北陸ならではの仕事姿勢、多角的な広告手法で課題を解決。価値をプラスし一歩先へ
CMやWebサイト、紙媒体、イベントなどを駆使した広告で企業の課題を解決し、信頼関係を築いている富山県の広告代理店・株式会社パーク。代表の小林 永(こばやし ひさし)さんは、まったく違う分野から広告業界に飛び込み、経験と知識を着実に積み上げて現在の会社を設立しました。日々変化する時代のなかで、変わらず大切にしているのは誠実に寄り添い、同じ立場で考え、目的を達成する方法を提案すること。今回は、会社立ち上げまでの経緯や幅広く展開する現在の事業、仕事の魅力、展望などについて伺いました。
やっぱり挑戦したい。強い想いを胸に雑誌出版社の門を叩く
広告業界に興味を持たれたきっかけを教えてください。
母がデザイン関係の仕事をしていたので、その影響が潜在的にあったのではないかと思います。そして大学時代に、音楽イベントのポスターを自分たちで作ったのが楽しくて。いつかそれを仕事にしてみたい、と思っていました。
会社立ち上げまでは、どのようにキャリアを積まれたのでしょうか。
デザインの仕事に興味はありながら、大学卒業後はなんとなく製造業の仕事に就いたんです。でも数年ほど勤務したところで、やっぱりやりたいことにチャレンジしたいという気持ちが強くなり、思い切って雑誌出版社に飛び込みました。
まったく違うジャンルへの転職は大きなチャレンジでしたね。
経験も無いので、まずはアルバイトからのスタートでした。半年ほどのアルバイト期間を経て正社員となり、雑誌の企画や特集を考えたり、広告営業をしたり、デザインを指示したりと、編集や広告の基礎を学ぶことができましたね。
広告を「何もわかっていない」。代理店に転職、広告への理解を深め独立
その後、広告代理店へと転職。この決断をされた理由をお聞かせください。
友人とデザイン部門を持つ会社の事業部の立ち上げなども経験し、自分で担当するお客さまが増えていくにつれて、要望も複雑化してきました。そこで、これからの時代に合った提案をしていくための、自身の広告に対するノウハウが足りていないことに気づきました。メディアをミックスさせて提案するようなことができていなかったんです。
お客さまと向き合っていくにはこのままではいけない、もっと知識をつけなくてはダメだと痛感し、広告代理店で経験を積もうと考えました。
代理店で広告への理解が深まったところで、いよいよ会社を立ち上げるわけですね。
そうですね。広告代理店でお客さまもついてくれて、もし自分が独立すればこれくらいの方が引き続き依頼してくれるだろう、という見込みが出てきていましたし、色んなタイミングや後押しもあり、独立を決意しました。
真摯に向き合い、目的を達成するアイデアを。土地柄に合わせた仕事への姿勢で積む信頼
現在設立5年目ということですが、かなり幅広く事業を展開されていますね。媒体もテレビや映画、Webサイト、紙媒体にSNSと多岐に渡っています。
信頼できるパートナーが多いので、さまざまなコンテンツの制作を実現できています。例えばCMがいいのか紙媒体がいいのか、お客さまの立場になってどのような形なら応えられそうかを考え、必要なパートナーをピックアップして提案する、ひたすらその繰り返しですね。
「常に誠実であれ。」という企業理念からも、お客さまに寄り添うという姿勢が伝わってきます。
お客さまが何に悩んでいるのか、根本的な原因がどこにあるのかは、寄り添わないと見えてきません。自分たちの数字のためではなく、お客さまと同じ向きで、同じ側に立って考え、判断したいという想いがあります。
北陸はコミュニティーが狭いので、人が人を呼んで仕事をもらうことも多いです。クオリティはもちろん求められるんですが、 “人としての信頼”みたいなものも重視されるシーンが非常に多いと感じています。誠実さを理念に掲げているのも、真面目に物事に向き合うことが、何よりも信頼されるために必要だからです。誠実に向き合うことで、お客さまと良い関係を築けるので、よいビジネスが行えると思っています。
お客さまとのやり取りを進めるなかで、心がけていることはありますか?
