WEB・モバイル2024.09.11

ローカルビジネスのWebマーケで顧客と一緒に飛躍。元トップセールスになって気付いた自分の道

名古屋
株式会社マーケティング・エッセンシャルズ 代表取締役
Tsuneyoshi Tochimoto
栃本 常善

ローカルビジネスのWebマーケティング支援を主軸に、顧客が望むゴールに向けたあらゆる施策のアドバイスやサポートを行う株式会社マーケティング・エッセンシャルズ。代表の栃本 常善(とちもと つねよし)さんは、書籍「ローカルビジネスのためのWebマーケティングが基礎から学べる本」も執筆しています。栃本さんに独立のきっかけや、Webマーケティング人材の育成コミュニティーについて、クリエイターへのアドバイスなどをお聞きしました。

ベンチャー企業で全国トップセールスに

栃本さんが独立されるまでのキャリアを教えてください。

大学時代はバイトに明け暮れ、新卒で入社した人材派遣会社で愛知県の豊川市に配属されました。そこで営業から人材コーディネートまでの一連の業務を経験したのですが、リーマンショックの影響で会社全体の業績が落ち込み、ベンチャー気質だった社風が保守的になってしまったことをきっかけに、退職をしてキャリアチェンジすることを決意しました。
その後、Web制作のベンチャー企業でWebコンサルティング営業として働き、名古屋オフィスで4年ほど過ごし、その後独立しました。その会社では3年目にして全国トップの売り上げを達成することができました。

起業家になりたいという夢は以前からあったのでしょうか?

「起業したい!経営者になりたい!」とは思っていませんでしたが、エリート街道を駆け上がっていく兄に対して、「兄を超えたい」という気持ちは常に抱いていましたね。

自分の道を進むために独立の道を選択。自身の価値観と向き合い、マーケティングを独学

全国トップの成績を上げながらも独立に至ったいきさつを教えてください。

ベンチャー企業でトップセールスを達成して感じたのが、“自分のために頑張り、目標を達成するのではなく、顧客に貢献できることに喜びを感じるんだな”ということでした。自身のノルマを達成することは一時的なことですし、その数字だけを追い求めることが自身のやりがいにつながらなかったんです。
顧客の成果を上げるためにマーケティングの勉強を独学で始め、自らの力で起業することを選びました。

実際に独立してみていかがでしたか?

2015年にフリーランスになって、2年後の2017年に法人化しました。フリーランスになったのは28歳。ちょうどそのタイミングで結婚して第一子も生まれたので、はじめの頃は本当に必死でした。

フリーランスで感じた壁が法人化のきっかけに。ローカルに特化したマーケ本を刊行

フリーランスから法人化にいたった経緯も教えてください。

10社ほどのWebのコンサルティングをして、Web制作やセミナーの主催も手がけていたため、独立2年目には年商が2000万円ほどになりました。しかし、ふと感じたのが「自分の仕事は、たった10社ほどにしか影響を与えられないんだ…」という無力感だったんです。
「自分は何のために起業したのか?」と自問自答している頃に前職の同僚である伊藤大輝と再会し、その再会がきっかけとなって会社を一緒に作っていくことに決めました。

マーケティング・エッセンシャルズ立ち上げからの道のりはいかがですか?

創業当初はセミナーや個人向けのマーケティングスクールの事業が成長しました。ちょうどその頃に本の執筆のための企画が進んでいたのですが、このままマーケティングスクールを続けていくことに疑問を感じ、たどり着いたのがローカルビジネスに特化したWebマーケティングのコンサルティングだったんです。
「ローカルビジネスのためのWebマーケティングが基礎から学べる本」を上梓して認知を広げ、Webサイトを制作するだけでなく、運用も重視しました。そのようにして、目の前のお客さまに貢献することで、私たちの事業も安定していきました。

「マーケティング・エッセンシャルズ」。社名に込めた思いとは?

社名の由来や込められている思いを教えてください。

「本質」という言葉がすごく好きなので、英語で「本質的な・不可欠な」を意味する「エッセンシャル」を社名に入れたいと思っていました。そんなときに、偶然にもマーケティングという概念を生み出したフィリップ・コトラーが「マーケティング・エッセンシャルズ」という本を書いていたのでこの社名に決めました。

Webマーケ人材を育成するために。“中小企業1社につき、1人のWebマーケターが顧問で担当することを当たり前に”

現在はどのような事業を展開されていますか?

