“働く”を楽しむ世界を!地方の魅力発掘で人材不足を解決する富山発・ブランディングカンパニー

富山
株式会社memi+ 代表取締役
Taiga Hasegawa
長谷川 泰我

都心部への一極集中で地方の人材不足が叫ばれる昨今。「(地方には)隠れているだけで魅力的な会社はたくさんある」と話す株式会社memi+(ミミタス)の長谷川 泰我(はせがわ たいが)さんは、ブランディング戦略とクリエイティブの力で地方企業の採用課題を解決しようと奮闘しています。大学進学と同時に上京し、映像制作やブランディングの経験を積んできた長谷川さん。「すべてのビジネスパーソンが自身の仕事に誇りをもって働ける世界を実現したい」と語る、その想いに迫りました。

地方の深刻な人材不足を解消するために立ち上がったmemi+

memi+さんの事業内容を教えてください。

memi+は、人材採用に特化し、ブランディング戦略策定からクリエイティブ制作まで一気通貫で伴走支援する会社です。ブランディングとクリエイティブで分化している場合が多く、広報戦略とクリエイティブ制作でねじれが起きやすいほか、実施コストが高いことがが課題でした。僕らは両軸を提供できるので、トータルコーディネートしながら予算も抑えることができます。特にクリエイティブは、ストーリーテリングを軸にした制作が得意なので、共感採用の強化を期待していただけると思います。

長谷川さんご自身の創業までのキャリアを教えてください。

僕は2社を経て、起業にいたっています。新卒で入社した会社はドキュメンタリーメインのブランディング企業で、映像ディレクターをしていました。ドキュメンタリーや対談番組を通じて、中小企業やベンチャー企業の社長、開業医の先生など、年間で100人以上の経営者に会ってきました。経営者と話す中で印象的だったのは、地方の経営者がみんな採用課題に悩んでいることでした。どんなに売上が立っていても人材が不足しているから事業拡大できないという声が多かったです。
またブランディングとはいえ、クライアントの抱える採用課題を解決するサービスではありませんでした。
そこで、次に採用ブランディングに強い企業に転職し、プロジェクトマネージャーとして、企業の理念策定やリブランディングをお手伝いしてきました。ただ、大手企業がメイン顧客のサービスだったため、費用感も高く、中小企業の採用課題の解決が難しい感覚がありました。特に地方の中小企業は、大手企業と同じように求人広告を出して、条件を提示しているだけだと、母集団形成は難しいですし、魅力的には映らないケースが多いです。負けてしまいます。採用ブランディングに関して、中小企業でも支払える料金体系で伴走できないかと思った時に、1社目の仕組化の考え方と、2社目の採用ブランド戦略の考え方を掛け合わせたサービスを、地方で展開しようと決めました。

「すべての人が仕事に誇りをもって働ける世界を実現する」。ブランディングに関心をもつまでの道のり

2社での経験と知見が合わさって、memi+が生まれたのですね。事業を通じて解消したい課題はありますか?

最終的な目標は、当社の企業パーパスである「すべてのビジネスパーソンが自身の仕事に誇りをもって働ける世界を実現する」ことです。地元富山に戻り同世代の人たちと会話していると、仕事の内容は好きだけど会社の雰囲気が嫌い、また社長が想像以上に利益主義で自分の価値観とまったく合わないなど、入社後に見えていなかった部分とのミスマッチが起こりがちだなと感じていました。そこで、企業の価値観や企業のカルチャーを知り、共感したうえで入社することが可能になれば、自分の仕事を誇れるようになります。早期離職が低減でき、仕事に対する意識も変わっていくと思うんですよね。
多分、僕自身の原体験が関係しているんだと思います。特に1社目時代の経営者インタビューが心に残っています。出来上がった映像をみて、「いろいろ聞いてもらううちに気づかなかったことにも気づけたよ!」と喜んでくれたことがうれしくて、仕事にやりがいを感じていました。仕事がおもしろいと感じた瞬間でしたね。そういう体験を同世代にも感じてほしいです。

素敵な体験をお持ちですね。そもそも長谷川さんは1社目でどうして映像の世界に進もうと思ったのですか?

