徳島のWeb業界をアップデート!?あらゆるクリエイティブのお悩みを解決するWeb版「街の電気屋さん」がここに“あんでぇ”!
「もともとは健康食品会社のサラリーマンで、WordやExcelもろくに使えなかった」。そう笑って話すのは、Web事業を展開している「株式会社AND(以下、アンド)」の代表取締役社長・小川裕司(おがわ ひろし)さん。ホームページの制作から運用サポート、Webコンサルティングなどを手掛け、今では徳島県内のWeb業界を台頭しています。自社の経営のほか、地元クリエイターとともに徳島の業界の底上げを図る“県知事公認の協同組合”の立ち上げに尽力するなど、歩みを止めない小川さんに、会社を設立した経緯や将来への展望をお伺いします。
ITと無縁の健康食品会社からスタート 独学でデザインやコーディングを学ぶ
会社設立までの小川さんのキャリアをお聞かせください
徳島で生まれ育ち、その後父の仕事で北海道に移住。思春期に徳島に戻って、大学は岡山の岡山理科大学を卒業しました。その頃はまだパソコンがあまり普及しておらず、記憶メモリといえばフロッピーディスクの時代でしたね。大学時代はパソコンに触れることもなく、地元徳島で健康食品の会社に就職しました。会社では在庫管理や経理を行うことがあったため、社長にWordとExcelを教わりながらパソコンを触っていくことに。少しずつパソコンのスキルが上達していく中、その健康食品会社の関連企業として設立されたホームページ制作会社、株式会社カンマンを兼任で手伝うようになりました。
カンマンでは営業を担当しつつ、その傍らで独学でデザインやコーディングなどのホームページ制作に必要な技術を学んでいきました。その後ホームページのディレクションにも関わるようになり、カンマンの制作部門にて統括者としての経験を積みました。
ホームページがあまり活用されていない徳島で、同志とともに意を決してWebコンサルティング事業で独立
アンド設立の経緯を教えてください
当時、徳島の中小企業のホームページは、作ったはいいもののあまり更新されず、効果的に活用されていない…そんな状況をよく目にしました。いつしか、作り手として「ホームページなどの活用や管理、運用をサポートするサービスを作れないだろうか?」と思うようになったのです。
そんな時、地元のタウン情報誌を作っている「株式会社あわわ」で執行役員をしていた大汐哲也さんと青年会議所で知り合い、Webコンサルティングの話で意気投合!その勢いで、同社の社長にWebコンサルティングなどの話を持ちかけてみたところ、快諾されました。
自社に対してもWebコンサルティング事業の立ち上げの承認をもらい、両社が出資し「有限責任事業組合 AND」が設立されることになったのです。
アンドが株式会社化した経緯を教えてください
有限責任事業組合の特性上、2年間で成果を出さなければならなかったのですが、2年という月日は短く、思ったほどの成果をあげることはできませんでした。
両社長に「事業継続は難しいのでは?」と反対もされましたし、本当のところは若干の不安もありました。しかし「一度挑戦したからには、やり切りたい」という気持ちが強かったので、私と大汐はお互い会社を辞め、株式会社として独立することにしたのです。
サラリーマンを辞めて独立することになりましたが、家族からの反対も特になく、スムーズに独立できる環境だったことも追い風になりましたね。本当にありがたいことです。
社名のもと、徳島弁「ここにあんでぇ!」に込めた思い
社名の「アンド」には、どんな思いが込められているのですか?
アンドはもともと、「株式会社あわわ」と「株式会社カンマン」の2社の共同出資でできた会社です。そのことから、「and」や「お客様と一緒に」という意味を含んでいます。
しかし、それ以上に徳島県の方言「阿波弁」を絡めた社名にしたかった!
「あわわ(=阿波)」、「カンマン(=阿波弁で「いいよ」)」という流れから、アンドは阿波弁の「(そこに)あるよ」という意味で話される「あんでぇ」からとりました。
これまでホームページの管理や運用をお手伝いするWebコンサルティング会社が、徳島には少なかった。でも、それが「ここにあんでぇ!(=あるよ!)」ということです。素敵でしょう?
徳島でのWebコンサルティングサービスの需要は、いかがでしたか?
初期は、ホームページの管理・運用サービスを含む、Webコンサルティングに主軸を置いていました。
しかし、その時点では徳島の中小企業の多くは「Web制作には投資するけど、運用にはあまり投資しない」という状況で、何件か担当したものの長くは続きませんでした。
最近ではコロナ禍の影響もあり、Web戦略を強化するお客様も増え、サイト運用やサイトへ集客する広告運用などのお仕事も増加してきました。
閲覧者の視点が第一 極めるのは「直感的に使いやすいホームページ」
現在の主力コンテンツや強みは何ですか?
