“売ってから頼られる”オフィス環境作り。円滑な事業運用をOA機器販売・施工で下支え
オフィスのパソコンやビジネスフォン、サーバーなどのOA機器の販売から施工・保守までを自社一括で行い、時代に応じたメンテナンスで、快適なオフィス環境作りを提案する株式会社ティアール。札幌に拠点を置きながら、最北端のまち・稚内などからの注文もこなし、道内企業の円滑な事業運営をサポートしています。2022年からは新たにHP事業もスタートさせた代表取締役・佐藤 崇人(さとう たかひと)さんに、取り組みや展望について伺いました。
「売ったら終わり」ではなく、頼られる関係作りを。営業と工事をこなす代表
セキュリティ事業を始めた経緯を教えてください。
私は実家が自営業を営んでいることもあり、小学生の頃から社長になるのが夢で、独立志向が強かったんです。ですから就職活動をする際、内定をいただいた一社目の業種で、ノウハウを学び、独立しようと思っていました。
そう考えて入社したのが、ビジネスフォンや複合機などのOA機器、防犯カメラなどを販売する会社でした。
立ち上げに際して会社の構想はありましたか。
前の会社ではスーツを着て営業職という立場でお客さまと接してきましたが、作業着を着て、自分も現場に出て、もっとお客様との距離を縮めて、何かあったらすぐに相談してもらえるような、信頼される関係作りをしたいと思っていました。
お仕事内容についてお聞かせください。
前職と同様、OA機器やPC周辺機器の販売・施工・保守事業、屋内・屋外用の防犯カメラの販売・設置などを行っています。
現在は営業3人と工事担当2人、Webエンジニア3人がいて、私は両方を担当しています。お客さまの多くは新規で、飛び込みやテレアポ、紹介で獲得してきました。
販売から工事までのトータル構築でオフィス環境を整備。札幌だけでなく道内全域の注文に対応
オフィス環境構築について配慮している点を教えてください。
トータルでオフィス環境を構築できるからこそ、利便性を考えたオフィス環境作りに配慮しています。自社でネットワークの構築、ビジネスフォンや複合機の設置、オフィスの設計、インターネット回線から電気周りの工事、HP,クラウドサービスまで対応できるので、お客様のやりたいことはほとんど網羅できます。
オフィス環境の問い合わせ窓口を弊社に一本化することによって、問題解決までのスピードを大幅に早めることが出来ます。
ご契約をいただいたお客様のネットワークの状態と契約内容をすぐに確認していただけるように「お客様ノート」を一社ずつ用意してお渡ししてるのですぐに問合せ先がわかります。
販売の際にお客さまが困っていることや社内環境などもしっかりリサーチしますし、これまでに工事件数も多くこなしていますので、使いやすい・働きやすい環境作りの提案ができると思っています。
案件は札幌が多いのですか?
ご注文のほとんどは札幌市内の企業様にいただいています。北見や釧路に行くこともあります。依頼があれば道内どこでも行きますよ。札幌市外で約150社お客様がおりますので、出張は多いですね。
22年には稚内支店も新設されましたね。なぜ稚内だったのですか?
稚内は私の地元で、将来的に家業も継ぎたいと思っていますので、稚内でも札幌で培ってきた仕事ができるように支店を開設しました。2~3年後には本格的に稚内支店を動かしていこうと思っています。
自社回線でスムーズな顧客の事業運営に貢献
自社で光回線も持っているんですね。
はい。既存のお客さまに自社の「TR(ティアール)光」をご紹介しています。何かあった時のサポートやお問い合わせの窓口が一つの方がラクだと思いますので、ご提案しています。現在の利用社は100件くらいですので、もっと増やしていきたいですね。24年からは個人向けの「TEEMO(ティーモ)光」も始めます。
引き継ぐ形でHP事業を開始。そこから年々クライアント数が増加
HP制作事業を始めたきっかけを教えてください。
知り合いのHP制作会社の社長が体を壊されて。会社の存続が厳しいということから、買収という形でクライアント70〜80社と、制作スタッフを引き受けました。それが22年のことです。そこから会社の一事業部としてスタートさせました。年間40‐50社ずつ増やし、現在のクライアントは道内で約200社になります。
製作スタッフは、PC、システムにも詳しいのでOA事業のサポートもしてもらい、とても心強い仲間です。
HP制作を依頼されるお客さまはどのような方が多いですか。
これまで、北海道神社庁や建設業界、飲食店、商店などさまざまなジャンルのお客さまがいました。1日30〜40件は飛び込み営業をしていましたが、コロナ以降は気軽に会っていただくのが難しく、飛び込み営業は減りましたね。今はお客さまや知り合いからの紹介で、月に4〜5件ほど新規を獲得しています。私が三つの異業種交流団体に週に1〜2回は参加していますので、そこでの紹介も多いですね。
お客さまからは、どういったご相談が多いのですか?
