆使し、サービス提供している会社です。不動産業界に特化し、特にレジデンス系をメインに、新築分譲マンションの販売促進や販売不振物件のマーケティング支援やおよび広告に注力しています。スタッフもこの業界での経験は長く、高い専門性を有している者ばかりです。これまで60棟を超える新築分譲マンションの広告に携わり蓄積した知見と、30億円以上の広告予算を運用してきた実績を基に確立した、独自のマーケティングメソッドをベースに「市場調査」「ブランディング・USP・クリエイティブ開発」「販売戦略の立案」「プロモーション戦略」「CMR戦略」などを提供しています。
新築分譲マンションなどとなると、顧客も大手の不動産会社が多いのでしょうか。
弊社のクライアントは、三菱地所グループやあなぶきグループなど、東証上場の大手の企業ばかりです。弊社の専門性を生かしてTOPPANや電通などともタッグを組むこともありますが、ほぼクライアントとの直接の取引です。また、近年の不動産販売価格上昇もあり医師協同組合連合会と連携し、より資金力のある開業医やドクターをターゲットとした不動産専門誌を発行しました。現在も、九州医師協同組合連合会と連携した不動産専門誌「Glanz Haus(グランツハウス)」の発行・運営に携わっており、不動産クライアントと医療業界をつなぐ架け橋となっております。
もちろん、不動産業以外のクライアントも多く担当しておりますよ。国内最大手保険会社様、国内最大手の通信会社様など、クライアントの業種業態も様々です。
これまでの仕事で特に思い入れのある仕事はありますか。
三菱地所とのお仕事でしょうか。同社が1都3県を中心に自社グループで管理しているマンションの、専有部の新たなリフォームブランドを打ち出しました。共有部分のリフォームではなく、水廻りからフルリフォームまでの専有部リフォームを提案するもので、この販売戦略を弊社が担っています。事業規模も魅力ですし、なにより人とのご縁でこの仕事に出会えたことをうれしく思っています。実はこの仕事は、かつての職場で営業をしていた時に知り合った三菱地所の関係者から、直接お話をいただいてはじまった業務なんです。何年も前のご縁でも、こうしてつながっていられることが、なによりうれしいことです。
広島以外でもお仕事をされているのですね。
弊社の業務は東京、福岡、その他西日本を拠点にしたものがほとんどです。私の出身が福岡ですし、長く福岡で働いていたこともあり、その時のつながりからお仕事のご縁をいただくことも多いですね。クライアントは広島県外が多いですが、クリエイティブチームはオール広島です。このチームは日本一と言っても良いほど、どこよりもクオリティが高く、長く一緒に仕事をしている信頼できるチームです。例えば、東京の一線級の仕事も広島のチームが請け負っているというのが、誇らしいと思っています。
日本から世界へ、ワクワクと笑顔と楽しさを広げられる企業を目指す
今後、どのような事業展開を考えていますか。
私たちが得意とするマーケティングのノウハウを他分野でも役立てたいと思っています。すでに、飲食店や店舗のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援システムも開発・運用中です。せっかく起業したのですから、自分たちの持っているものを生かして、これまでにないサービスや仕組みを開発していきたいですね。これからの不確実な世の中に対応できる、新たな価値観を生み出すサービスや事業を考えたいです。掲載しているBarカウンターも弊社事務所の一室で打合せスペースなんです。飲食店はやっておりません(笑)。より自由で普通じゃない空間の方がアイディアが出やすいかという想いで作りましたが、ご来社いただく方の評判も上々です(笑)。
少し大きな話になるのですが、少し元気のないといわれている日本を再興したいと本気で考えているんです。誰でもいつからでも挑戦できる諦めない社会を作りたい、ワクワクと楽しみながらね。それが日本だけでなく、世界へ広がるような、そんなことに挑戦できればいいですね。
一緒に働く人には、どのような人材を求めますか。
求めるのは「リーダーシップが取れること」でしょうか。ディレクションを担う立場として、クライアントにもクリエイターにも並走していただくためには、リーダーシップやパッションが重要だと思います。時には成果物に誠実に意見ができることも大切です。今は少数精鋭でやっているので、個人の力量や度量、裁量に任せるところが多いのも事実です。これを負担と思うか、やりがいと思うかは人それぞれだと思います。やりがいと感じて自ら動いてくれる人には、惜しまずに全力でサポートします。独立を考えるなら応援するし、その後も関連会社として共に成長できたらうれしいじゃないですか。
これから成長していきたいと思っているクリエイターにアドバイスをいただけますか。
未経験やまだ駆け出しのころは、なかなかチャンスを手にできないこともあるかと思います。専門性や知見を身につけるためにも、学び続けることが大切ではないでしょうか。例えば我々がマーケティングに使用するデータは、一般に公開されているものもあります。同じように入手できる資料をどう活用するかの違いなだけで、自分でやろうと思えばできるんです。「やるか、やらないか」その違いだけじゃないでしょうか。我々も自分たちが培ってきたものを次の世代に渡していきたいと考えています。これからの社会を担う世代と、ぜひ一緒に働きたいですね。
取材日:2022年7月20日 ライター:山名 恭代
バサラクト株式会社
- 代表者名:小嶋 宏輔
- 設立年月:2019年5月
- 資本金:100万円
- 事業内容:総合広告代理事業、マーケティング支援事業、事業スキームサポート、WEB関連事業
- 所在地:〒730-0016 広島県広島市中区幟町10-18 幟町Sビル3F
- URL:https://www.basar-act.com/
- お問い合わせ先:
- TEL:082-836-6077
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