ホームページの制作やリニューアルです。
アンドは「UI(=ユーザーインターフェース)」を意識した「閲覧者に分かりやすい・使いやすい視点」を第一に考えて作ることにこだわっています。閲覧者は、一瞬でも迷えば即座に違うページへ飛んでいってしまうため「カッコイイけど、どこに自分の欲しい情報があるかわかりにくいデザイン」は、ホームページとして機能しません。
例えば“会社ロゴ”は、左上に配置されていることが多いですよね。目新しさやオシャレさを求めて「真ん中に配置してみたらどう?」などと遊びだすクライアントが多い傾向にありますが、アンドは「共通認識は変えない方が良いですよ」と正直に伝えます。
閲覧者の視点や、“直感的な操作性”を重視すべきだと考えているので、クライアントの要求が閲覧者にとって本当に必要なのかどうか、慎重にヒアリングしたうえで制作していますね。
アンドのほかにも協同組合を設立 徳島のWeb業界を底上げ
ほかにも、「協同組合徳島ウェブアソシエーション(以下、TWA)」を立ち上げられたと聞きました。
Webクリエイター同士の繋がりを深めることを目的に、2021年の7月に友人クリエイターたちと設立しました。Webに関する相談窓口、企業やクリエイターのコミュニティーの場、スキルアップ、時にはチームを組んで、一つの仕事を分担して行う組織です。
TWA設立から1年経ちましたが、その成果はいかがですか?
協同組合を作ったことで受注できた案件の実績が複数あります。時には参加企業が10社近いコンペで勝つこともできました。
徳島のWeb業界で活躍するプロフェッショナルたちが力を合わせる強さを日々、実感しています。
TWAを通して得られるものは、お仕事の斡旋以外でも何かありますか?
徳島の中小企業や個人のクリエイター同士で、仕事のノウハウを共有しようと意見交換会を企画しています。
第一回目の意見交換会はデザイナーを集め、ビジネスの進め方やクライアントへの打ち合わせ方法、デザイナー特有の悩みなどを意見交換することで、私も含め、自身の抱えている問題の解決の一助になったかと思います。
今後は、Webデザイナーに加えてコーダーや、Web制作全般を仕切るディレクター、フォトグラファーなどなど、各業種の交流会も企画したいですね。 アンドだけでなく、徳島のWeb業界全体のアップデートにも貢献できたら嬉しいです。
自由な発想があるメンバーとともに、Web版”街の電気屋さん”的な存在へ
アンドのスタッフさんが、イキイキと楽しそうに仕事されている秘密は何でしょうか?
アンドでは「結果さえちゃんと出せば、どこで働いてもオッケー」というスタンス。そのため、小さなお子さんのお世話をしながらでも仕事ができるので、女性スタッフも多く在籍していますよ。
自分はサラリーマン時代が長かったので、雇われて働く側の気持ちがよく分かります。「経営側からこういう風に言われたら嫌だろうな」とか、「こういう体制だと、スタッフは動きにくいかもしれないな」とか…。運営側とスタッフ側、両方の視点から最適解を見出そうと努力しています。
どんなメンバーと一緒に働きたいですか?
人の心に寄り添える、“オタク”ですかね(笑)。
アンドの社風イメージは、地域密着の”街の電気屋さん”です。クライアントが困ったら「あ、じゃ今から行きましょうか?」とサッと駆けつけられるような、フットワークの軽いクリエイト集団でありたい。そのためにはわからない人の気持ちに寄り添える心を持っていないといけないと思うんです。
だから、人と人とのコミュニケーションを重視できる人を求めていますね。そして、自分のスキルや知識を常にアップデートする意識を持っている人。初めてのことやわからないことがあってもそこに面白さを見出し、自由な発想で問題を解決していく、仕事も遊びも全力投球、そんなパワフルな人と仕事ができたら、最高ですね!
取材日:2022年7月12日 ライター:山口 夏織
株式会社AND
- 代表者名:小川 裕司
- 設立年月:2020年4月
- 資本金:300万円
- 事業内容:WEB制作(ホームページ制作・ランディングページ制作) WEBサポート(リスティング広告運用代行・SEO対策・ホームページ運用サポート・WEBコンサルティング) 各種デザイン(ホームページ・名刺・チラシ・パンフレット・看板等)
- 所在地:〒770-0941 徳島県徳島市万代町5丁目71番地 中央システム倉庫 2F
- URL:https://and-support.com/
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