趣味が高じて突き詰めた映像制作が事業に。「素直な声を得られる」映像の世界に魅了された

岡山
株式会社ニューステラ 代表取締役
Shotaro Inoue
井上 翔太郎

岡山県倉敷市にある映像制作会社・株式会社ニューステラ。代表・井上 翔太郎(いのうえ しょうたろう)さんは、興味を持つととことん突き詰めるタイプで、趣味ではじめた動画が、今ではメインの事業になっています。どのようなきっかけで映像制作の世界へ飛び込んだのか、また一緒に働くクリエイターとの出会いや、展望などを伺いました。

若さとやる気で勝ち取った就職。Web制作の仕事で独立するまでの道のり

代表を務める井上さん

異例の経歴で、Web制作の仕事に就かれたそうですね。

高校には進学せずすぐに働き始め、現在とはまったく関係のない造船業や解体業などの現場仕事を5~6年経験しました。
そのうち、漠然と「スーツを着る仕事をしてみたい」という気持ちが芽生えてきました。求人を探し始めたのですが、「高卒以上」「大卒以上」などの条件があるものばかりで……。あたって砕けろの気持ちで、「中卒だけどいいですか」と一度電話をかけてみたんです。丁寧な字で履歴書を書いて、面接でも若さとやる気をアピールし、20歳の時にパソコン関連の会社に就職が決まりました。

就職してから、株式会社ニューステラ立ち上げまでのキャリアをお聞かせください。

就職した会社は、パソコンスクールが主な事業でしたが、ほかにもいくつかの事業部がありました。その中に、役員が立ち上げたOA機器のレンタル事業部があったのですが、その後継者候補としての採用でした。PCのレンタルが主力商品で、お客さまから使い方のご質問が届いたり、トラブル対応などにあたることで、PCに関する基本的な知識が身につきました。また全国に発送対応していたことから、Webサイトからの集客施策を通して、インターネットの基本となる部分を経験させてもらいました。仕事をしながらも、もっと知りたい、もっと詳しくなりたいという思いから、学びを深めていきました。そして、空いた時間に副業でクラウドソーシングを通じて、Webサイトの制作をするようになっていきました。少しずつ仕事を積み重ねるうちに、順調に収益があがるようになって、独立を決意しました。

メインは映像関連事業。「映像だけ」ではない、Webサイト制作の経験を生かした支援も

現在の事業内容を教えてください。

メインは映像関連事業ですが、Webサイト制作や運営の支援も行っています。得意分野は実写を伴う映像制作で、空撮や水中撮影など色んな環境で撮影可能なところが強みです。企業のプロモーションビデオ、採用動画、観光PR、商品/サービス紹介動画、CM/Web広告、イベント動画など、実写・モーショングラフィックス・CGなどを交えてお客さまのご要望に沿った映像を制作しています。

得意分野である映像関連事業以外にWebサイト運営の支援をしているのはどうしてですか?

もともと独立した時には主に、Webサイトの制作や運営をメインに行っていました。これまでにさまざまなジャンル・規模・形態のWebサイトを手がけてきました。その経験を生かして、「映像だけ」をしている制作会社にはできない視点からのご支援ができます。Webサイトを作った後のサービス、例えばSEO対策やMEO対策関連においても、経験を基に対応させていただいています。映像、Web、写真や名刺といった、企業活動において必要となるあらゆるクリエイティブ制作をワンストップで提供したい思いから、映像以外も承っています。

趣味が高じて仕事になる。独学で夢中になって学びを進めた映像の世界

なるほど。では、Webサイトの制作から動画関連事業にシフトされるきっかけとなったことを教えてください。

Webサイトを作るうえで、写真が必要になります。画像素材サイトから使っていたのですが、段々と「もっとイメージに合う写真を使いたい」と思うようになり、写真を撮り始めました。趣味レベルで始めたつもりが、独学で技術を身につけていくうちに仕事になっていきました。

最初は写真だったのですね。それから動画にはどのようにつながっていくのでしょうか?

これも趣味が高じて仕事になりました。きっかけはダイビングです。GoProを買って、海中の動画を撮ってみたら思いのほか、上手に撮れていたんです。それがうれしくて、またしても夢中になって学びを進めるうちに仕事になりました。

すべて独学ですすめられたのですか?

