WEB・モバイル2024.10.16

企画・デザインで起業した代表の曲折した道のり。目指す「デザイナーの養成所」、その背景にある思い

福岡
リディアミックス株式会社 代表取締役
Tsuyoshi Matsushita
松下 剛

企業の「デザインアドバイスパートナー」として顧客と伴走しながら長く愛されるデザインを手掛けている福岡のリディアミックス株式会社。Webサイトやランディングページ、ロゴ、パッケージなどの企画・制作事業を展開する同社の代表・松下 剛(まつした つよし)さんは、営業畑の出身ながら広告デザインの制作会社を21年営んでいます。なぜ松下さんはデザインを選んだのか。また「デザイナーの養成所になりたい」と話す松下さんの真意とは?ルーツや事業にかける思いを伺いました。

印刷会社の営業として14年、32歳で起業を決意するまでの紆余曲折とは?

リディアミックス株式会社設立の経緯を教えてください。

高校卒業後、進学はせずに印刷会社に就職しました。18歳から現場を経験したのち、営業として働き、14年間、新規訪問やクライアント回りなどを学びました。しかし、途中で経営者が変わり、会社の業績が悪くなったことで給料の未払いが発生するという事態に陥りました。
課長という役職がついていたのでほかの従業員とは違い、会社のため金策に奔走するなど、さまざまな方法で状況の回復に努めますが上手くはいかず、このまま状況は好転しそうにないと判断し、会社を退職した後、独立することを決めました。ヘッドハンティングによる転職も選択肢としてはありましたが、当時、印刷会社以外のキャリアを積んでいなかった私としては同業界での転職になると同時に、自分が抱えているクライアントを持ってくることを強要されるだろうなと感じたため、独立という選択肢を選びました。

独立するうえで不安や家族からの反対はありましたか?

家族からの不安や反対はありませんでした。金策を経験していたことから会社はなんとか経営出来るだろうという気持ちがありました。逆にこの経験は独立することに対して励みになったと思っています。
また、前職で給料未払いのトラブルがあったので家族からの反対はありませんでしたね。当時、子供がまだ小さかったこともあって、起業することで少しでも経済的に良くなるほうを選んでほしかったのだと思います。なので、独立を決意したときに奥さんと一緒にやろうと経理を任せて起業しました。

社名「リディアミックス」に込めた思い。企画会社から幅広く事業を展開

社名の「リディアミックス」にはどんな想いが込められていますか?

当時、「クロスメディア」というワードがなかった時代で「メディアミックス」というワードから派生して名付けました。“リディア”というのは「メディアをリードする」という意味を込めた私の造語です。
そもそもリディアミックスという会社は企画会社からスタートしていまして、現在はデザインの会社という風に認知していただいていると思うんですが、デザインは事業を展開していく過程で追加したといったほうが正しいです。最初は「名刺に似顔絵のイラストなどを入れてみませんか?」と提案して仕事を獲得するなど、小さな企画の提案から行っていました。

そういった企画スキルはいつ身に付けられましたか?

前職で営業をやりながら学びました。印刷の営業ってただ印刷するものを持ってくるだけじゃなくて、企画やデザインなどの理解もないとなかなか仕事は獲得出来ません。そういった経験から企画を提案出来るようになりました。

「個よりもチームが輝くほうが大事」だと考える理由。他社に引けをとらない強みとは?

リディアミックスで作るデザインはほかの会社と比べてどういった特徴がありますか?

通販会社さんのクライアントが多く、広告デザインに関しては10年続けているので実績が豊富にあることが一つの特徴です。数字的な部分ではありませんが、表現力が高いこともリディアミックスの強みだと思います。デザインでいかに商品やサービスの良さを伝えられるか。そういった部分を考えて制作することが出来ます。
また隣に弊社が持つフォトスタジオ「LEDIA PHOTO STUDIO(リディア フォト スタジオ)」があるんですが、そこで広告用の写真撮影などを行えることも大きいかもしれませんね。デザインをただ作るだけでなく、顧客の「デザインアドバイスパートナー」としてブランドの成長をお手伝いするために一気通貫したデザイン制作ができるようにしています。

Webサイトで“個よりもチームが輝くほうが大事”とうたわれていますが、そのように考えられるようになったきっかけはありますか?

やっぱり会社なので、個ではなく組織として輝かないと会社として成り立たないというのが一番ですね。だから、うちの会社はデザイナー指名が出来ないようになっているんです。デザイナー1人に仕事が集中してしまうと他のデザイナーの成長する機会が減ってしまう懸念があるほか、リディアミックスで受注する意味が無くなってしまいます。
それに仕事は1人じゃ出来ないんです。営業・ディレクター・ライター・デザイナー・コーダー・フォトグラファーなどさまざまな人が関わったうえで一つの仕事が完結します。どれだけ個の時代といわれていても、どんな仕事でも誰かと何かをすることは外せないと思うので、やはりチームで輝くことを大事にしたいと考えています。

目指す未来は「デザイナーの養成所になりたい」。ともに成長していける人を募集

リディアミックスをどのような会社にしたいと考えていますか?

「デザイナーの養成所になりたい」ですね。デザイナーを志しても挫折して辞めていく子たちをたくさん見るなかで、「壁を乗り越えていけるような手伝いがしたい」と思うようになりました。
社会に出たばかりの頃は楽しくないことばかりなんです。デザイン業一つをとってもいえることなんですけど、最初は先輩が作ったデザインの修正作業や細々としたデザイン制作などで、つまらなく感じることが多いんです。自分が作りたいようなものなんて全然作ることが出来ません。でも、それで辞めてしまうのはすごくもったいないことだと思うんです。その壁を越えたらたくさん面白い世界が広がっているし、今、大きな壁に見えているかもしれないけれど、数年経って振り返ってみると案外大したことなかったなと思えるんですよね。なので、駆け出しのデザイナーを後押し出来ると良いなと思いますね。

今後、リディアミックスで求める人材の特徴などはありますか?

素直な子や粘り強い子が入ってほしいなと思います。最初は出来ないことが当たり前なんで、言われたことを素直に受け入れて行動に移せる子や粘り強く努力出来る子は大事に育てていきたいと思っています。

一緒に働くクリエイターに対して、会社としてどのようなことを求めますか?

会社組織への愛を持ったうえで普段の仕事に取り組んでほしいなと考えています。長いスパンで一緒に頑張り、ともに成長することが出来ればうれしいですね。
また個人としては、クライアントや世の中の役に立つ仕事が出来るように成長してほしいなと思っています。デザイン会社のデザイナーはデザインが上手くて当たり前なんです。大事なのは人の気持ちを理解して、読み取って作品に反映し、表現すること。ただ技術があるだけで周りから愛されなくなったデザイナーは、必ずどこかで挫折します。そうならないためにも思いやりの心を持って社会の役に立つ仕事をしてほしいです。

取材日:2024年9月3日 ライター:神代 希海

リディアミックス株式会社

  • 代表者名:松下 剛
  • 設立年月:2003年9月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:WEBデザイン企画・制作/LP企画・制作/ロゴ企画・制作/パッケージ企画・制作
  • 所在地:〒810-0012 福岡県福岡市中央区白金2丁目11−9 CR福岡ビル8F
  • URL:https://lediamix.com
  • お問い合わせ先:092-523-1712

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