WEB・モバイル2024.05.15

新規事業を「ワンチーム」でサポートし“経営者の頭の中をカタチに”。5人の強みで成功へと導く

福岡
株式会社クリエスタ 代表取締役社長
Akihiro Aoyama
青山 晃広

成長や競争力の向上、利益創出を目指し新規事業を始める企業は数多く存在しますが、成功は簡単なことではありません。そんな思うようにことが進まない、何をどうすればいいかわからないという経営者をサポートするべく、新規事業の伴走支援サービスを行っているのが株式会社クリエスタです。それぞれの案件にあわせて専門性のあるメンバーでチームを組む、ギルド型組織のスタイルをとっています。今回は代表の青山 晃広(あおやま あきひろ)さんに、立ちあげまでの経歴や事業にかける想い、展望などについて伺いました。

研究、旅、ボランティア、インターン、経営者の右腕……多くの経験と出会いが起業の礎に

これまでの経歴を教えてください。

僕は鹿児島県出身で、福岡の大学に入って機械工学を学んでいました。就職活動をしたのですが、やりたいことが特に見つからなくて大学院に進みました。大学院ではロボット工学の研究をしていて、所属する研究室では日夜サッカーロボットの研究に情熱を注ぎ、ロボカップという国際的ロボット競技のアジア大会や世界大会にも出場しました。
そして、2度目の就職活動中、それまで過ごしてきた工学畑じゃない世界を見てみたいと思うようになって、いったん休学することにしました。
休学中は福岡~東京間をヒッチハイクで移動したり、被災地やカンボジアでボランティアをしたりしました。ほかにも内閣府 青年国際交流事業・世界青年の船に参加したり、コ ワーキングスペースでインターンとして働いたりと、いろいろなことをやってみました。

学生時代は国内外であらゆることに挑戦されたんですね。それらの経験はご自身にどのような影響を与えましたか。

日本を出てみると、外国は景色も違うし人の考え方も違う。日本で常識と思われているものが外国では常識ではないこともたくさんあって、今まで自分は狭い世界に生きていたんだと感じて、視点が変わりました。
あと、たくさんの経営者の方たちと話したことで価値観も変わっていきました。ヒッチハイクで同乗させてくれた人は不思議と経営者が多かったのと、コ ワーキングスペースでも経営者やフリーランスの人と接する機会が多くて、みなさんワクワクして楽しんで仕事をしているように感じたんですね。「“自分で仕事を始める”って面白そうだな」「こういう人たちのようになりたい」と漠然と思うようになって、起業を意識し始めました。
それで、コワーキングスペースで教えてもらったWeb制作のノウハウを生かして、個人事業主として少しずつ仕事を受けるようになっていきました。卒業後このままやっていくのもいいかなと思っていたのですが、あるとき起業家育成プログラム「VENTURE FOR JAPAN」の存在を知り、参加することにしました。

それはどのようなプログラムですか?

「VENTURE FOR JAPAN」は起業家を志す若者と、業界をリードする地方の中小企業・ベンチャー企業をマッチングする一般社団法人です。経営者直下の事業責任者など重要なポジションに就き、2年間で起業できるほどの経験と実力をつけることを目指すプログラムで、机上で学ぶのではなく現場で経験を重ねていきます。定期的にほかのメンバーと集まって情報共有して、互いを高めていくプログラムです。
僕は、福島県で商業施設の内装や家具製造などを手がける会社に入りました。震災を経験した大変な状況の中でも新規事業を次々と生み出している力強い社長のもと、右腕というポジションで新規事業の事業責任者を任されました。クリエイティブなものの制作や見積もり、営業資料の作成など事業開発に必要なことは何でもやりました。大企業の一社員として事業に携わったら一部しか携われないと思うんですけど、全体に携われたからこそ、自分のしたことが何に反映されるのか、自分の行動によってどんな結果が生まれるかが全部わかる。そこが良かったです。
新規事業って結構キラキラしている感じだけど全然そんなことなくて、本当は泥臭く営業活動をひたすらやらないといけないし、莫大なコストや時間もかかる。すぐには形にならなくて、いろいろなことを積みあげてようやく完成するということを学びました。

専門的なスキルを持った仲間とともに。強みを集めれば大きな力になると確信して

新規事業の立ち上げすべてに携わったことで、経営者としての視点を持てるようになったわけですね。

起業家育成プログラムで働いていたときのことになりますが、僕は旅好きが集まるオンライン上のコミュニティーに入っていました。いろいろなメンバーと話しているうちに、それぞれが専門的なスキルを持っていることがわかって。メンバーそれぞれの強みを集めたら、企業の課題などを解決できるんじゃないかとアイデアが浮かんで「一緒にチームでやってみたい」と発信したら、メンバーが集まってくれました。
僕は副業としてWebサイトの作成などクリエイティブに関する仕事を少しずつ受けていたのですが、起業家育成プログラムを終えてからは、メンバーとチームになってSNS運用やWebサイト制作などの案件をひたすらこなしていきました。徐々に、受ける仕事の規模も大きくなっていったので、法人化したほうが信用にもつながると考えて、2023年8月に会社を立ちあげました。

