一つの“ワード”が連鎖して「新しい」を生み出す。新潟の制作会社、地方だからできること
Web制作、システム開発、マーケティング、企業TVCMや企業PR動画の楽曲制作、動画制作、イベント運営など多岐にわたる事業を展開している新潟の株式会社ワンワード。県内を飛び出して、首都圏などでも事業を展開しており、代表取締役の貝 雅史(かい まさし)さんが1996年から事業の骨格となる仕事を始めました。そんな同社には「地方都市にある小規模な会社」だからこその強みがあるんだとか。設立の経緯や今後どのように進んでいきたいのかという点についてもお話を伺いました
音楽業界での経験が原点に。個人事業主から法人化
会社立ち上げまでのキャリアを聞かせてください。
96年から音楽業界でキャリアをスタートし、企業PVやTVCMなどの楽曲制作や、イベント運営などを行なってきました。Web制作や動画制作、SNS運用の需要が増え、13年9月に個人事業主として新潟市の古町エリアに、エンジニア専門のシェアオフィスを設け本格的にスタートしました。
ワンワードを設立したきっかけは?
今年(23年)10月から始まるインボイス制度で税金の仕組みが変化することを見据え22年4月1日に法人化しました。しかし、仕事の内容はあまり変わっていません。
社名の由来を教えてください。
例えば、会話は一つの言葉をきっかけに、話が広がっていきますよね。私の仕事の基本はまさにそこにあります。一つのワードからどんどん発展して制作だけではなくて運用、さらにはその先にある未来にもつながっていく。そのような初心を忘れないように、と社名にしました。
「人とのご縁」とコロナ禍が後押し。“プロフェッショナルチーム”で業務遂行
現在の業務内容について聞かせてください。
ひと言で表せば、ベンダーです。クライアントや代理店などから、Web制作、マーケティング、イベントの企画・運営やTVCM制作など、まるっとワンストップで依頼を受けます。デザインはデザインのプロ、音響は音響のプロ、プログラミングはプログラミングのプロと、それぞれのプロジェクトに必要なエンジニアを集めてチームを作り、臨んでいます。案件は、新潟県内のみならず、東京をはじめ首都圏で行うものもあります。
東京の案件はどのようにして受注しているのですか?
人とのご縁から、というのが最も適切かもしれません。お話ししたように、昔から新潟県内のみならず首都圏でも、楽曲制作やイベント運営を行っていました。そのときからのご縁で友好的な関係を築いた代理店さんやクライアントさんからご依頼をいただいて、というのが首都圏での案件になります。
さらに、コロナ禍でオンライン化が進み、場所を選ばず、仕事ができる環境になったことも拍車をかけた一つの要因です。現在では、イベント運営の相談をいただくことも増えました。
エンジニアと関係構築、スピーディーさが強み。「地方都市にある小規模な会社」のメリット
御社の強みを教えてください。
大手にはないスピード感と柔軟な動き方が武器だと思います。その要因は、エンジニア専門のシェアオフィスを21年まで約8年間運営していた経験から、多様なジャンルのエンジニアさんと常に近い関係性を保ってきたから。スムーズに意思疎通を図れることで、クライアントさんのニーズに早期で対応できるのは、最大の強みではないでしょうか。
あと、弊社のスタッフが3人ということも大きく起因しているかもしれません。大人数になってしまうと、内輪での情報共有にも時間がかかってしまいます。その辺りのスムーズさも小規模な会社だからこそのメリットだと考えています。
新潟と首都圏での違いはありますか?
クライアントさんや代理店さんとの距離感が近いので、杓子定規なやりとりではなく、比較的柔軟に対応ができます。地方都市にある小規模な会社だからこそクライアントさんに対してきめ細やかな対応ができるのだと思います。
「常に貪欲に」。アンテナを張り続けることが「新しい」につながる
御社のビジョンを教えてください。
時代の流れはものすごく早くなっていて、どんどん世の中は変化しています。例えば、コロナ禍になったとき、対面でのやり取りができないからオンラインに、対面販売は難しいからECサイトで、とそれまでとは異なるスタイルにいかに柔軟に対応できるか、が重要となりました。あらゆる状況に対応できるように技術を蓄えておくことが大切ですし、そういった準備を弊社でも怠らないようにしたいと考えています。今やっていることに満足してしまったら、そこで成長はストップしてしまいます。トップランナーの後ろについていけるくらい、時には前を走るように、新しい技術や知識を貪欲に身につけていかないと、私たちみたいなお仕事は食いっぱぐれてしまいますからね。
新しい技術や知識を身につけるうえでご自身が実践されていることはありますか?
ディレクター業務や、PMとして仕事に関わる事も多いので知識がなくても、まずは触ってみて、自分で体験するようにしています。弊社で受注しているWeb制作や動画制作など、自分自身の技術が専門分野ではなくてもひと通り自分で実践しましたね。こうすると自身の知識になるだけではなく、エンジニアに発注する際にも役立ちます。どの工程がどのくらい大変なのかを身をもって体験することで、エンジニアの気持ちも理解できるようになるんです。全員が気持ちよく、スピード感を持って仕事をするうえで、これはかなり重要なファクターなんですよ。
それからさまざまなことに興味関心を持っていることで、この先、新しい仕事につながる可能性が出てくる。流行ってからではほかに後れをとってしまうので、常にアンテナを張り、広く技術を身につけておくことが非常に大切だと思っています。その状況、状況で即座に対応できるか否か、その答えが新しい技術や知識の吸収に貪欲であるかということに直結すると考えています。
そういった点で今注目している技術・知識はありますか?
やはりAIです。従業員が2、3人にも関わらず、AIを活用して売り上げ数億という会社もすでにあり、この波はあっという間に全国に波及すると思っています。人間でなければできないこと、AIに任せてしまえばスピードが上がること。いかに上手にAIを使いこなせるようになるか、常にアンテナを張って、自らも勉強しています。
今後どのようなクリエイターさんたちと一緒にお仕事をしたいですか?
くるもの拒まずです。萬屋というか便利屋というか……、本当に弊社の仕事は多岐に渡りますので、いろいろな方と一緒にお仕事できる体制を常に築いておきたいと考えています。
今の世の中、ジャンルによっては同じ都道府県に住んでいなければ仕事ができないという環境ではありません。Web制作やマーケティングなどは、特にそうだと思っています。ワンワードの事業や方針にご興味のある方は、新潟県内の方に関わらずお気軽にお声がけください。
取材日:2023年8月8日 ライター:コジマ タケヒロ
株式会社ワンワード
- 代表者名:貝 雅史
- 設立年月:2022年4月(創業 2013年9月)
- 資本金:300万円
- 事業内容:Web制作 システム開発 マーケティング 映像制作 楽曲制作 イベントプロデュース
- 所在地:〒950-0961新潟市中央区東出来島10-1 越路ビル 1F
- URL:https://oneword.jp/
- お問い合わせ先: