“明日の広島がもっと楽しくなる”Webメディアを運営。発信はSNSよりWeb、狙いは?
「明日の広島が、今日よりもっと面白く。」をコンセプトにWebメディア「ペコマガ」を運営する株式会社フムフム。広島県の「美味しい」や「可愛い」を発信する記事へのこだわりは取材者が「必ず顔を出す」こと。Web制作では小規模事業者をサポートも行うフムフムの代表取締役である、あがの ともさんにWeb制作にこだわる理由や、情報発信時のこだわり、今後の展望を伺いました。
デザインやWebマガジンに特化しようとフムフムを設立。定額のWeb制作サービスとは?
株式会社フムフムを立ち上げるまでのキャリアを教えてください。
もともと物作りやデザイン、写真を撮ることが好きだったので、2012年に「ペコデザイン」という会社を立ち上げたことが始まりです。ペコデザインでは「明日の広島を、今日よりもっと面白く。」をコンセプトに「ペコマガ」というWebマガジンを作りました。
「ペコマガを運営するペコデザイン」のままで良かったのですが、当時はWeb制作のほかに販促イベントで携帯電話を売る受託請負事業をしていました。それぞれが会社を起こすことになり、それで一旦ペコデザインとしては解散しようという話になりました。
その後、デザイン事業を極めるため、21年にフムフムを新しく立ち上げました。社名は、クライアントの悩みや相談を「フムフム」と聞き、「フムフム」と思っていただける提案をしたいという思いから名付けました。
事業内容について教えてください。
現在取り組んでいる事業はWebマガジン「ペコマガ」制作やWeb制作のほか、年に1回だけ商業施設でカレーフェスティバルやクラフトビールを楽しむイベント運営をしています。
最近はWebに重きをおきたいと考え、定額制でWeb制作サービスを始めました。
具体的にはどんなサービスですか?
僕たちが相談を受ける制作は、リニューアルが結構多いんです。なので、すでに事業を展開している中小企業や個人事業主の方が月1万円で、手軽にWebサイトを修正できるようなサービスを提供したいと思っています。「応援したい」という意味合いだけでなく、サブスクにすることでこちらの定期収入にもつながるのでwin-winな関係になれると思っています。
今の時代Webより、Instagramをした方がいいって思われることもあると思うんですが、意外にもGoogleで検索している人が増え続けているんですよ。おそらく簡易的な一次情報をInstagramで探した後、Googleで検索している人が多いと思っています。
なぜSNSではなく、Webにこだわるんですか?
今の時代SNSで、こと足りることもあるかもしれないけど、やっぱりWebサイトはあった方が良い。というのも今は、AIがかなり発達しているじゃないですか。未来のデジタル社会では欠かせない存在になるであろうAIの情報源はインターネットです。だからインターネット上に正しい自社情報を持っておかないとAIに反応してもらえないんです。
さらにいうと唯一資産になるものがWebサイトです。SNSも昔はストックコンテンツといわれていたけど、今はストックコンテンツじゃなくなってきている。常に情報発信、毎日投稿する必要がある。そういった意味でも、揺るぎない価値を大きな柱として立てられるWebに重きを置きたいと思っています。
顔を出して情報発信することが大きなポイント
Webマガジン「ペコマガ」について教えてください。
僕たちがもともとWebメディアを始めたきっかけは「制作スタッフが顔を出したら、その人の顔が売れるから良いんじゃないか」と思ったからです。そして作り続けていく中で「必ず顔を出す」ことが僕らの特色になったんです。
今広島では他社のWebメディアがたくさんあって、結構なレッドオーシャン状態です。 Web上に多数ある情報の中から僕たちは「どこの誰が書いたかわからない記事ではなく、ちゃんと顔を出して責任持って情報発信したい」と思っています。そこに他社とペコマガの違いが大きく出ているだろうと感じています。
あがのさんがお仕事されていて、楽しかった事業はありますか?
「これは僕らだからできる」と感じる仕事がありました。23年末にスキーやスノボなどの冬のアウトドアが楽しめる施設を運営する自治体から「集客をしたい」と相談を受けました。僕たちが企画や制作で自治体を後押しすることもできましたが、せっかくの機会だと思い、過去にペコマガで取材に行った広島のアウトドアショップをおつなぎしました。すると、両者の課題感が一緒であることが判明したのです。それから意気投合し、お互いが一緒に盛り上げて解決していく形となり、僕たちはその企画から、情報サイトなどを制作しました。なんだかすごく面白かったですね。
コラボの実現は、この10年間ずっとやってきた経験とつながり、責任を持って情報発信していることの結果だと思います。人やクライアント同志をつなげたことで、社員からも「楽しい」という声が上がり、みんながwin-winになるので、いずれはこのマッチングサービスもメインの事業の一つにしたいですね。
コミュニティーの場を作ることで新たなスタートに立てる。サウナもある事務所を構想中
これからどんなことをしたいと思っていますか?
事務所を新しくしたいと思っています。倉庫をDIYでリノベーションして、自分たちの事務所のほかに、コワーキングスペースや飲食、サウナを楽しめるコミュニティーの場を想像しています。
広島市には路面電車が走っているので、その周辺部分に人の営みがぎゅっと凝縮されています。でもサウナをやるならば街中ではなく、森の中でやりたい。だから場所は決まっていないです。目標としては2024年中に物件を見つけて、改修を始めて、次の夏が来るまでにはどうにかしたいなと思っています。
そういう人が集まれる事務所を作ることで、僕たちは新たなスタート位置に立てると思っています。
あがのさんが理想とするコミュニティーとはなんですか?
具体的に考えたことはないですが、20代、30代の若い子たちで、なおかつ何かに挑戦しようと思っている人たちが集まるようなコミュニティーが僕は面白いかなと思います。 その子たちに仕事を振ることができると良いですよね。
僕は他人のコミュニティーに入るのがあまり得意ではないので「自分のコミュニティーを作りたい」と常々思っています。コミュニティーの箱を作ったら、今までの事業を全部生かしていけると思っています。今までの経験とこれからの場が上手くつながって、広島の新しいランドマークになれたら良いなと思います。
取材日:2024年7月31日 ライター:藤木 彩乃
株式会社フムフム
- 代表者名:あがの とも
- 設立年月:2021年4月
- 資本金:2,000,000円
- 事業内容: Web制作、SEO、Instagram運用、デザイン、イベント企画、自社メディア
- 所在地:〒733-0002 広島県広島市西区楠木町1-10-24 第二奥田ビル1階
- URL:https://humhum.co.jp/
- お問い合わせ先:070-9000-7474