名古屋をDX化支援、思いがけず独立に踏み切った理由。こだわる“アナログなデジタル商売”

名古屋
株式会社 PieceInnovation 代表取締役
Yuto Omichi
大道 勇人

生まれ育った愛知県岡崎市で多彩な企業のデジタル化支援を行う株式会社PieceInnovation(以下、ピース・イノベーション)。「DX時代を生き抜く、すべての企業にITを。」をミッションに「ITを導入したいが何をしたらいいか分からない」という企業を手助けし、業務に集中できる環境を整えています。前職の「仕事が好きだった」と話す代表の大道 勇人(おおみち ゆうと)さんは、なぜ独立に踏み切ったのか。会社の強み、ビジョンなどを伺いました。

地元・岡崎をDX化で「元気にしたい」と起業。コロナ禍で企業が苦しむ姿を見て

大道さんが独立されるまでのキャリアを教えてください

大学で建築設計を学び、建設会社に就職して4年ほど営業の仕事をしました。その一方で、学生時代から若者を集めたボランティア活動を積極的に行い、地元を元気にする交流会などのイベントも企画していました。
交流会イベントを通じて地元・岡崎の飲食店オーナーさまとのつきあいが生まれたのですが、彼らの多くがビジネスのDX(デジタルトランスフォーメーション)化やデジタル集客に苦戦している様子を見て、できる範囲でサポートするようになりました。そのあとのコロナ禍で地元の企業が苦しむ様子を目の当たりにして「地域を元気にしたい!」という思いがさらに強くなりました。

ピース・イノベーションを立ち上げたきっかけは?

はじめはボランティア感覚で集客の手伝いをしたり、SNS運用をはじめとするデジタル施策の方法を調べたりしていたのですが、相談される量がどんどん増えていったので交流イベントで知り合ったプログラマーやアニメーション制作者と一緒にピース・イノベーションを立ち上げ、事業化することにしたんです。

「社長になりたい!」という思いは以前からあったのでしょうか?

全然ありませんでした。建設会社で担当していた営業の仕事が好きだったので、今後も建設業や不動産業界で営業の仕事を続けるものだと感じていました。

その一方で、ボランティア活動を行ったり、イベントを企画したりと人を巻き込むのが得意だったのですね。

そうですね。ボランティア団体も学生を中心に30人ほどのメンバーがいたほか、DJやダンサーもいて、それぞれが長所を生かして活動していました。思いや目的が合致した仲間と何かに向かって進んでいくのは好きでしたね。

それぞれがピースとなり一つの絵を完成させる。トータルなデジタル支援を展開

ピース・イノベーションの社名の由来を教えてください。

ピース・イノベーションの「ピース」は、平和(Peace)ではなくパズルのピース(Piece)。私たちとお客さま、そして取引先(協力会社)がパズルのピースとなり力を合わせることで、一つの絵を完成させて、新しい時代を切り開く(イノベーション・innovation)という思いを込めています。

現在はどのようなビジネスを手がけておられますか?

「お客さまのビジネスのDX化」をキーワードとして、デジタル施策のあらゆるサポートを手がけています。
たとえばカフェをオープンする際には、Googleマップの設定をはじめInstagramの開設やWebサイトの作成、場合によってはECサイトの作成なども必要になります。お客さまがビジネスをスタートし、継続するために必要なデジタル支援をトータルでお任せいただけます。

評判がクチコミで広がり、自然と仕事が舞い込むように。こだわる顧客と「直接対峙」

事業を進めていくうえで大道さんが心がけていることを教えてください。

地元に密着してビジネスを行っているので、できるかぎりお客さまに金銭的な負担がかからないよう心がけています。SNSに関しても初期設定までは行いますが運用代行などはできるだけ行わず、お客さまが余計なお金をかけずに集客できるようアドバイスしています。まずはご自身でやってみて、お金をかけた広告施策が本当に必要になった時に広告会社をご紹介しています。
都会と違って評判がすぐに広がるので、お客さまと誠実に向き合ってきた結果として、営業活動をそれほど積極的に行わなくても紹介で新たな仕事が続々と入って来ている状況です。

実際の業務で心がけていることも教えていただけますか?