最初に映像に触れたのは小学生のころだったと思います。親戚に自作パソコンをつくっている人がいるなどパソコンやインターネットが身近だったこともあり、僕もお年玉でパソコンを買ってニコニコ動画にプラモデルのコマ撮り動画を投稿したのがきっかけでした。中学校になると、実写動画をYouTubeにアップし遊んでいました。
大学生になって上京すると、なんとなく好きでやっていた映像制作が仕事にならないかなと思い立って、SNSで知り合った広告ディレクターに弟子入りし、アシスタントをしていましたね。ここで広告映像の世界を垣間見た経験が大きく、クリエイティブでいかにクライアントに貢献できるかということに関心を持ち始めました。自分が好きな映像を通して、多くの人に価値提供をしたいと感じ、映像で企業を後押しできる1社目を決めました。

魅力の掘り起こしで地元経済に貢献を

Uターンして起業されていますが、なぜ東京ではなく、地元・富山で起業されたのでしょうか?

もちろん自分が生まれ育った地元だからという理由はあります。それと同じくらい、富山だけでなく、地方は採用課題に悩む方々が多いと思ったからです。現在は東京一極集中時代。僕や創業メンバーみんなそうでしたが、進学と同時に富山県を出る若者が多いんです。そして、そのまま県外で就職してしまう。かくいう僕も、就職活動の時に富山で働くイメージがわかなかったです。しかし、もし富山県にもっと魅力的な会社があったらどうでしょう。東京に出なくても富山で働けるとなったら出る必要はなくなります。富山にも、隠れているだけで魅力的な会社はたくさんあるはずです。僕らはそういった会社の採用課題を解決することで、地元経済に貢献し、地域を盛り上げていきたいと思っています。

長谷川さんは3人で創業されていますよね。創業エピソードがあれば、教えてください。

高校のサッカー部で一緒だった同級生を誘って起業しました。吉岡には、19歳の時から会う度に「なんかやろうよ」とは伝えていましたね。23年12月に起業を決意したことを伝えてビジネスプランを見せたところ、24年3月に退職して仲間になってくれました。中林はもっとスピード感があって、誘った翌日にはもう会社を辞めていました(笑)。吉岡はデザインができますし、中林は子犬のようなまなざしが魅力的で愛される人柄なので、営業とクリエイティブを両立するうえで助かっています。

一緒に働くクリエイターに求めることはありますか?

クリエイティブをつくるのが目的になっている方がいるような気がします。僕はクリエイティブを通じて課題を解決することが大事だと考えているので、クリエイティブを手段と捉えることができる人は感覚が近いと感じます。クリエイティブの力で一緒に社会課題を解決していきましょう!

制作会社からの脱却。強みを生かして付加価値を“+(タス)”

社名の「memi+」とはどういう意味なのでしょう?社名に込めた想いを教えてください。

私とメモリー(memory)の頭文字を表す「me」と、マインド(mind)の頭文字の「mi」、それに共創による付加価値を表現する「+」で、「memi+」と名付けました。

今後、チャレンジしたいことを教えてください。

僕らはまだ設立して1年未満の若い会社です。まずは、地元富山に根付いた会社として活動の場を広げていきたいと思っています。当面は富山県の採用課題の解決に特化し、「富山で働く若者を増やす」ことを叶えていきたいと思っています。次のステップとして中期目標には「北陸三県に広げて、その土地にあった採用課題の解消」にチャレンジしていきたいですね。
クリエイティブだけのスポット依頼だとただの制作会社になってしまうので、企業ブランディング戦略もセットにすることで、各企業の人材課題に対して最適にアプローチし、価値を発揮していきたいです。着実に案件を増やしながら事業展開を目指していきます!

取材日:2024年9月6日 ライター:吉田 めぐみ

株式会社memi+

  • 代表者名:長谷川 泰我
  • 設立年月:2024年5月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:ブランディング企業/映像制作/ポスター制作/パンフレット制作/ブランド戦略策定
  • 所在地:〒939-8058 富山県富山市大泉130-6 アトリエハセガワ2F
  • URL:https://memi.co.jp/
  • お問い合わせ先:090-5173-4082

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