WEB・モバイル2023.08.02

地元・東北の医療をWebで下支え。周知から集患までを全面サポート、医療メディア運営にも力

仙台
株式会社MIRAIZU 代表取締役
Yusuke Sasahara
笹原 祐輔

医療機関に特化したWebサイトの企画・制作、広告運用など、Webマーケティングをトータルでサポートする仙台の株式会社MIRAIZU(ミライズ)。代表取締役・笹原 祐輔(ささはら ゆうすけ)さんは、医療機関と地域の患者さんを適切に結びつけ、東北エリアの医療を下支えしています。Webサポートのほか、自社メディアで医療情報を発信したり、企業連携に注力したりと支援に余念がない笹原さん。創業の経緯や医療分野に特化する強み、展望などを伺いました。

Webコンサルとして経験を積み、医療機関に特化したWeb会社を仙台で創業

笹原代表のご経歴を教えてください。

私は東北・山形県出身で、高校卒業後は地元を出て茨城大学工学部に進学し、新卒で同じく茨城にあるシステム開発会社にSE(システムエンジニア)として入社しました。
そこでは主に、大手電機メーカーの製品の性能評価をするためのデータ解析や、解析ソフトの運用などを担当していました。大手企業などを取引先に持ち、非常に安定的な環境だったのですが、入社2年目に東日本大震災が起こり、茨城も東北ではないとはいえ、海沿いの地域では大きな被害を受けました。ライフラインはひと月くらい止まり、取引先の工場の業務もままならず、まったく仕事にならないという期間を経験。そのときに、本当の意味での「安定」はないのだと実感しました。

「若いうちにさまざまな経験を積みたい」と考え、入社から3年目の年、25歳のときに転職を決意。スマホが本格的に普及し、SNSが流行り始めた時期だったということもあって、Webコンサルを行っている会社に転職しました。その会社は医療機関に特化したWebサイトの販売を行なっており、私は営業から企画考案、制作ディレクション、広告運用などに携わってきました。その会社で6年ほど経験を積んだ後、2017年に仙台で独立・起業したという流れになります。

独立、起業にいたったきっかけを教えてください。

元々はそれほど独立志向が強かったわけではなかったのですが、前職の会社でお世話になった先輩方が独立して、関東圏・関西圏でグループ会社を立ち上げていたんですね。その先輩方に東北でもやってみないかと誘われたのが直接的な起業のきっかけとなりました。次に新たな取り組みをするなら、地元東北の地でと決めていたため、仙台でMIRAIZUを創業しました。

独立後、一番大変だったことは何でしょうか?

コロナ禍の事業運営は、これまで経験したことのない出来事だったので、不安要素が高かったという点で大変でした。弊社はおかげさまで、他の業者さんから新規開業案件のご紹介もいただいているのですが、新規開業を考えていたドクターの方も、開業を先延ばしにされたケースも少なからずあり新規開業案件のご紹介も減少傾向にありました。
一方で、Zoomなどのオンライン会議ツールの活用も浸透し、変わらず接点を持ちながら、営業効率を図ることができるようにもなりました。コロナが5類に移行した今、時代環境に合わせた業務体制をさらに整えていく必要があると考えています。

現在の事業内容について、詳しく教えてください

前職の会社で培ってきた経験、ノウハウをベースに創業当初からWebコンサルを実施し、現在はもっともノウハウのある医療機関に特化したホームページの制作・運用を事業の柱にしています。整体院・整骨院・鍼灸院や、調剤薬局などのコメディカル(医師と共に医療に携わる医療専門職)と言われる分野をはじめ、動物病院、税理士事務所などの士業のWebサポートもやらせていただいていますが、やはりメインとなっているのは医療機関です。
お客さまに対して、Webサイトをつくって終わりではなく、その後の改善やWeb広告・SNSの運用サポートなど、「時代に合わせた集患・ブランディング」という点にこだわってトータルサポートできるのが当社の強み。たまに名刺代わりに「簡単なサイトをつくってくれないか」といった話をいただくこともありますが、集患やブランディング目的のWebサイト運営こそが弊社の強みを発揮できるという自負があるため、お断りさせていただくケースもあります。

医療機関に特化しているその強みは?

医療機関ならではのWebの見せ方や伝え方を熟知していることです。まず制作の段階から、先生の悩みや今後の展望を確認した上で打ち合わせを進めていきます。そして一番肝心となる患者さんのニーズを把握します。そのうえで、原稿の執筆や撮影は当社を通じてプロの手で行います。予算を抑えるために、これらの素材をすべて医療機関任せにする制作会社もありますが、確実にクオリティの差が生じるので注意が必要です。
また、医療機関というのは社会的な責任が大きいこともあり、Googleの検索アルゴリズムも独特なゆえに、難点が多いという実情があります。これらに臨機応変に対応できるかも経験値が大きくものを言います。
医療機関のWebでは、医療広告ガイドラインが定められており、その規定を遵守する必要があります。よくありがちな誇大広告などをはじめ、違反しないような表現を先回りして気を配れるよう、ガイドラインを熟知していることもまた大きな強みと言えるかと思います。

あらゆる分野の企業とともに新規開業を下支えできる体制へ。メディア運営にも力

今後の事業展開について教えてください

地方の医師会から開業を考えられている先生をご紹介いただくことがあるのですが、今後さらにそういった流れを増やしていきたいと考えます。
さまざまな業種の企業さんともアライアンスを組むことで、私たちが得意とする分野で患者さん自身の生活・環境づくりをサポートできると考えます。
実際、現在は医療機関を支援するチームをもつ地方銀行と業務提携を結んでいますが、今後も多職種連携でシームレスな医療サービスの提供を目指します。

運営している自社メディアの展望は?

現在、医師監修の医療情報サイト「ヨクミテ」というメディアを自社運営しています。エンドユーザー(症状や疾患の不安を抱える方)にとって役立つ医療情報を提供することはもちろん、信頼の置ける医療情報メディアとしてGoogleに認識していただくことで、先生方のブランディングにつなげていくことを目的としています。今後、さらに力を入れて、メディアとして育てていきます。

今後、どのような会社を目指していきたいですか?

MIRAIZUとしては、地域に根づいたWeb制作会社として、医療機関とともに地域医療をサポートできるようなポジションの確立を目指します。また、現在はWeb以外でも、ロゴやリーフレット、診察券や名刺のデザインなども依頼されることがあるのですが、そういったトータルで支援できる体制をより強化していきます。
私たちのお客さま、たとえば小児科の例であれば院外活動として発達障害のお子さんや不登校のお子さんなどをサポートしているところがあります。そういった活動の情報発信だったり、コミュニティづくりだったりを、Webとリアルの垣根をなくすという点で一役を担えるようになりたいと考えています。

取材日:2023年6月23日 ライター:高橋徹

株式会社MIRAIZU

  • 代表者名:笹原 祐輔
  • 設立年月:2017年3月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:Web制作事業、Webマーケテイング事業、医療メディア運営事業
  • 所在地:〒065-0000 宮城県仙台市泉区南光台2丁目12-41-B
  • URL:https://www.miraizu-inc.jp/
  • お問い合わせ先:050-5897-0413

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