WEB・モバイル2024.11.06

導入企業2千超のデジタルキャンペーンシステムを開発。次なる仕掛け「デジタルマップ」とは?

岡山
株式会社 World Wide System 代表取締役
Yoshio Fujii
藤井 祥生

WebやSNSによってデジタルキャンペーンシステムを提供する「SmartPRシリーズ」を生み出した岡山の株式会社World Wide System(ワールドワイドシステム)。ノウハウのない状態からWebシステム業界に飛び込んだ、代表取締役の藤井 祥生(ふじい よしお)さんは、一早く市場に参入することでデジタルキャンペーンシステムをヒットさせ、その導入企業数は2千件以上に上ります。現在も、新しい市場を求めて楽しく働いている藤井さんに、会社が軌道に乗ったきっかけや次なる仕掛けである「デジタルマップ」について伺いました。

「今ならいける!」「これだ!」の直観を信じて、キャリアとは関係のないWebシステム業界で起業

立ち上げまでのキャリアを教えてください。

実家が石材店を営んでおり、大学を卒業後、最大手の石材会社での営業からキャリアをスタートさせました。その後は実家の石材店を継ぐか、迷ったこともありましたが、思い切って異業種に飛び込むことを決意し、広告代理店や印刷関係の会社を経験しました。 そして「今ならいける!」と、24歳で独立しました。

一見、キャリアとは関係のないWebシステム業界で起業された理由はなんですか?

理由は二つあります。一つは起業する際に、仕入れがいらないこと。当時お金がなかったので、これは絶対条件でした。
もう一つは、当時の岡山でWebシステムの開発ができる会社がほとんどなかったことです。競争率の低さから「これだ!」と思い、Webシステム業界で起業しました。

大学院生だった弟の助けで、会社が軌道に。ホテル業界向けの予約システムとアンケートシステムを開発

ノウハウも知識もなかったところから、助けになった存在を教えてください。

まず弟の存在が大きかったですね。当時大学院生でプログラミングも学んでいた弟に「今から起業するぞ!」と声をかけ、半ば強制的に手伝ってもらいました。

どのようにして会社を軌道に乗せたのでしょうか?

起業して1年ほど経ってもなかなか、軸になるものがなかったのですが、2002年にホテルの予約システムを作ったことで徐々に仕事が舞い込むようになりました。また、同時期に開発したアンケートの収集分析システムも売り上げに貢献してくれました。
導入したホテルが売上を伸ばしており口コミで広がったこともあって、会社を軌道に乗せることができました。

デジタルキャンペーンシステムを開発。新しい仕掛けで、2千件以上の導入のヒット商品を生み出す

現在の事業内容について教えてください。

現在、売り上げの核となっているのは「SmartPRシリーズ」。WebやSNSを使ったデジタルキャンペーンシステムです。キャンペーンに参加した消費者はポイントやクーポンなどがもらえ、企業側はキャンペーンを通して、顧客の動向を把握し、認知の拡大やブランディング、あるいは来店や購入の促進といったメリットを得られるといったシステムです。

「SmartPRシリーズ」が2千件以上導入のヒットシステムになった要因をどのようにお考えでしょうか?

まず、市場参入が早かったことがよかったのではないでしょうか。当時まだこの分野は広く知られていませんでしたから。
現在は同様のサービスを提供する会社はありますが、弊社ではキャンペーンシステムの需要は時代とともに変わるということを念頭に置いて、他社が手がけていないサービスを生み出し続けています。「クライアントが永続的に利益の出る仕組みを提供する」という経営理念を掲げているように、出来上がったもので満足することなく、消費者の興味やこだわりの傾向と変化をキャッチするという努力を惜しみません。

次なる仕掛けは「デジタルマップ」。紙では表現できない地図をDX化し、個別の要望に答える

新たに開発されている分野のサービスがあるとお伺いしましたが、詳しくお聞かせいただけますか?

「デジタルマップ」のことですね。つまり、紙では表現できない地図をデジタル化したものです。
旅行で紙の観光マップをもらうことがよくあると思います。もともと土地勘がないところで地図をもらっても、正しく読み取るのが難しいという方が多いですよね。それをデジタル化し、スマホなどで確認できるようにすると、ユーザー自身の位置情報や方角などがわかる機能によって、目的地まで簡単に行くことができます。目的別のグーグルマップのようなイメージです。

なるほど。では、観光マップ以外にはどのようなマップを想定し、開発されているのでしょうか?