補助金を活用してECサイトを作りたいというご要望が数件ありました。1〜5人規模の会社で、「HPを持っていない」「興味はあるけれど値段が高い」といったお客さまもいらっしゃいますので、OA機器をご注文いただいた際に「HPも作れますよ」と提案をし、安価で制作を受注することも多いです。お客さまのご要望を伺ったうえで、弊社のデザイナーが制作を行います。
防犯カメラの定額レンタルもスタート予定。情報のアップデートでニーズに寄り添う
仕事をするうえで心がけていることを教えてください。
新規事業を立ち上げたいお客さまに対し、テナント選びや事務所設計、機械の導入まで行い、すぐに会社として使えるようにするのが弊社の役割です。インターネットが1日使えないだけでも大損害だと思っています。通信業は次々新しい商材が出てきますので、今は技術や商材がなくてお客さまのご要望に応えられなくても、来月には発売されてできるようになっていることも珍しくありません。ですから、新商材に関する情報は常にアップデートしなくてはなりません。さらに、「この機能を求めている人がいたな」など、お客さまの要望も常に頭に入れておく必要があります。
そうした情報や知識は営業の人間によって差があってはいけませんので、知識の共有のために社内での勉強会も行っています。
新たな取り組みがあったら教えてください。
弊社の商材は販売とリースだけですので、24年からは工事現場や工場、仮設住宅など期間限定の現場を対象に、月定額で防犯カメラのレンタルを始める予定です。
工事現場に足場を組んだ際、一般人が入ってきて事故になったり、子どもが入って遊ぶといった危険を避けたり、資材泥棒や放火対策のために防犯カメラが必要になります。関係者以外が侵入した場合は現場監督の携帯電話に発報するといったシステムで、同時にカメラで従業員の様子や進捗状況もチェックできます。
レンタルはどのくらい需要があるのですか?
防犯カメラの設置義務はありませんが、防犯のためには必要ですので、レンタルの需要は高いですよ。しかし、レンタル事業を行う上で資金力や在庫管理などが求められますので、今まで手を出せませんでした。レンタル料の相場は高いので、ニーズに対応し、安価なレンタルを始めようと思っています。
チャレンジ精神を大切に。今後はBtoCにも取り組みたい
今後の目標や構想について教えてください。
ティアール自体は、10人規模で打ち切りにするつもりです。今はBtoBの仕事ですが、いずれはBtoCにも取り組んでみたいですね。実は24年には事業再構築補助金を利用して、訪問看護事業やB型就労支援施設などに取り組もうと計画中です。キッチンカーのフランチャイズの話もあるので、屋台もいいかなと思っています。楽しいことをやりたいです。
そうなると人材の確保が必要ですが、どういった方と働きたいですか。
仕事が好きな人がいいですね。私は大学でデザイン学部でしたが、自分には向いていないと分かり、まったく別の道に進みました。大学時代に感じていたのは、デザイン系の人はいい意味で好き嫌いがはっきりしていますし、自分が好きなこと、やりたいことだけをするという人もいます。コレと思ったことを貫く姿勢はいいですが、社会に出るとそれだけでは難しい場面もあります。
私は会社を立ち上げて、良くも悪くも同級生が味わっていないものを見て、経験していると思いますし、それが自分自身の成長にもつながっています。ですから一緒に働く人やクリエイターを目指す人にも、いろいろなことにチャレンジしてほしいですね。私自身が社長になりたいという夢を持っていましたので、独立をするのもいいと思いますし、社長を目指す人は応援します。将来的に協力会社としてタッグを組んで、面白いことをしたいですね。
取材日:2023年12月18日 ライター:八幡 智子
株式会社ティアール
- 代表者名:佐藤 崇人
- 設立年月:2018年2月
- 資本金:500万円
- 事業内容:セキュリティ事業、情報通信サービス事業、HP事業
- 所在地:〒064-0808 札幌市中央区南8条西18丁目3-18 飯村ビル2F
- URL:https://www.official-tr.co.jp/
- お問い合わせ先:011-596-8548 あるいは上記の「お問い合わせ」へ