課題の見える化と企画力で、顧客の心をつかむWeb制作。「利他の心」を軸に事業を展開
独自のマーケティング手法によるWeb制作などで顧客が抱くビジネス課題を解決に導く株式会社フロンティア。愛知を拠点に数多くのクライアントを獲得し、競合プレゼンにおいても非常に高い成約率を誇っています。代表の杉原 範彦(すぎはら のりひこ)さんは、前職では住宅設備の営業「トップ」でありながらも、まったく違う業界で起業の舵を切りました。売り上げの一部を途上国に寄付するなど社会貢献にも積極的な杉原さんに、立ち上げまでのキャリアや起業からの道のり、高い成約率の秘密などをお聞きしました。
トッププレイヤーの営業マンから転身。仲間とともに未到の道へ
フロンティアを立ち上げられるまでのキャリアを教えてください。
19歳のときに、住宅設備の営業会社に入社しました。そこで営業で稼ぐための知識やノウハウを覚え、3年目にはおよそ1,000人のトップ営業にまで上り詰めたんです。その後、別の営業会社に営業所の所長として転職し、後に移籍先が統合することになりました。この機会をきっかけに会社を離れ、自らの道を切り開く決断をし、フロンティアを立ち上げました。
住宅設備会社からのスタートだったのでしょうか?
住宅の領域をそのまま続けるという選択肢もあったのですが、一緒に起業したメンバーたちの「IT系に進みたい」という想いを汲んで、IT事業に舵を切りました。
未経験の業界で、はじめての挫折を味わう。ビジネス確立に向け昼夜問わず行動した日々
いきなりIT事業に進出された苦労はありましたか?
営業する力はあったのですが、IT業界はまったくの未経験だったのではじめは苦労の連続でした。
これといったビジネスモデルの確立もできていないですし、メンバーも若かったのでさまざまな衝突も起きました。金融機関から大きな借り入れも行ったのですが返済がうまくいかず、メンバーが1人、また1人と去り、約3年でついに私1人になってしまったんです。
それは大変な創業期でしたね。
やはり始めた以上は諦めたくなかったので、昼間は知人の会社の営業活動を手伝い、夜は独学で勉強しながら受注いただいた小さな仕事のデザインやコーディングを進める日々が続きました。
当時は今のようにWeb制作の豊富な情報がインターネットでどんどん探せる時代ではなく、本を買って勉強するような時代でした。いただいた仕事で実践を重ね、お客さまに育てていただいたという想いがとても強いです。
人の温かさに触れ、尖っていた自分の角がとれた30代
大変な状況に変化が訪れたきっかけはあったのでしょうか?
第一子が生まれたことがきっかけの一つになりました。子どもの保育園に関わる父母がすごく温かく、一緒に活動することで地域貢献への気持ちが非常に強くなりました。
また、公益社団法人名古屋青年会議所で同世代の若い経営者たちと交流することで「自分がなぜこの仕事をしているのか?」という意味を深く考えることができました。
人の温かさやさまざまな価値観に触れるなかで、尖っていた自分の角がとれ、歯車がきちんと噛み合うようになったのだと思います。イケイケの20代とは違う、地道にコツコツと信頼を重ねる30代を過ごしました。
Webを中心にインターネットのビジネスを展開中。胡蝶蘭(こちょうらん)の販売サイトを運営するワケ
現在の企業規模と手がけているビジネスを教えてください。
現在は約20人のスタッフと一緒に、Web制作を中心に行うほか、胡蝶蘭や観葉植物、季節の贈り物などを全国に販売するインターネットのビジネスを展開しています。
Web制作では“コト売り”を大事にしています。お客さまには採用活動の強化やブランディング、売り上げ向上など、それぞれの企業課題があるはずです。その目標達成の手段の一つがホームページなので、目的を明確にしてから提案を行うようにしています。
フロンティアの強みはどのようなところにありますか?
