WEB・モバイル2024.07.24

ECコンサルとデザインで「ここまでやるの?」。通販大手から独立し、目指す「地方を元気に」

広島
エンパタウン株式会社 代表取締役社長/デザイン事業部部長
Takafumi Hiromoto/Yuima Nakamura
平本 賢文 /中村 維真
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「ECの力で地方を元気に。」をミッションに掲げ、広島を拠点にECコンサルティングを行うエンパタウン株式会社。EC事業に精通し、商品開発や撮影、デザイン、プロモーションまで一気通貫して請け負っています。「クライアントよりクライアントになれ。」を社内ミッションに掲げ、全力で事業をサポートする同社代表の平本 賢文(ひらもと たかふみ)さんと、デザイン部長の中村 維真(なかむら ゆいま)さんに、創業の経緯や展望などを聞きました。

アルバイト先でITの可能性に惹かれ、EC業界へ。学生ながらに「約50人の営業マンを統率」

2020年に創業されていますが、平本さんのそれまでのキャリアについて教えてください。

平本さん:前職は大手通販サイトでECコンサルタントをしていました。主に中四国、一部九州エリアを担当しており、在籍していた6年間で1000店舗を超えるネット通販の運営サポートをしていました。

学生時代からEC事業に興味をもたれていたのですか?

平本さん: ECというよりIT系に憧れていました。当時、大学の近くに日本最大級の口コミ・ランキングなどを紹介するサイトを運営する会社があったんです。当時はまだ創業したばかりの時期で。「営業をやらせてほしい」と直談判して採用してもらい、卒業するころには学生アルバイトの身分で約50人の営業マンを統率していました。
この会社が掲げていた「ITの力で、地方の集客をサポートする」という考えがとても好きで、実際に集客したお客さんが喜ばれている姿をみて、ITの可能性を感じたんです。ITの力で地方に貢献できることがあるんじゃないかと考えるようになりました。

クライアントの成長をともに喜ぶ、ECコンサルは夢のある仕事

そのままその企業に就職しなかったんですね。

平本さん:それも考えましたが、より地方に貢献できることはと考えて、ECコンサルタントの道を選びました。コンサルタントとして企業に関わり、儲かる企業がどんどん増えたら地方が盛りあがるんじゃないかと思ったんです。
この仕事に就くまで、ここまでネット通販にどっぷりはまるとは思ってもみませんでした。挫折しそうになったこともありましたが、ECコンサルタントを極めたいと全力で駆け抜けた6年を過ごしました。だからこそクライアントの売上があがって事業が大きくなっていく過程を一緒に作って一緒に喜べる、この仕事の醍醐味を知れたと思います。

故郷である広島に「貢献したい」一心で、ECコンサルタントとして独立

御社のコピーにも「地方を元気に」という言葉がありますが、地方にこだわるのはどうしてですか?

平本さん:私はもともと広島の呉市の出身なんです。進学で離れた時期もありますが、ずっと広島に貢献する仕事に就きたいと考えていました。前職でも私が強く希望して、広島への配属となりましたが、実績を残すようになってからは東京への配属を打診されるようになり、2019年の年末に思い切って退職しました。
ありがたいことに多くの企業さまがすぐにコンサル契約を結んでくださり、2020年1月からECコンサルの個人事業主として働き始め、5月には法人化しました。

コンサル業を柱にデザイン業とシステム開発の3事業を展開。2人の関係について

現在の事業内容を教えてください。

平本さん:現在はコンサル・デザイン・システムの三つの事業を行っています。ネット通販のコンサルティングが柱で、市場調査やブランディング、商品開発、パッケージ、Webデザイン、販促など一気通貫で企業を支援しています。社内に専用の撮影スタジオを作り、Webデザインなどで使う素材撮影も自分たちで行っています。
デザインに関しては、デザイン事業部に専属のデザイナーが所属しており、デザインのみの仕事もしています。市場を見極める目をもつ当社のデザインは、訴求力の高い“売るためのデザイン”として好評をいただいています。
最近ではシステムの販売も行っています。もともとはコンサル業のサポート用にECサイトの作業を軽減するシステムを自社のために開発していたんです。このシステムが欲しいとおっしゃる企業も多くて、販売を始めました。今後は自社の業務負担軽減のためにもシステム開発に力を入れ、システムエンジニアも増やしていく予定です。

デザイナーの中村さんが入社したのはいつですか。

中村さん:正式に入社したのは23年です。私は広島の広告制作会社にデザイナーとして10年ほど働いた後独立し、前職にいるころから知り合いだった平本とは、一緒に仕事をしていました。私もこれまでに中小企業のブランディングに関わり、多くのデザインを手掛けてきましたが、平本と働くようになってからは“マーケットを理解し、オンラインで売れる”という視点がデザインに加わりました。当社が “売るためのデザイン”として評価いただくようになった一因だと思っています。

