WEB・モバイル2024.08.14

3700社中トップ5に輝いたWeb制作会社。全国のクリエイターとも築く強固な顧客との関係

京都
株式会社ATデザイン 代表取締役
Tomoya Hisada
久田 朋哉

オープンソースCMS「WordPress(ワードプレス)」を使った容易に更新できるWebサイト構築を中心に、マーケティングやAI事業も展開する京都の株式会社ATデザイン。全国のクリエイターと協業しながら京都・東京の2拠点で活動し、国内最大級のWeb制作相談サイトでもトップクラスの評価を得ています。代表の久田 朋哉(ひさだ ともや)さんに、独立のきっかけや会社の強み、クリエイターへのアドバイスなどをお聞きしました。

15社以上を渡り歩き、ついに独立。自分に合ったワークスタイルを求めて

久田さんが独立されるまでのキャリアを教えてください。

立命館大学の文学部を卒業し、新卒で東京にある印刷会社に就職しました。その会社で3年ほど営業職をしながらDTP(デスクトップパブリッシング)の学校にも通ってデザインの基礎を学びました。私としては営業よりも制作畑のほうが向いていると感じていたのですが、結局異動が叶わなかったので退職して京都に戻りました。
そのあとは、京都のデザイン会社やWeb会社を15社くらい渡り歩き、40歳で独立。個人事業主としてATデザインを立ち上げました。

独立されるきっかけは何だったのでしょうか?

最後に働いていたWeb制作会社が負債を抱え、スタッフへの給料遅延が発生していました。これが直接のきっかけではありましたが、組織の一員として働く息苦しさをずっと抱えていたのでいい機会だと思ったのが本音のところですね(笑)。

CMSで多くのサイトを構築。数あるCMSでWordPressを選んだワケ

独立されていかがでしたか?

私にとってはフリーランスのワークスタイルがとても合っていました。ATデザインを立ち上げた頃はCMS(コンテンツマネジメントシステム)が注目を集め出したタイミングで、WordPressを扱える会社がほとんどなかったので大小さまざまな引き合いがありました。

久田さんがWordPressに着目された理由も教えていただけますか?

当時CMSパッケージで大きなシェアを持っていたMovable Type(ムーバブル・タイプ)は、ライセンスにお金がかかったのに対し、オープンソースのWordPressは無料で実装できる点に興味を持ちました。オリジナルテーマが反映できるデザイン面の柔軟性やさまざまな機能を追加するプラグインの拡張性が高かったことも魅力でした。

WordPressは顧客にとってもメリットが大きいのですか?

お客さま自身で更新が行えるので、更新のたびに料金が発生しないのが一番のメリットだと思います。また、ブログ形式でどんどん記事を増やせるので検索エンジンとの相性が非常にいいのもメリットですね。

法人化することで横のつながりも広がる

そのあと、法人化されたいきさつも教えてください。

個人事業主として11年ほどATデザインを続けてきたのですが、WordPressを扱える事業者が増えるにつれて受注率が徐々に落ちてきました。「このままではいけない」とマーケティングやAIの領域にチャレンジするとともに、社会的な信用を得るために2024年に法人化に舵を切りました。法人化したことでBtoBの引き合いが増え、経営者の横のつながりも増えました。法人化してみて、フリーランスとの信用の違いを実感しましたね。

マーケティング&AIの新領域にチャレンジ。Webサイトが評価され、都内トップ5に

ATデザインが手がけている現在の事業を教えていただけますか?

WordPressを使ったWebサイトの構築を中心に、SEOやマーケティング、AIの事業にも取り組んでいます。
SEOやマーケティングは、アクセス解析ツールの情報を基に検索エンジンへの最適化や注目されるページのさらなる充実を試み、お客さまの要望に応じて広告出稿のアドバイスも行っています。AI事業では、AIを活用したWordPress専用のプラグインを開発する予定で動いています。
また、東京に新たな営業拠点を設けました。毎月、初旬の1週間ほどを東京で過ごし、新規営業やWebサイト構築の相談・打ち合わせなどを行っています。

御社の強みはどんなところにありますか?

WordPressに特化している点はもちろん強みですし、Webサイトを作って終わりではなく運用のサポートまでを行う“伴走型”のスタイルでお客さまの支援をしていることも強みだと思っています。お客さまとの関係性が深く、ほかのお客さまを紹介していただけることも非常に多いです。
Web制作の相談窓口となるポータルサイト「優良Web」にも登録しているのですが、東京都にあるおよそ3700サイト中トップ5に輝きました。

これまでの実績で、特に印象深いプロジェクトは?