自社で胡蝶蘭ギフトのECサイト「花ざかり」を運営していることが強みにつながっています。EC運用の大変さを理解できたり、デジタルマーケティングの最新トレンドを共有できたりするので、お客さまからの信頼を獲得できています。
ECサイトに胡蝶蘭ギフトを選んだ理由は?
ご縁ですね。以前から自社ECサイトを持ちたいという気持ちはあったのですが、商材は見つかっていませんでした。そんなときに胡蝶蘭の生産農家からECサイト立ち上げの相談があり、フロンティアで運営を行う提案をさせていただきました。
十分な分析のもと、企画提案フェーズに入る
そのほかにも強みがあったらぜひ教えてください。
「提案力」がフロンティアの強みです。お客さまが「なぜこのホームページを作るのか」を、ヒアリングを通じて見える化し、競合分析なども十分に行ってから、企画に入っていきます。競合案件では価格競争になりがちなのですが、企画力、提案力の違いから高い成約率を誇っています。
事業を通じて、世の中の役に立つ大切さ。売り上げの一部を途上国の子どもたちへ
仕事を進めていくうえで常に大事にされていることはありますか?
「企業としてお客さまに何が提供できるのか」を常に考えていますし、今の自分たちにできる社会貢献もものすごく大事にしています。
UNICEFと協力して途上国へワクチン支援を行う民間の慈善団体「世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」の活動を応援し、EC事業の売り上げの一部でポリオワクチンを寄付しています。2014年にはラオスへ視察にも行きました。これからも世界で困っている人たちに向けての活動を拡大していきます。
社会貢献活動に前向きな理由を教えてください。
このような社会貢献活動を積極的に行う背景には、自分の生い立ちがある気がします。幼少期にとても寂しい想いを経験したことがきっかけで、人や社会をよりよくしたいという気持ちが芽生えました。
以前は「会社が大きくなったらこんなことをしたい」という未来志向だったのですが、「今の自分たちにできることから始めていくべきだ」と考えを変え、JCVの活動を支援することを決めたんです。
毎年アップデートするビジョンを仲間と共有し、夢実現へ。心がける利他精神
今後の展開やビジョンについてもお聞かせください。
フロンティアでは「10年ビジョン」を毎年更新し、いつまでに何を成し遂げるのかを社員みんなで共有しています。
10年後には100人規模の会社に成長させるだけでなく、3年以内に途上国に新会社を作って現地に雇用を生み出すことを目標にしています。地元の名古屋での存在感をさらに強固にし、全国展開を目指しています。
全国展開を目指すうえで、どのような方と働きたいとお考えでしょうか?
技術も大事ですが、それ以上に心が大事だと考えています。当社では「利他の心」を行動指針の一つとしているのですが、いい行いをすれば、きっと自分に返ってくると信じています。世の中に奉仕するマインドを持った方と一緒に仕事がしたいです。
「お客さまが求めているものを理解し、かたちにしていく力が、本当の実力」
最後に、世の中のクリエイターにメッセージをお願いします。
クリエイターのみなさんは何かを表現するのが得意だと思います。若いクリエイターの方は仕事を通じて“自分を表現したい”という気持ちが強いと思うのですが、やはり「お客さまに何ができるのか」といった課題解決の意識を持つことが重要だと思います。お客さまが求めているものを理解し、かたちにしていく力が、本当の実力なのだと思います。
取材日:2024年3月14日
株式会社フロンティア
- 代表者名:杉原 範彦
- 設立年月:2005年10月
- 資本金: 1,000万円
- 事業内容:Webデザイン・Webサイト制作(システム開発)/ECサイト制作/リスティング広告代行・SEO/ECサイト「花ざかり」運営
- 所在地:〒467-0066 名古屋市瑞穂区洲山町二丁目14番地水野ビル2F
- 電話番号:052-853-9890
- URL:https://www.frontier-web.co.jp
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