「クライアントよりクライアントになれ」。少数精鋭で顧客を手厚くサポート

ほかにはどのようなメンバーがいますか。

平本さん:当社の社員は6人で、少数精鋭の選び抜かれた人材が集まるチームです。私ともう1人、前職が同じだったメンバーがコンサルとして活動しています。デザインは中村のほかに、女性のデザイナーが2人。うち1人は今年の新卒採用者です。あとはシステムエンジニアが1人。頭のいいめんどくさがり屋なので、なんでも賢く効率化をしようとシステム開発を行ってくれます。
在宅でもできる仕事ではありますが、当社は全員が出社して働いています。お互い顔を合わせながらタイムリーに意見交換できる環境にしておくことで、仕事もスピーディーに進み、よりよいアイデアも出てくるからです。

ECコンサルタントとしての強みは何ですか。

平本さん:ECコンサルとしての経験値の高さでしょうか。たくさんの事例に関わり、そこで培ったノウハウを蓄えていると自負しています。前職で多くのクライアントと接してきただけでなく、私が個人的に開催していたネット通販の勉強会も効果があったと感じています。約3年開催していたのですが、同じアドバイスでも効果を発揮する業種業態や企業に違いがあることを学びました。
ほかには、サポートスタイルですね。多くの企業がこれまでコンサルタントと契約した経験をお持ちです。それでも皆さんが「ここまでやるの?」と驚くほど、多岐にわたって手厚いサポートを提供しています。前職ではありがたいことに、多くの企業さまを担当させていただいたのですが、どうしてもリソースの限界を感じる部分もありました。今は真逆です。まるで“クライアント先のWeb責任者か”といわれるぐらいに企業に入り込み細やかなサポートをしています。
「クライアントよりクライアントになれ」これは当社の理念の一つで、私たちの取り組み姿勢の基本でもあります。クライアントを誰よりも愛し、理解し、クライアントのために行動する。自分たちが企業を引っ張っていくんだ、そのぐらいの意気込みがないと誰もついてこないし、革新的なことは起こせません。

社名に込めた“街をエンパワメント”を目指して。クリエイターに伝えたい「諦めず続けること」の大切さ

今後のビジョンを教えてください。

平本さん:私たちの事業が大きくなるということは、関わる企業も成長し街も元気になっていくということなので、それは大切にしたいと考えています。だからといって事業を拡大することだけに囚われてはいません。事業が拡大すると質が落ちることはよくある話です。そこは絶対に避けたいので、ただ大きくすることよりも丁寧によいサービスを提供し続けたいと考えています。
これは対クライアントも同じで、“コンサルを通じて売上があがればいい”という風には考えていません。大切なのはクライアントがよい商品を作り、その商品を買ってくださったお客さまの“喜び”が循環することで、クライアントが成長し、街も元気になることです。 そういう本質的なことを見失わず追求していきたいと思います。
社名の「エンパタウン」は、エンパワメントとタウンをかけ合わせた造語です。エンパワメントには「元気にする」という意味があり、それにタウンを合わせて「街を元気にする」という思いを込めました。企業や街が元気になるサポートをして、その成長をともに喜べるのは素敵なことだと思っています。

一緒に働くなら、どのような人がいいですか。

平本さん:私たちの理念に共感できることでしょうか。当社には五つの理念があります。一つは「地方をエンパワメント。自らもエンパワメント」で、地域を元気にすることで自らも笑顔になる。当社の「心」でもあります。二つ目は「プロフェッショナルの徹底」。ビジネスパーソンとして常に最新を知り、地方を先導する存在であること。三つ目は「妥協の先へ、それが仕事」。すべて出し切る、ここまでは作業です。本当の仕事はその先の一工夫にあると考えるのが私たちの「仕事」への姿勢です。四つ目は「確信をもたらし、嫌われるのを恐れるな」で、改革には必ず壁が立ちはだかるものなので、恐れず楽しみながら乗り越えるという思い。最後は先ほどお話しした「クライアントよりクライアントになれ」。この五つが当社の理念で、全社員が共有する思いです。

最後に読者であるクリエイターにメッセージをお願いします。

中村さん:同じクリエイターである私からお伝えしますね。これは私の実体験からの思いなのですが、「諦めず続けること」です。いろいろなことがあり挫折したり悩んだりするとは思いますが、そこで妥協したり止まったりしないことです。続けることがすごい力になる時がくるんです。これを大切にしてほしいと思います。

取材日:2024年6月5日 ライター:山名 恭代

エンパタウン株式会社

  • 代表者名:平本 賢文
  • 設立年月:2020年5月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:ネット通販企業のコンサルティング業および関連デザイン、システムの開発・販売
  • 所在地:〒733-0011 広島県広島市西区横川町3-12-18横川駅前ビル5F
  • URL:https://empowerment-town.com/
  • お問い合わせ先:https://empowerment-town.com/contact/

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