ATデザインでは、WordPressを軸に大企業や大学などの大規模サイトを構築する一方で小規模の案件も数多く手がけています。そのなかで、ある音楽家の方のお手伝いをしたことがありました。
既存のデザインは気に入っているということだったので内部に実装しているWordPressのバージョンアップを行い、使いやすくカスタマイズも行いました。カスタマイズすることで使い勝手が良くなり、「サイト全体のアクセス数も伸びた」ととても喜んでいただけました。そのあとも動画アップロードのためのカスタマイズを依頼されるなど、関係が続いています。

クライアントのイメージを形にする重要性。スムーズな事業運営に大切な「報・連・相」

Webサイトを制作するうえで、どのようなことを心がけておられますか?

「クライアントのイメージを形にする」という部分に特にこだわっています。クライアントの想いを何よりも大事にし、デザインを考えます。細かなデザイン修正依頼も面倒がらず、より良くなるようとことん向き合うようにしています。

ATデザインは何人ほどの組織なのでしょうか?

会社としては私だけになるのですが、協業するフリーランスのクリエイターが全国にいます。私がプロデューサーやディレクターの立場で受注した案件を動かし、プロジェクトごとに最適なチーム編成を行います。
フリーランスの仲間は東京をはじめ埼玉や熊本などさまざま。自宅で子育てをしながらバリバリ働くクリエイターさんもいます。

一緒に働くクリエイターに求めることはありますか?

もちろん、必要なスキルがあることが前提なのですが、それ以上に重要なのが「報・連・相(報告・連絡・相談)」をしっかり行うことでしょうか。
フリーランスで働くクリエイターの方は個性的な方も多く、相談もないまま勝手に作業を進め、ページの追加まで行ってしまう方もいました。そういったトラブルが起きないよう、現在はしっかりと「報・連・相」を行いながら円滑なコミュニケーションがとれる方だけと協業しています。

活躍を続けるために、戦略を考える。「70歳くらいまでは第一線でバリバリやりたい」

ビジョンを教えてください。

個々のプロジェクトごとに最適なフリーランスのクリエイターさんと組む現在のスタイルがとても気に入ってはいるのですが、今後さらに案件が増えていくようであれば私の右腕となってくれるような人材を迎え入れるかもしれません。
事業としては新たにチャレンジしているマーケティングとAIの領域をどんどん伸ばしていき、Webサイトの作成は東京拠点の有効活用で首都圏のお客さまを増やしていく予定です。
あとは、できるだけ長く活躍し続けたいという気持ちも強いです。70歳くらいまでは第一線でバリバリやりたいですね。

自分に合ったワークスタイルが活躍の鍵に。失敗したら「素直に謝る」

最後に、世の中のクリエイターにメッセージをお願いします。

会社員のまま活躍するか、それともフリーランスになるかは、好きなワークスタイルを加味して考えるのがいいと思います。私の場合、組織の一員として働くより1人で働くスタイルのほうが合っていました。ストレスなく働けるというのは大事です。
また、Webサイトはデザインも大切ですが、「綺麗なデザイン」が必ず正解というわけではありません。お客さまが求める成果につながるような動線設計などもすごく重要です。自分だけがいいと思うような独りよがりのデザインにしないことを心がけてください。
あとは、仕事を続けていると失敗するシーンが必ず出てきます。そんな時は言い訳せず、素直に謝ることが大切です。素直に謝って、失敗を繰り返さないよう振り返りを行うことが、自身の成長や将来の成功につながると思います!WebをはじめとするIT業界は流行り廃りも早いため、常に最新の情報をキャッチすることも心がけてくださいね。

取材日:2024年7月5日

株式会社ATデザイン

  • 代表者名:久田 朋哉
  • 設立年月:2024年5月
  • 資本金:50万円
  • 事業内容:Webサイト制作/WordPressサイト構築/マーケティング/SEO/生成AI事業
  • 所在地:〒611-0031 京都府宇治市広野町尖山2-184
  • 電話番号:090-9871-6911
  • URL:https://at-design2.com
  • お問い合わせ先:https://at-design2.com/contact/

※掲載の社名、商品名、サービス名ほか各種名称は、各社の商標または登録商標です。

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