はい。書籍やYouTubeなどで知識をつけて、実践することを繰り返して技術を習得しています。好きになったことにはのめり込んでしまうタイプなので。自分の知りたいことを自分のペースや方法で突き進めるのが向いているんだと思います。

素直な感想を得られる映像。「すごい」「きれい」の言葉で事業化を決意

Web制作と両立することもできたと思いますが、映像制作をメインで考えられたのはどうしてでしょうか。

人に映像を見てもらった時の素直な感想を得られることがとてもうれしかったんです。「すごいね」「きれい」といったような言葉を聞いた時に、表現したかったことが届いているんだなと感じました。
Webサイト制作よりも映像制作にやりがいを感じることが増え、本気で映像の分野を事業化しようと決意しました。

これまでの事例を具体的に教えてください。

電動キックスクーターのプロモーションムービー制作(SMZ株式会社さま:岡山本社)や、高知よさこい祭りのドキュメンタリー・本番演舞の撮影・動画作成、自治体の観光PR動画制作など多岐にわたります。
高知よさこい祭りのドキュメンタリーを制作したのは、印象深い事例の一つです。2023年8月9日~12日にかけて高知市内で開催された第70回よさこい祭りにて、各演舞場に帯同し撮影を実施したほか、6月頃から密着しながらお祭り当日までの練習風景の撮影や、関係者様へのインタビュー撮影を行いました。よさこい祭りの本祭には約160チームが参加し、密着をしていたチームTACYON(タキオン)さまは銀賞を受賞されました。チーム史上最高の賞を受賞だったとのことで、ドキュメンタリー映像を編集するうえでも最高のエンディングとなりました。

進化を続ける映像業界ですが、今後、どのような会社にしたいとお考えですか?

どんどん、新しいことを取り入れて、古臭くなりたくないと思っています。自分が興味を持ったことは突き詰めていく性分なので、この業界に合っているんだと思います。新しく出た技術はすぐに試して、挑戦の姿勢で進んでいこうと思います。

自分がこれだと思える作品を。どれくらいの熱量で取り組んだかはすぐに分かる

御社には何人勤めていらっしゃるのですか?皆さんの共通点を教えてください。

フルタイムのスタッフでいえば、代表の私以外に2人いるのですが、3人とも好きなことをとことん突き詰めるタイプです。みんな映像制作が好き、仕事が好きなことが共通点です。

お2人との出会いをお聞かせいただけますか?

最初にジョインしたのは竹山です。「フリーランスで、映像をやっているんですけど、 お話ししませんか」と会社に電話をもらって話したのがきっかけです。今は現場を任せていて、ディレクターや撮影、編集の仕事を主にしてもらっています。
もう1人は池島です。彼も問い合わせフォームからメッセージをくれて、タイミングも良かったので仕事をお願いすることになりました。

フェローズクリエイティブコンテスト WebCM部門 でグランプリ作品を受賞した竹山さん(左)と池島さん(右)

電話や問い合わせフォームでの求人の問い合わせは多いですか?

割とあります。でもほとんどの人は実績がありません。実績がないのは仕方がないことですが、せめて自主制作作品でも良いので、見せてほしい。それがないとその人の雰囲気や制作への熱量が分からず、何も始まらないんです。クオリティが高くなくても、どれくらいの熱量で取り組んだのかは、すぐに分かります。

映像業界のクリエイターを目指す方にひと言お願いします。

自分が「これだ」と思える作品を作って、企業にアタックしていってほしいです。そして、どんどん世の中に発信していってください。

取材日:2024年7月2日 ライター:田口 有香

株式会社ニューステラ

  • 代表者名:井上 翔太郎
  • 設立年月:2016年12月7日
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:
    ● 映像の企画・制作
    ● Webサイトの企画・制作
    ● ドローン空撮
    ● 写真撮影
    ● 水中撮影
    ● 自社メディアの企画・制作・運営
    ● グラフィックデザイン
    ● 写真や動画の素材 撮影販売
  • 所在地:〒710-0065 岡山県倉敷市宮前287-75
  • URL:https://newstella.co.jp
  • お問い合わせ先:

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