スペース2024.07.10

築いたつながりで新潟を“もっと楽しく”。SNSつぶやきで始まった地域活性化プロジェクトとは?

新潟
株式会社モアソビ 代表取締役
Daichi Nagai
永井 大地

テレビ局で幅広い人とのつながりを築き、IT企業の転職を経て独立を果たした、株式会社モアソビの代表取締役・永井 大地(ながい だいち)さん。現在、テレビやインターネットなどのメディア広告、コンサルティング、マーケティングなどで5社と業務提携する一方で、シャッター通りだった地下商業施設を活用した新しい取り組みを仕掛けています。“人とのつながり”があるから「今のような働き方ができている」と語る永井さんがたどってきた道のりとは?多方面で活躍する永井さんに話を伺いました。

営業でも番組は作れる!?がクリエイティブ畑への第一歩

会社を立ち上げられる前はテレビ局にお勤めだったと伺いました。

はい。新潟の高校を卒業後、浪人を経験し、関西の大学へ進みました。家庭の事情で、就職で新潟に戻ってこなければならなくなり、仕事が楽しそうという理由からテレビ局の就職試験の応募。合格して、入社という形になりました。

当時、志望部署はあったのですか?

報道志望でした。しかし所属は、営業部。そもそもそんな部署があるなんて思ってもいなかったので、まったく予想外の部署でした。
入社前の自分のイメージとは仕事内容がまったく違う部署だったので、とにかく営業という仕事をいかに楽しむかを考えながら、仕事をしていた記憶があります。

営業という仕事が楽しいと思えるようになってきたタイミングはいつですか?

東京支社に異動したときですね。簡単にいえば、営業職でも番組作りができる、クリエイティブな仕事ができると知ってから、仕事がぐっと楽しくなりました。
入社から4年ほど経過して、僕は東京支社勤務になり、扱うクライアントが大きく変化しました。隣県の地方局が数県でスクラムを組んで合同番組を作ることがあるのですが、そういった際の営業担当は、番組の総合プロデューサーのような位置づけになり、番組の内容やキャスティングなどに大きく関与できるんです。

すべての根底にある「もっと仕事を楽しく」。社名に込めた「もっと遊ぼう」

独立を考えるようになったのはいつごろからですか?

2020年ころですかね。東京でさまざまな人に出会い、もっと違うスキルも身につけたいなと思い、まずは転職をしました。

どういった会社に転職したのですか?

新潟にあるIT系の企業です。僕が東京にいた当時から、テレビとデジタルの融合や、広告効果の見える化への興味・関心が世間的に高まってきていて、僕自信も興味を持ち始めたのが、この会社への大きな転職理由でした。テレビとは異なるスタイルでの広告の提案やその手法など、それまで僕が知らなかった多くのノウハウを勉強させてもらいました。その後、21年に個人事業主として独立。23年6月に法人化しました。

社名の由来を教えてください。

「もっと仕事を楽しく、もっと遊ぼう」にMore(もっと)をかけた完全なる造語で「モアソビ」。どんな仕事も楽しまないともったいない、という意味も込めて名付けました。

培った武器・人とのつながりを生かした新しい仕事術。営業、部長など幅広いニーズに対応

御社の事業内容を教えてください。

名刺には、ビジネスマッチング事業、広告プランニング事業、町づくり事業、イベント企画・運営事業と書いているのですが、一言でいえば、広告代理店業務ですね。テレビやラジオ、インターネットとさまざまな媒体が対象です。また、広告代理業に限らず、いろいろな会社さまから業務委託という形で仕事を引き受けている形です。

どのような会社と業務提携しているのですか?

多様です。イメージしにくいかもしれませんが、サラリーマンとして6社同時に所属し、それぞれの会社で対応可能な範疇(はんちゅう)でお仕事をさせていただいているような形になります。営業職、メディア部の部長職、支店長などさまざまです。

そのような業務提携の話はどのような経緯で依頼が来るのですか?

テレビ局の営業として培った10年間のつながりが大きいですね。「これ、ちょっと手伝ってよ」「こんなことできない?」と今までの知り合いの方から声をかけていただくケースが非常に多いです。現在ももちろんそうですが、テレビ局勤めのときも業種の垣根を越えて、さまざまな方々と遊び、お付き合いをして、人とのつながりを作ってきました。そのときにできた大きな財産があるから、今のような働き方ができているのだと思います。

あの賑わいを再び!つぶやき一つで動き出した一大プロジェクトとは?

地下商業施設「西堀ローサ」の新しい活用法「古町夜市」について教えてください。

僕が中学・高校と多感な時期に友人とこぞって遊びに来ていた新潟市古町地区の「西堀ローサ」という地下商業施設は、今や風前の灯。全長330メートルのテナントスペースに入るお店はほとんどなく、シャッターは閉まったままです。23年11月には運営する新潟市の第三セクター「新潟地下開発」が、25年10月までに会社を解散することが決まった場所です。かつて若者に人気だった愛着あるこの場所に再び活気を取り戻せるようなイベントをしたい、とX(旧Twitter)でつぶやいたところに、高校の同級生が「面白いね、やろう」と反応してくれ、そこから10カ月かけてイベントが実現するにいたったんです。

当日は最強寒波到来?かけられた言葉、見据える賑わいの形

22年12月に開催された、1回目の古町夜市はいかがでしたか?

当日は、最強寒波の到来予報が発令され、不要不急の外出はしないように呼びかけるような天候でした。そんなイレギュラーな中でも460人ほどの方にご来場いただきました。「楽しかったよ」「いいイベントだね」と声をかけてもらうことも多く、手応えを感じたので、今度はもっときちんとした形でという気持ちが強くなり、23年10月に2回目を実施することに決めました。
2日間にわたり開催した2回目には両日合わせて、5000人を超える方々が来場。DJの音楽が作り出す大人な雰囲気の中で、年代問わず、多くの方がお酒や食べ物を楽しんでいる姿を目の前で見て「やってよかった。これからも続けよう」と思いましたね。

24年7月からは年一のイベントとは別に常設の古町夜市が始まると聞きました。

はい。毎週土曜日、常設で飲食ができる大人の社交場としての古町夜市を始めることにしました。というのも、3回、イベントをしてみて、西堀ローサに賑わいを戻すには、常に人がいる状態がベストだと強く思いました。そしていずれは「古町夜市」が古町の日常になればいいなと考えています。

「新潟をより楽しく、元気にするお手伝いをしたい」。リスクを恐れず楽しめる人とともに

御社の展望について教えてください。

現在の業務以外に、県内の観光を盛り上げるような仕事もしていきたいと思っています。新潟をより楽しく、元気にするお手伝いをしたい。国内外問わず、多くの方が新潟に来県するきっかけ作りとなる仕事をしたいと、今はそんなふうに考えています。

今後どのようなクリエイターと一緒に仕事をしてみたいですか?

リスクを恐れず、同じ熱量で楽しんで仕事ができる人。このような思考がある方とは、得意なジャンルや職種、生まれた場所も関係なく、ご一緒してみたいですね。

取材日:2024年6月3日 ライター:コジマタケヒロ

株式会社モアソビ 代表取締役

  • 代表者名:永井 大地
  • 設立年月:2023年6月
  • 資本金:10万円
  • 事業内容:ビジネスマッチング事業、広告プランニング事業、町づくり事業、イベント企画・運営事業
  • 所在地:〒951-8067 新潟県新潟市中央区本町通7番町1098-1 WorkWith本町2F
  • URL:https://furumachiyoichi.com/
  • お問い合わせ先:

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