強みは「ソーシャルフレンドリー」という名の「お節介」?常識をくつがえした“あるMV”が原点

東京
株式会社真面目 代表取締役CEO
Azusa Hirakawa
平川 アズサ

映像コンテンツを基軸として社会課題を解決する東京の株式会社真面目。クライアントに寄り添いながら、常にロジカルシンキングで創意工夫を積み重ねて映像コンテンツを作り上げています。「この一本で誰かの人生を変えていく」という思いで日々映像づくりを行なっているという代表取締役CEOの平川アズサさんに、映像への思いの原点にまで掘り下げてお話を伺いました。

見た人の「人生がより良い方向に向かってほしい」。努力が報われたある一言

映像を基軸としたイベントの企画演出・プロデュースまでを行なっているということですが、具体的な事例を踏まえて事業内容を教えてください。

12年前に立ち上げた時は映像制作会社という事業体で起業し、当時はおもにミュージックビデオやテレビのCMを手掛けていました。Jリーグのサッカーチームの選手紹介やオープニング映像なども制作していました。
12期目になり、映像制作会社という枠組みから映像を軸にした映像事業とクリエイティブエージェンシー事業に領域を広げ、映像に紐づいたイベントのプロデュースを行なっています。

御社の映像コンテンツのコンセプトは「ひとりひとりの夢を作る、応援コンテンツ」と伺っておりますが、実際に誰かの夢に寄り添えたという実感や、そういった経験はございますか?

そうですね。コンテンツを作っていく中で、瞬間的に人の人生を変えるのはむずかしいですが、それが心の片隅に残り、ふとした拍子に人生を後押ししてくれる場合があると思っています。常日頃、私たちが間接的に介在することで、「人生がより良い方向に向かってほしい」と願っています。
某クライアントのインナーイベントを私たちが行なった際に、アワードで表彰された社員の方と退職後にお会いする機会がありました。その時「あの表彰されたイベントのお陰で今の事業をがんばれている」と聞き、やり続けてよかったと実感しました。

強みは人に寄り添う「ソーシャルフレンドリー」?心掛けるのは「お節介」

御社の強みを教えてください。

よく聞かれることですが、「競合他社にも負けないサービスがある」「世界的にも高い品質のクオリティが出せる」などわかりやすい強みよりも「圧倒的に早く返事をする」「スケジュール通りに出す」「初稿で1案出すところを2案出す」など基本的なことは徹底しています。
クリエイターやディレクター、編集者がどのような思いで制作したのかも同時に伝えています。それに対してクライアントからは、もともとAという発注をしているけれど、Bの方もいいねと、選んでいただけることもあります。
お節介と思われるほどクライアントに圧倒的に寄り添う点が評価されているのではないかと思っています。この圧倒的に寄り添うことを「ソーシャルフレンドリー」という言葉で言語化もしています。

「ソーシャルフレンドリー」は創業当初から考えられていたことなのでしょうか?

もともと潜在的にはそのような思いで仕事をしていましたが、言語化できたのは10期目過ぎたぐらいです。新規事業提案の時に「真面目さんでなくてはできない強みを言語化してください」と言われ、改めて棚卸しをしました。社内で何度も会議を重ね、ふと「お節介と思われても社会と友達でい続けていたいんだよね!」と言葉にした時に腑に落ちて、「ソーシャルフレンドリー」としました。

原点は1本のMVとの出会い!社名「真面目」は代表の形容

【この一本で誰かの人生を変えていく。】を会社のミッションとしていますが、この考えにいたった経緯を教えていただけますか?

映像事業を生業にしていこうと本腰を入れ始めた20代後半の時、1本のミュージックビデオに出会いました。出ているアーティストも知らないし、Webカメラで遠隔撮影しているだけで、見るからにお金がかかっていない作品なのですが、企画アイデアだけで何百万回再生されていて、海外の広告賞も受賞していました。とても多くの人に影響を与えたと思います。この作品を見るまでは「いいキャスティングをしなければいいコンテンツは作れない」「お金をかけなければいいものを作れない」「アーティストが有名でなくてはいいミュージックビデオが作れない」と思っていたのですが、その作品を見て、今までの固定概念をすべてくつがえされました。
感動のあまり、その映像を手掛けたニューヨーク在住のクリエイティブディレクターに「私も映像をやっていてクリエイターの端くれなのですが、この素晴らしい作品に勇気をもらいました。私も映像クリエイターとして頑張っていきたい」という旨のメールを送ったほどです。この作品に出会わなければ、この会社もないと思います。そういう意味では私の人生も変えてもらったと思いますし、「この一本で誰かの人生を変えていく。」の原点でもあります。

社名はどのように発想したのですか?

会社を立ち上げた当時は、クリエイティブの会社名に日本語の名前をつけるのがかっこいいなぁと思っていたので、自分を表現する形容詞「真面目」を社名にしました。正々堂々としていて、仕事しているというイメージもありました。

“ロジックで物事を考えて、創意工夫をする”。真面目が求めるクリエイター像

一緒に働くクリエイターに対して、どのようなことを求めますか?

真面目はアートを作る人を求めていないんです。デザインやコンテンツはロジカルシンキングで、ロジックが成り立つアートだと思っているので、ロジックでデザインを積み上げられる人がいいですね。また、弊社はそもそもアート作品を生み続けるのではなく、社会課題を解決するためのソリューションをクリエイティブとして提供しています。そのため、創意工夫できるクリエイターが望ましいです。
さらに、チームで協力しながらデザインしたり、クオリティを出したりしていくことを大事にしているので、弱みがあってもチームでコンテンツを作りたいという人を積極的に採用したいと思います。チームだとお互いに弱みを補いながら作り上げられるので、昭和みたいですけど「社員はみんな家族」だと思っています。

ビジョンはどのように考えていらっしゃいますか?

不確実性の高い時代に、パラダイムシフトが起こせるのは若い人と経験の浅い人しかいないと思っているので、経験の浅い若いメンバーには、世の中の普通を大きく崩していってもらいたいです。もちろん、クライアントの要望には正確に応えていかなければいけないので、「正しく作って正しくずらす」クリエイターになってもらいたいです。正しく作るには、正しいインプットが必要なので、若いクリエイターが経験を積んでいけるようにサポートできる会社になりたいです。

取材日:2024年6月5日 ライター:半田 一成

株式会社真面目

  • 代表者名:平川 アズサ
  • 設立年月:2013年2月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:企画・コンセプト立案・制作プロデュース・演出・デザイン
  • 所在地:〒150-0041 東京都渋谷区神南1丁目14-7 ワイズ神南ビル2階
  • URL:http://majime.jp
  • お問い合わせ先:

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