お客さまが何に困っていて、何を求めていて、どうしたら結果に繋げられるかを意識しています。お客さまが私たちに声をかけられるということは、必ず何か課題があるということです。ただその課題が本質を捉えている場合もあれば、実はもっと根本に課題があることも多いです。私たちはその本当の課題を見極めて、何を達成したら解決できるのかを冷静に考えることを意識しています。「これやってね!」「はいわかりました!」ではなく、時にはお客さまと議論をぶつけることもあります。これも本当の意味での目的達成には必要なプロセスなんです。正直言われたことだけやっていた方が楽かもしれないのですが、それだと依頼する先がパークじゃくても同じなので、自分たちの存在意義をしっかりと示していきたいと思ってます。
これまで手がけてきたもので一番印象的だった仕事をお聞かせください。
私がなぜクリエイターにならず代理店をやっているのかというと、毎回いろいろな人と仕事ができるからです。案件によってチームが変わるので、自分たちも勉強になるなと感じさせてくれる方と一緒に仕事できる機会がある。それが非常に面白いですね。
だから、どの仕事が一番ということはないんですが、地元で昔から活躍されてるクリエイターの方と仕事をすることもあれば、業界では誰もが知るようなクリエイターの方とお仕事をさせていただくこともあります。ココが広告代理店の最も面白いところだなと感じています。
どのような瞬間に仕事の喜びを感じますか?
お客さまで「一生パークでいく」と言ってくれた方がいたことは、何よりうれしかったです。県内の代理店で何か手がけるなら、どこにも負けないぐらいの営業力、企画力、提案力があると自負していますし、一生任せたいと思ってくださったことは、自分たちが真摯にお客さまと向き合ってきた結果だろうと。ハイクオリティというよりは満足度が高いものを提案できる力が「パーク」にはあります。
楽しみながら働くために必要なこと。追われる広告仕事、だからこそ「感情的に楽しんで」
今後の展望や将来のビジョンをお聞かせください。
Webもこれだけ発達し、求められる領域が広がっています。広くなりながら方向が変わっていくようなイメージでしょうか。今も広告だけを売っているわけではなく、一緒に課題解決することが多いので、今後も総合広告代理店というよりは“スーパーバイザー”のような役割を果たしていくのだと感じています。
属人性が高い仕事なので、そこが喜びや達成感に繋がると同時に、個人の能力に頼ってしまうというマイナスのポイントでもあると思っています。気軽に担当交代とかできないので……。だから、今後はそういった属人性の高い仕事と平行して、自社サービスを充実させたり、安定的に受けられるジャンルの仕事を増やしたりして、会社の強度を上げていきたいです。そうやって会社をある程度安定させた上で、スタッフの夢ややりたいことを実現していける組織にしたいと思っています。
一緒に働く社員にはどのようなことを求めますか?
せっかくパークにいるのであれば、パークなりの環境を楽しんでほしいですね。時間が不規則なので休日に電話がかかってくることもあります。待遇が良い業態ではないので、プライベートを充実させたいなら別分野の仕事がいいのかもしれません。
だからこそ今の仕事を通して、お客さまに喜んでもらえるのを目の当たりにする満足感や自分の提案を採用してもらえたうれしさ、行政のプロポーザルに落ちた悔しさ、それらを感情的に楽しんでもらえればいいなと思っています。
最後に、クリエイターへのメッセージやアドバイスをお願いします。
今の時代、映像作品などもクオリティの高いものが簡単にできてしまいます。でも、本来取るべきプロセスを取らず、辛い環境での修練も経験していないので、実際にビジネスの場になるとリタイアしてしまう若手クリエイターも多いんです。だから、下積みが重要。いろいろなものを見て、この業界ができあがったプロセスや歴史を知っていないとお客さまからの信頼は得られないと思います。
そして、大切なのは仕事を本当に好きになること。私が信頼しているデザイナーは、スキルが高いのはもちろん、作品や仕事のことをとても楽しそうに話すんですよね。私も原点にあるのは人に喜んでもらうのが好きだという気持ち。これからも魅力的な人とのつながりに喜びを感じつつ、楽しみながら仕事を続けていきたいですね。
取材日:2023年12月13日 ライター:酒井 恭子
株式会社パーク
- 代表者名:小林 永
- 設立年月:2019年9月
- 資本金:1,050万円
- 事業内容:マスメディア広告・その他各種広告の代行業務、グラフィックデザイン、映像制作、イベント企画、Webサイト・アプリ制作、Web広告運用・アクセス解析、 企画立案・トータルブランディング
- 所在地:〒939-8206 富山県富山市布瀬町1-8-1 高石ビル3F(南)
- 電話番号:076-492-1602
- URL:https://parkinc.co.jp
- お問い合わせ先:上記HPの「お問い合わせ」より
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