地域に密着した事業をされている方に向けたWebマーケティング支援を行っています。
ローカルビジネスのWebマーケティング支援を行っているのは、現状はWeb制作会社か広告代理店になるかと思うのですが、実をいうとローカルビジネスは、一つの方法で集客するのがとても難しいんです。さまざまな方法を組み合わせる必要があるのに、制作会社や広告代理店はそれぞれの得意な領域だけをサポートします。
多角的な視点で見られるWebマーケティングの専門家が本来は必要なのですが、地方にはその業務を遂行できる人材がほとんどいません。いたとしても、小規模ではなく規模の大きな会社の支援をしたがる傾向があります。私たちはローカルビジネス支援のリーディングカンパニーを目指すことに加え、Webマーケティング人材のコミュニティーを創ることも計画しています。

Webマーケティング人材のコミュニティーについて詳しく教えてください。

「LoMaJin(ローマジン)」というコミュニティーを立ち上げました。そこでローカルマーケティングに関するさまざまな情報を発信したり、メンバーが交流できるサロンを作ったりするほか、セミナーやイベントを開催する予定です。「ローマジン」を通じて、ローカルビジネスのWebマーケティング人材を全国に広げていきたいですね。顧問税理士のように、「中小企業1社につき、1人のWebマーケターが顧問で担当することを当たり前にする」のが目標です。

Webマーケ支援で顧客の成長を後押しする。ゴールを明確にする必要性

これまでの実績で、何か印象的な事例はありますか?

名古屋の社労士事務所さまが「月に8000ほどのアクセスがあって月に数件問い合わせがあっても、1件も顧問契約につながらない」という相談がありました。
アクセスの内訳を詳しく解析すると、見込み客にならない県外からのアクセスがほとんどだったことが判明。見込み客になりうるキーワードを強化したページをいくつも追加することで、半年ほどで月平均5件ほどの問い合わせが来るようになり、そのうち50%が顧問契約につながるという成果につながりました。私たちがサポートを始めてから2年で顧問契約数が倍以上に伸び、事務所のスタッフも増員されています。

Webマーケティングの支援を行ううえで大切にしていることを教えてください。

“お客さまのゴールがどこにあるか”を明確にすることです。月に100件の問い合わせがほしい場合と5件でいい場合には、当然とるべき戦略や施策が変わります。ゴールを曖昧(あいまい)にせず、しっかり定めてから道筋を考えるようにしています。

最初に名前をイメージしてもらえるような存在に

ビジョンはいかがですか?

「社員を何人にしたい!」というような目標は掲げておらず、私たちの理念やビジョンに共感してくれる仲間を増やしたいという思いが強いです。一方、「ローマジン」は5年で1000人のコミュニティーにするべく動いていきます。
お客さまと一緒に成長し、「ローカルビジネスのWebマーケティングと言えばマーケティング・エッセンシャルズだよね」と1番に考えてもらえるポジションになるのが目標です。

AIにはできない、より人間らしい本質的なコミュニケーションを

一緒に働くクリエイターに栃本さんが求めることは?

当社には社内にクリエイターがいますし、社外にも協力してくれるクリエイターがたくさんいます。クリエイターなので制作物のクオリティーはもちろん求めますが、それ以上にコミュニケーション能力を大事にしています。 デザイナーであってもデザインの領域を飛び越えて考えたり動いたりすることで、お客さまから信頼されると思います。価値を提供してお金をいただくという、当たり前のことなんですけどね。

最後に、世の中のクリエイターにメッセージをお願いします。

僕はやはりマーケティングが大好きですし、どんな人にも必要だと考えています。クリエイターの方たちもマーケティング思考とかマーケティングの考え方が染みつくと、 お客さまから重宝される人材になれると思います。
クリエイターは、お客さまに寄り添って経営のサポートができるようになることが重要です。今後はAIなどが進歩するからこそ、より人間らしい本質的なコミュニケーションがますます必要な時代になると思います。

取材日:2024年7月11日

株式会社マーケティング・エッセンシャルズ

  • 代表者名:栃本 常善
  • 設立年月:2017年8月
  • 資本金:10万円
  • 事業内容:広告・販促物などの各種マーケティングツール制作事業/Webサイト・ランディングページ制作事業/セールスプロモーション支援事業/Webコンサルティング事業/マーケティングコンサルティング事業/セミナー・研修事業/SEOコンサルティング
  • 所在地:〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦3丁目4-12 SUZU1 O2(スズワンオーツー)ビル4F
  • 電話番号:050-3561-8679
  • URL:https://www.marketing-essentials.jp
  • お問い合わせ先:https://www.marketing-essentials.jp/contact

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