クリエスタのメンバー構成を教えてください。

メインは5人です。僕が1人社長で、あとの4人は動画制作、ライティングなどクリエイティブな分野に精通しているメンバーで業務委託契約をしています。福岡にいるのは僕だけで、今は3人は関東、1人はオーストラリアにいます。みんな旅好きなので世界一周しているときもあるし場所はバラバラです。いわゆるギルド型組織で、一つの案件に対してチームを作るやり方でやっています。5人で足りなければ、そこを埋めてくれるクリエイターを探して、入ってもらっています。

丁寧なヒアリングで、“経営者の頭の中をカタチにする”。社名とロゴに込めた思い

現在はどのような事業を中心に行っていますか?

新規事業の伴走支援サービス「ワンチーム」です。一言で言うと“経営者の頭の中をカタチにする”ということ。経営者には、新しい事業のアイデアを持っていてもそれをカタチにするために何をどうしたらいいのかわからない方が多くいます。そのような経営者に対して、「この言葉はこういう意味ですか?」「この雰囲気で合っていますか?」「事業の方向性は?」など、ヒアリングを丁寧に重ねてイメージをデザイン化したうえで、広告やサイトを作って進めていきます。
例えば、「このビジネスは絶対当たる!」と数千万円かけて事業を始めても、ニーズがないことは結構あります。僕らはまず、少ない予算で世の中にアプローチして、本当にその事業を求めるユーザーがいるのかを検証します。中小企業が多額の予算をかけて新規事業に力を注ぐと、元々その企業の柱だった事業が崩れる可能性もあるので、最小限の予算で進められるよう提案しています。また、既存事業のサポート、認知度があがらずにうまくいっていないブランドの見直し、Webサイトの作成やインスタグラムの運用なども行っています。

社名に込められた思いを教えてください。

社名を決めるのには時間をかけました。何かと何かを組み合わせた造語が良くて。一つは、“想像できるものをどんどん生み出したい”という思いを込めて、自分たちの強みである「クリエイティブ」。
もう一つが、“5人それぞれのスキルをどんどん尖らせていきたい”との意味がある「スター」です。「好きこそものの上手なれ」という言葉が好きなのですが、僕は好きなことならいくらでも上手になれると思っているんですね。5つの点を尖らせ続けると星の形になります。「5つのクリエイティブの光が集まり、星の輝きを放つ」という想いを、社名とロゴに込めています。

8月の立ちあげから1年弱が経ちましたが、振り返ってみていかがですか?

ありがたいことにクライアントもどんどん増えてきて、自分たちがやっていることは価値を生み出せているんだと実感しています。新規で営業をかけることは立ちあげから1度もしていなくて、人と人とのつながりで仕事をいただけています。この状況におごらずに一つ一つのお仕事に真摯に向き合っていきたいと思っています。

困難や苦難は思いでいくらでもカバーできる。クライアントとともに走る存在でありたい

クリエスタの展望を教えてください。

これまで、やりたいことをカタチにできずにうずうずしている経営者を多く見てきました。そういう方の右腕となり支えていけるよう、新規事業の伴走支援にさらに力を注いでいきます。僕はよく自分たちのことを“クリエイティブパートナー”と言っているのですが、「クリエイティブだったらクリエスタ」「新規事業だったらクリエスタ」と思っていただけるような会社にしたいですね。
例えば、Webサイトを依頼されたら作成して終わりではなく、経営者が何を求めているのか丁寧にヒアリングを重ね、本当に何が必要なのかを一緒に考えていきます。僕はコンサルティングだけするのも好きではありません。アドバイスや方向性を示すだけではなく、クライアントと一緒に手を動かして、ともに走る、そういう存在でありたいですね。

一緒に働くクリエイターにどのようなことを求めますか?

僕は“思い”を大事にしているので、スキルがすごい人よりも本当に仕事を楽しんでいて、この人のために仕事を頑張りたい、企業の課題を解決したい、地域のために何かしたいとか……そういう思いや気概がある人と一緒に仕事ができたらと思っています。新規事業って、計画どおりにいかないことやきついことが多いんですよね。テクニックやスキルよりも「自分はこれをやり遂げるんだ」という思いがある人のほうが、困難や苦難を乗り越えるのではないかと思います。

取材日:2024年3月27日 ライター:中島 敬子

株式会社クリエスタ

  • 代表者名:青山 晃広
  • 設立年月:2023年8月
  • 事業内容:新規事業の伴走支援サービス、クリエイティブ関連( Webサイト、SNS広告など)の制作
  • 所在地:〒810-0001福岡市中央区天神2-2-12 T&Jビルディング7階
  • URL:https://creasta.net/
  • お問い合わせ先:

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