デジタル時代、重視するのはアナログな出会いと会話!「創造力」にこだわる広告制作会社
広島で20年以上の実績を持つ広告制作会社のアルフォックス。良質なクリエイティブに定評がある同社の強みは、社員のほとんどがWebも紙媒体も手掛けられるクリエイターであり、企画・提案から制作まで一貫して請け負えることだという。自身もデザイナーとして長く第一線で活躍してきた代表の宮田 照明(みやた てるあき)さんに、会社設立からこれまでの歩みを伺いました。
満帆だった大手広告会社から「宮田照明」の名前で勝負をしようと独立
宮田さんがこの仕事に就いたきっかけを教えてください。
学生のころから映画監督など「演出する」ことに興味がありましたが、就職先に選んだのはハウスメーカーでした。そこではお客さまの家づくりをサポートする仕事をしていました。しかしデザインやキャッチコピーを使って商品やサービスを「演出する」広告業への憧れが募り、思い切ってこの業界へ転職したんです。それから数社の広告制作会社で、デザイナーとしてさまざまな仕事に携わりました。
経験を積んで人脈も広がってきたころ、大手広告代理店のクリエイティブに特化した会社から誘いを受けて、デザイナーとして入社しました。後半はデザイナーだけではなくディレクションも行っていました。
どうして独立しようと考えたのでしょうか?
私も若かったんですよ。営業がとってきた仕事を制作する組織の一員として働くのではなく、「宮田照明」の名前で仕事がしたいと思うようになったんです。それで28歳のときに思い切って独立をしました。
それからアルフォックスとしては26年、前身の会社も含めると30年が経ちました。独立当初から、元の会社や独立したことを知った同業者から仕事を紹介いただけて、滑り出しから順調でした。ありがたいことにそれが現在も続いている状態です。
魅力的に演出することが広告業の醍醐味
宮田さんが惹かれた広告業の魅力とは?
先ほども申しましたが、「演出する」のが好きなんですよ。良い映画はヒットして、多くの人に届きます。同じように良い広告もヒットして、その商品やサービスが広く知れ渡るようになります。そのように「演出する」のがこの仕事の魅力だと思っています。広告がヒットしたら「あの仕事をやった宮田さんですね」と声を掛けてもらえますし、「これは自分が手掛けたんだ」とも言えるじゃないですか。それもこの仕事の良いところだと思います。
Web関連と紙媒体。どちらにも精通しているのが強みになる
改めて現在のお仕事について教えてください。
企画から制作まで広告制作全般を行っています。創業時はポスターやパンフレットなど紙媒体が主でしたが、2010年ごろからホームページ制作、インターネット広告、SNS運用などWeb関連の制作も手掛けるようになりました。Webに関しては比較的早い時期から取り組んできたこともあり、現在の仕事はWebが6割、紙媒体が4割ぐらいの比率でしょうか。
御社の強みとは?
第一にはWeb、紙媒体どちらにもノウハウがあり、企画立案から制作までできることでしょう。長年の主戦場だった紙媒体はもちろんですが、紙で培った経験を生かしたWeb関連の仕事も定評をいただいており、地元優良企業のコーポレートサイトや採用サイトなど多数を手掛けています。
最近では広告を利用した地元中小企業のDX化推進支援やスタートアップ支援なども行っています。Webと紙の両方でプロモーションを展開したいときも当社はワンストップで請け負えるので、より効果的な広告が打てるだけではなく、クライアントの負担も減らせると思います。
また、当社の社員全員が紙もWebもこなすクリエイターであり、広告を熟知して企画制作をしていることも強みですね。
デジタルが主流のいまだからこそ、求められるのは人間の「創造力」
制作物のクオリティを上げるために大切にしていることはありますか。
AIなどデジタルが進化した今だからこそ、一人一人のクリエイターの「創造力」を養うことが欠かせません。それには会社として社員を管理しすぎないことも大切だと考えています。当社は服装にしても勤務時間の過ごし方にしても、規制を設けてはいません。自席で作業をするばかりが良いとは思えませんし、外に出ていくことがプラスになることもあるでしょう。コロナ禍でオフィスのリニューアルをしたのを機に、フリーアドレスやテレワークも導入したので、社員の自由な時間も増えたのではないでしょうか。各自の創造性が育まれるような環境を用意して、後押しするのも会社の務めだと思っています。
社員には、テレワークなどで増えた自由な時間をどのように使ってほしいですか。
仕事やプライベートは関係なく、人に会う時間を作ってほしいです。会って話す、直接伝えるといったアナログなコミュニケーションは侮れません。もちろん「人と会いなさい!」と強制はしませんし、誰と会っても話す内容もなんでもいいんです。昨日何を食べたとか、新しいお店ができたよとか、最近はこんなのが流行っているらしいねとか。そういう大小問わずいろいろな情報に触れることで知識も増えますし、人と話すことで感情が動きます。喜怒哀楽さまざまな感情を味わうことで、創造力も養われるんじゃないでしょうか。最近はなんでもメールで済ませてしまうことが増えています。記録が残るという面でメールは便利ですが、送信後でも「メールを送りましたよ」と声をかけるなど、会話をするための工夫をして欲しいと思っています。
世の中を動かす広告の仕事を全力で楽しむことが、お客さまの「うれしい」につながる
今後、どのような会社にしていきたいとお考えですか。
理想をいうならば、社員には「アルフォックスでの仕事がきっかけでこの業種・業界に出会えて良かった」と思ってもらえるようにしたいですね。社員だけでなく外注先や取引先など、当社に関わっている人たち皆さんに思ってもらえたら最高です。
コロナ禍で仕事が激減したときに、この仕事の先行きに不安を感じてこの業界を去った人がたくさんいました。もったいないことですよね。この仕事を好きでいてもらいたいし、続けて欲しいとも思います。だからこそアルフォックスは、広告やデザインが好きな人が夢を追いかけ続けられる会社であり続けたいと思います。
一緒に働くクリエイターに求めることはありますか。
これからは紙媒体もWebもマルチにできるスキルは欠かせません。幅広い知識や技術を持つことが求められるでしょう。そのうえで人にしかできない創造性のある仕事ができることが大切です。そこがクリエイターとしての勝負どころになるのではないでしょうか。そのためにもまずは仕事を楽しんで。仕事は楽しみながらやるものですよ。
これから活躍したいと思っているクリエイターにメッセージをお願いします。
広告は世の中を動かす仕事です。流行をつくることもできます。自分がデザインしたポスターが街で貼られたり、生み出したキャラクターが有名になったり、制作した動画が街頭ビジョンなどで流れて「見たよ、あれは君の作品なんだって」と言ってもらえるような仕事です。そういうのってうれしいじゃないですか。ただ「給料をもらえる仕事」としてではなく、そういうことを面白がったり楽しんだりして仕事をして欲しいと思います。そしてこの仕事に魅力を感じられるようになれば、ますます気分が高まっていき、それに伴って仕事の質も向上していきます。その結果、お客さまが喜んでくれる仕事ができるようになっていくはずです。
取材日:2023年4月12日 ライター:山名 恭代
株式会社アルフォックス
- 代表者名:宮田 照明
- 設立年月:1997年7月
- 資本金:1,000万円
- 事業内容:広告制作全般、プロモーションの企画/Web制作(ホームページ制作)インターネット広告運用/チラシ、ポスター、パンフレットなどのデザイン制作/イラスト制作/コピーライティング・原稿制作/動画制作
- 所在地:〒730-0037 広島県広島市中区中町3-11中町センタービル7F
- URL:https://arfox.co.jp/
- お問い合わせ先:082-544-3140