私たちはDX化などのデジタルを売りにしているのですが、地域密着のビジネスを重視しているため「デジタル商売をアナログで売っていく」というスタンスをとっています。どういうことかというと、デジタル施策のお手伝いをするにあたって、お客さまとの面談や打ち合わせはできるだけオンラインツールを使わず、対面で行っています。会って直接対峙することで、お客さまのニーズや思いを汲み取ることを心がけています。会ってみないと分からないことって、実は多いと思うんです。

ビジネスを安定させるための取り組みを教えてください。

地元に密着したビジネスを展開する一方で、名古屋や東京など都市部の代理店からの依頼も受けています。システムに強く、細部にまでこだわる会社は業界内にも少ないようで、こちらも評判がクチコミで広がって多くの引き合いをいただいている状況です。

常に求められている以上のモノを提供。苦慮する顧客に“助け舟”、その結果…

お客さまに対しては、どのようなことを日々考えておられるでしょうか?

お客さまの信頼を勝ち取ることを何よりも大事にしています。そのために、しっかりとした成果物を納期を守って出すことを徹底してきました。案件の大小で対応を変えず、求められている以上のモノを提供することを常に心がけています。また、お客さまに嘘をついたり裏切ることは絶対にしないようスタッフにも日々伝えています。

これまでの実績のなかで印象深いものを教えてください。

地元の企業さまの基幹システム一式を担当したプロジェクトがあったのですが、その企業さまが複数社から見積もりをとったところ1000〜1500万円という相場感でした。想定した予算とはまったく折り合わず困っておられたので、私たちはリスクを負って200万円で受注することを決めました。自社にプログラマーがいるというメリットを生かしてプロジェクトをやり切り、すごく喜んでいただけたと同時に、そのあとに発生した案件はすべて当社で任せてもらえるようになりました。

岡崎で得たノウハウを郡上の街にも。社員の独立を積極的に支援

ビジョンを教えてください。

現在は15人ほどの社員と10人ほどの外部スタッフでビジネスを行っています。地元の岡崎を元気にしたいという思いでスタートした会社なので、会社をどんどん大きくしていく予定はありませんが、ここ最近になってつながりができた岐阜県の郡上エリアで支社を立ち上げる予定です。岡崎の街を元気にするためにやってきたことを、郡上の街でもまたイチからやっていきたいです。
あと、私たちは“従業員の幸せ”を特に重視しています。より働きやすい環境をどんどん整え、しっかりと成果を出した従業員には給与という形できちんと還元したいと考えています。
ピース・イノベーションでは独立も支援・推奨しています。ここでの経験をもとに独立を果たし、独立後も協力会社としていい関係を築いていきたいという思いをもっています。別の仕事をしているIT業界未経験の方が定時後に当社に来て、仕事を通じてITスキルの獲得を図っているという事例もあります。

クリエイターは「日本を支えていく存在」。休息を大切に

最後に、世の中のクリエイターにメッセージをお願いします。

クリエイターは、手に職がある人たちです。その手で今後の日本を支えていく存在でもあり、リスペクトしています。そんな大事な人材が、トラブルやストレスで潰れてしまうのは悲しいことなので無理なく働き続けられる環境で仕事を続けてほしいと思っています。
クリエイターの方たちを見ていると、目の前の仕事に没頭しすぎるあまり自分のキャパを越えてしまう方もいるようです。しっかり息抜きしながら成果をあげていってくださいね。

※掲載の社名、商品名、サービス名ほか各種名称は、各社の商標または登録商標です。

取材日:2024年6月5日

株式会社 PieceInnovation(ピース・イノベーション)

  • 代表者名:大道 勇人
  • 設立年月:2023年12月
  • 資本金:2,000万円
  • 事業内容:HP制作/システム開発事業/アプリ開発事業/ECサイト開発事業/業務改善パッケージ販売事業/SNSマーケティング事業/動画制作事業/エンジニア育成事業/ITコンサルタント事業
  • 所在地:〒444-0025 愛知県岡崎市曙町2丁目3番地 三城ビルディング3F B
  • URL:https://www.pieceinnovation.jp
  • お問い合わせ先:https://www.pieceinnovation.jp/contact

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