お客さまが、のびのびワクワク仕事ができるIT環境を提供する パソコンの悩みはすべてお任せ!
顧客のパソコンを日々使いやすい環境に設定したり、オンラインセミナーの運営を支援して、「仕事をする時のワクワク環境を提供したい」。IT関係での困りごとを解決して事業繁栄のサポートに取り組む株式会社ハイ・フライ・サポート代表取締役の今村進一(いまむら しんいち)さんは、そう話します。製造業や販売業など多様な業界を経験して培ったノウハウを武器に、ソフトに頼らず、いかにパソコンを快適に使いこなせるかを重視したサポートを手がけています。今回は、自身の取り組みや思いについて話を伺いました。
知識がない中から独学で学んだコンピュータシステム
立ち上げ以前の経歴、職歴についてお聞かせください。
大学の工学部を卒業後、札幌本社のコンピュータ販売会社「北商ユーザック」に就職しました。配属先は東京支店の営業部で、都内の中小企業を相手にオフィスコンピュータの販売をしていました。今は皆さんの手元にノートパソコンがあると思いますが、当時のドライブは袖机ほどのサイズで、容量は300㎆程度。そこに経理に必要なデータを蓄積し、納品書や請求書を管理していた時代です。
当時の私は、コンピュータについての知識はそれほどありませんでしたが、仕組みが分からないと販売できませんので、仕事をしながらコンピュータシステムの基礎を学び、WordやExcelなどのビジネスソフトの使い方を習得しました。その経験が、今の仕事につながっていると思います。
家業を継ぐも倒産 新天地で新たな挑戦
その後は、家業を継いでいますよね。
父が、銀行のカウンターや百貨店の化粧品コーナーの什器、大手企業の会議室や役員室の家具・調度品などの設計、製造、施工をする会社を経営していました。私は長男でしたので、「北商ユーザック」に約5年勤務した後、30歳頃にUターンを決めました。
会社では父が経営を、職人さんが作業を行っていたため、何をしようかと考えて最初に取り組んだのが、PC-9800シリーズとパッケージソフトを購入し、売り上げ管理や仕入れ管理を入力することでした。
さらに事業拡大のために、手作業だった設計や製図をコンピュータで行うCADと「数値制御工作機械(NCルーター)」を連動させるシステムを作り上げました。それにより木材の曲線加工や模様の彫刻が可能となり、数値化・データ化することで、精度の高い製品の大量生産が実現しました。
そこから発注が増えたのでしょうか。
ちょうどバブルが弾けた頃でしたので、仕事の発注はありましたが単価が安かったり、ある程度単価の高いものは数量が少ないなど、なかなかうまく活用しきれませんでした。当時は父が1人で営業を行っていましたので、営業面でも力が不足していたのだと思います。残念ながら入社7年ほどで、倒産の憂き目を見ることとなりました。
その後は知り合いに声をかけていただき、1999年に合鍵や印鑑、表札を作る「職人工房」という会社に入りました。そこでは、大手のホームセンターの一角にテナントを構え、店舗展開していくというビジネスプランを立て、オーナーと二人三脚で1号店の設計・開店・運営に取り組みました。
おかげさまで2店舗、3店舗と出店を続け、最終的には14店舗にまで増えました。私はマネジャー兼店長としてそのつど開店準備に携わり、WordやExcelを利用して担当店舗の売り上げ管理や仕入れ管理、販促企画やチラシの制作を行いました。センスは別にして、チラシの仕上がりはIllustratorで作るのと遜色なかったと思います。さらにHPやSNSの開設・運用も自社で実施したことから、さまざまなノウハウを身につけることができました。
独立されたきっかけは何ですか?
きっかけの一つは「一般社団法人倫理研究所」が主催する「札幌北倫理法人会」という経営者の勉強会です。オーナーとは二人三脚で歩んできましたので、私を右腕として見てくれていましたが、法人会で約15年間勉強をしているうちに、経営に関する提案や疑問、改善点が見えてきました。
私は常に現場を見ていたので、スタッフが働きやすいように改善点を挙げるのですが、会社のトップは3〜5年先を見ています。そこに目線のズレが生じるようになり、もっと現場のための仕事をしたいと2018年に退社し、2019年に起業しました。
「ただ使いこなせていない」だけ 最適な解決法を提案
具体的な事業内容について教えてください。
パソコンの設定・操作サポートなどです。パソコン自体はそれほど古くないのに中身の整理ができておらず、必要のないソフトも入っているので動きが遅い。それをどう整理したらいいか分からないという方に対し、環境の最適化の提案とお手伝いをしています。
多くの方が、IT技術を使うときは新しいパソコンを導入したらいいと思いがちですが、パソコン自体の性能に問題はなく、ただ使いこなせていないことが非常に多いですね。別の業務をしたいときも新しいソフトに頼らず、皆さんが普段使っているWordやExcelをうまく使うと、それで事足りて解決することも多いんですよ。
パソコンの中身の整理……。耳が痛い方も多いと思います。
一番多いのが「パソコンの調子が悪いので、なんとかしてほしい」というご相談です。パソコンの動きが遅かったり、作業の途中でソフトが動かなかったりといった場合は初期化して、設定し直すことをご提案します。
データは保管しておき、後でまた元に戻せばいいんです。買い替えを考えている方には、「常に新しいものを買う必要はありません」とお伝えし、状態のいい中古のパソコンを購入していただいたうえで、実際にご本人が使う環境にセッティングしてお渡しするというご提案もしています。
伝えたいのは機能の説明ではなく、いかに使いこなすか
これまでに印象的だったお仕事についてお聞かせください。
起業した時からずっとお付き合いをさせていただいているお客さまからの、店舗の顧客管理をするデータがうまく使えないというご相談でした。非常に細かくデータ回収をしていて、手書きで顧客カルテを作るとともに、Microsoft Access(マイクロソフト アクセス)というソフトを導入していましたが、うまく使いこなせていませんでした。
そこで中身を一新し、必要なデータのみを入力するように整理しました。DMを出すのにハガキと封書のどちらを使うかなど、内容に合わせて出力の仕方を変える、入力画面に入力例や注意書きを添えるなど、パソコンが苦手な方も作業しやすい工夫をしました。現場の方が慣れるまで何度も足を運んで修正したことで、今ではきちんと使いこなせているようです。
データ分析は過去データがあってはじめてできるもので、それはAIでも同じです。使えるデータにするためには最低でも2年分の蓄積が必要で、そこから店舗の売り上げの推移をグラフにし、数値を見て傾向や対策を立てることができるのです。こちらの店舗では、積極的にデータを回収していたので形になりましたが、そこをきちんと説明せずにソフトを販売している業者が多いと感じています。
業績が急上昇するお手伝いをしたい 社名に込めた思い
顧客の獲得はどのようにされていますか?