例えば、大きな宿泊施設でもデジタルマップがあると便利だと思います。フロントで、お風呂、朝食会場、バーなどいろいろな場所を一気に説明されるケースがありますが、デジタルマップに落とし込めば、説明もいらないし、お客さまにもわかりやすい。合わせて朝食の時間やバーのメニュー表なども追加で表示できると更にわかりやすいですよね。
その他、大型の展示会場、工場、テーマパーク、美術館、商業施設などさまざまな施設での利用が考えられます。また社内のマーケティング活動に使う企業も増えてくると思います。

ずばり、デジタルマップはこれからの稼ぎ頭になると?

かなり多くの問い合わせをいただいています(笑)。スマートシティ化するにあたって、必要になるサービスだと考えています。自治体向けデジタルマップサービスも展開を目指しています。

【デジタルマップ作成システム「スマートマッププロ」】
利用用途に合わせてデジタルマップのスポットやマップレイヤーを管理画面から更新できるプラットフォームです。11か国の多言語対応、モデルコース、経路検索、スポット検索、ルート検索、言語案内、混雑情報などデジタルマップに必要な機能を網羅しておりユーザーに便利で直感的な体験を提供します。

社員が「楽しく働く」ために、ルールなし。やらされてする仕事は楽しくない

「楽しく働く」を信念に持っていらっしゃると伺いましたが、ずばり「楽しく働く」とはどういうことでしょうか?

基本的にやらされて仕事をしているというのは楽しくないと思っています。社員が目標に向かって取り組めるような環境を作ってあげることが社長としての役目だと思っています。

では、「楽しく働く」ためにどのような環境づくりをされていますか?

ルールが他社に比べると、少し緩いのかもしれません。有給がとりやすいとか、お子さんがいる方は勤務時間を変更できるなど、働く人に合わせて柔軟に対応しています。
経営理念の一つに「会社と家族とバランスの取れた生活を継続的に送れるようサポートする。」とありますが、社員が仕事とプライベートの時間をコントロールできるようにすることで、ストレスなく心地よく働ける環境を作りたいと思っています。

なるほど。そんなに働きやすい環境だったらずっと働きたいと思う人が多そうですね。

いえいえ、そんなことはありませんよ。働き方が多様化し、かつてのような永年勤続という考えはありません。1〜3年くらいで辞める人もいますが構いません。次のステップに向けて踏み出していくということですから応援したいと思っています。辞めたとしても人としては繋がっていますので、転職先と新しい取引が始まるなんてこともあります。また、戻ってくる人も大いに歓迎です。

AIとの共存と現場の声。相対する能力を身に着けたるクリエイター求む

御社では、AIをどのように活用されていますか?

すでにデザイン、プログラミング、プレゼン資料の作成など、ほとんどの場面においてAIを通すというフローを設けています。クリエイターはAIを活用しながら、いかに自らの表現をするかということが必要だと思います。

AIとの共存ですね。それ以外にクリエイターに求めることはありますか?

お客さまの生の声を聞けること。もちろん営業担当が間に入って、お客さまのご要望を伝えますが、それだけでは足りない。現場に入って一緒に話を聞いたり、雰囲気を感じたりすることで、本当にお客さまが求めていることを理解できると思っています。

新しい市場を探すことが好き。社長も「楽しく働きたい」

最後に、今後ご自身が「楽しく働く」ために、していきたいことをお聞かせください。

基本的には、新しい市場を探していくことが好きなので、そこを追求していきたいです。「新しい仕掛けで、新しい市場を創る。」これが、弊社のビジョンですから。
一方で、楽しく働くためには経営を安定させることが必須です。毎月、きちんと固定でお金が入ってくるようなサービスを生み出したいと思っています。「SmartPRシリーズ」は弊社の柱でもあるのですが、キャンペーンは3カ月くらいで終わっちゃうんですよ。もちろん、リピートしていただける場合も多くありますが。そういった意味でも、デジタルマップサービスの方にも力を入れていきたいですね。

取材日:2024年8月28日 ライター:田口 有香

株式会社World Wide System

  • 代表者名:藤井 祥生
  • 設立年月:2000年7月19日
  • 資本金:1,000万円
  • 事業内容:デジタルマーケティング事業、クリエイティブ事業ほか
  • 所在地:〒701-0165 岡山県岡山市北区大内田675 TELEPORT岡山 4階
  • URL:https://ww-system.com/
  • お問い合わせ先:050-3196-4945

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