ほとんどが知り合いからの紹介です。今は15〜16社と取引があり、そのうち10社を定期的にサポートしています。もちろん個人のお客さまにも対応しており、お忙しい方に合わせてオンラインでのサポートも行っています。
御社の強みは何ですか?
オンラインに加え、ご要望があればご自宅に伺ってサポートできることが強みです。パソコンが苦手な方は用語の説明を聞いても理解ができないので、直接伺うことで不安を解消できるようです。
私の仕事は、お客さまが自分の仕事以外で手を煩わされることのないよう、ITを通じて仕事をする時のワクワク環境を提供することです。パソコンに不具合が生じた際、オペレーターサポートを利用しても当たり前のことしか答えてくれなかったり、あちこちの担当者に回されたりしてイライラした経験を持つ方は多いと思います。そんなときは私を利用してください。分かることはすぐに回答しますし、必要があればメーカーのサポートに聞き、その答えを持ってお客さまに対応します。
社名の「ハイ・フライ・サポート」は、私のお手伝いで、お客さまの思いや能力がより発揮できたらという思いで名付けたもの。一緒に取り組むことで、皆さんの会社が急上昇していったらうれしいですね。
コロナ禍で会えない父母を思い、オンライン面会システムを考案
今村さんが取り組んでいるセミナーについて教えてください。
コロナ以前は、札幌北倫理法人会で毎週40〜50人ほどが集まり、モーニングセミナーを行っていました。その後はZoom需要が高まったことから、パソコン関係が得意な私が担当することになり、現在は一部Zoom参加というハイブリッド式を導入しています。リアル開催しているセミナーに、会場に来られない方がZoomを使って参加してもらうというスタイルで、簡単に言うとテレビ討論会を中継しているようなものです。
オンライン面会システム「ビデオで笑顔」誕生の経緯についてお聞かせください。
私の父母は別々の老人施設に入居しており、コロナ前は毎週面会していました。しかし、コロナで面会が突然できなくなってしまった上、父の施設では全国初のクラスターが発生し、内部の状況が把握できず私も母もとても心配をしました。
父が亡くなる1カ月前もコロナ対策で会えない状況は変わらず、父母同士が面会することはもちろん、話すことすらできない状態でした。しかし、双方の施設のご配慮で父母のオンライン面会が叶ったのです。この体験から、私の両親と同じように「家族と面会できず大変な思いをされている方がいるのでは」と考えたことが、Zoomを利用したオンライン面会システム「ビデオで笑顔」誕生の大きな後押しとなりました。
「Zoom」を使用するので、デバイスを選ばず、パソコン、スマートフォン(iPhone・Android)などが利用できます。ただ、高齢者には画面が小さいようで。テレビにつなぐという方法を提案することで、よりストレスなく利用していただけるのではないかと考えています。
ソフトだけでなくハード面の視点を クリエイターとの交流で幅を広げたい
今後どのようなクリエイターと働きたいですか?
私はどちらかというと経営者との交流が多いので、クリエイターの方々との交流は一つ課題だと思っています。今後、仕事を通じて、今よりももっと接点を増やしていきたいですね。そうすることによって、私の仕事の幅も広がったらいいと考えています。
クリエイターに向けてのメッセージをお願い致します。
これまでご一緒させていただいた方を見ていて感じたのは、クリエイターの方たちは意外とハード面に関して無頓着だということです。Illustratorを使って企画をするのは上手ですが、パソコンを快適に使うことはあまり考えていない。ただでさえ、動画やイラストなどのデータは重いですから、余計なソフトがない方がいいのに、買った当時のソフトが入ったまま。それがなければもっと快適に動くと思います。
また、クリエイターもビジネスマンですから、当然コストがかかります。デザインソフトだけでなく、ビジネス系のソフトも使えることがビジネスをするうえで必要だと思います。分からないことがあればいつでもご相談にのりますので、気軽にお問い合わせください。
取材日:2022年9月13日 ライター:八幡 智子
株式会社ハイ・フライ・サポート
- 代表者名:今村 進一
- 設立年月:2020年1月28日
- 事業内容:パソコンのサポート・設定・アプリ導入、オンライン面会システムなど
- 所在地:〒002-0856 札幌市北区屯田6条6丁目4-30-301
- URL:https://hiflysupport.com/
- お問い合わせ先:上記の「お問い合わせ」へ
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