WEB・モバイル2024.11.27

「次世代のクラウド型電話AIといったら『ミライAI』!」。全国370万社導入への道

東京
株式会社ソフツー 代表取締役
Katsuo Sho
鍾 勝雄

「取次ぎ対応のたびに業務が中断してしまう」「営業電話が煩わしい」「電話対応にかける人手が足りない」。そんな悩みを感じたことはないでしょうか?仕事をするうえで必要不可欠な電話対応をAIに任せ、人は人にしかできない業務に集中できる環境を提供しようとする会社があります。今回は東京の株式会社ソフツーの鍾 勝雄(しょう かつお)さんに起業のきっかけや将来のビジョン、またエンジニアの可能性についてお伺いしました。

コロナ禍で生まれたAI電話自動対応サービスで、オフィスの人手不足を解消

ソフツーさんの事業内容を教えてください。

人と人をつなぐ音声コミュニケーション事業を大きく三つ展開しています。 ①クラウド型コールセンターシステム「BlueBean」の開発運営、②ホテル用電話機販売事業、そして今一番力を入れているのが、③AI電話自動対応サービス「ミライAI」の開発・販売です。
「ミライAI」は、電話応対を代行するクラウド型電話AIサービスです。独自のAI技術によりお客さまの声を認識して電話に自動で応答し、担当者への取次ぎまでをAIが一貫して行うことができます。現在、大企業からパーソナルトレーナーや行政書士のような個人事業主まで幅広い方に使っていただいています。
このサービスは、コロナをきっかけにローンチしました。テレワーク化によりオフィスに人がいなくなった結果、電話対応の課題が浮き彫りになりました。弊社がそうだったら、ほかの会社も同じ課題を持っているに違いないと思い、オフィスに特化した電話サービスに注力することにしました。

事業を通じてどんな課題を解消したいと考えていますか?

企業の中には、総務部の人が電話に出るためにわざわざ出社することもあると聞きます。でも、総務部の方にとって電話対応は本業ではないですよね。「ミライAI」を導入することで、人手不足の中でも本来の仕事に集中し、人が人にしかできない業務に取り組める環境づくりを提供できたらと思っています。
目指すのは、昭和時代の電話環境を一新し、令和にあった次世代の電話サービス。かつて電話の導入には工事が必要でした。しかし、ソフトウェアであればその必要はありません。「ミライAI」はスマホ一つで導入でき、月額1,000円からご利用いただけるプランがあります。低予算で導入できるところは僕らの強み。自社でも導入して1年半ほど経ちますが、ストレスなく、業務を効率化できています。どんどん精度が上がってきています。
まずは数を普及させていき、AI時代をアップデートしていきたい。そして、「ミライAI」を世の中の電話のスタンダードにしていきたいです!

中国での経験を元に日本で起業したシリアルアントレプレナー

鍾さんご自身の創業までのキャリアを教えてください。

僕は中国にある小さくて貧しい村で生まれ育ちました。大学にあがるまでパソコンを見たこともない田舎者でしたが、当時はインターネットバブルの時代。大学では建築を専攻したものの、プログラミングの面白さに魅了され、ITの世界にどっぷりハマりました。同級生と学生起業し、中国全土で使えるポータルサイトをつくりました。
しかし、融資を受けるなど順調に進んでいった矢先にバブルが崩壊します。その後、再チャレンジしてIP電話ベースのサービスをつくって起業するも、中国では競争が激しく、失敗に終わります。なので、僕はソフツー創業前に中国で2回起業していることになります。

連続起業家なんですね。そこからどうして日本に来ることになったのでしょうか?

日本のトレンディドラマにハマり、日本文化に興味を持ったからなんです。日本語もわかりませんでしたが、18年前(2006年)の当時は日本の方がITが進んでいたので、勉強のつもりで新しい世界に飛び込むことに決めました。
最初にIT企業で派遣をしていた時、日本と中国で女性の働き方に大きな違いがあることに気づきました。中国では生涯長く働くのに対して、日本はどんなに優秀であっても結婚や出産を機に仕事を辞めてしまう人が多い。過去2回の起業は不成功に終わりましたが、その経験を生かして、在宅でコールセンターの業務ができるクラウドシステムにビジネスチャンスを感じ、日本での起業にチャレンジすることに決めました。

2週間でサービスのβ版を制作。事業を後押ししたターニングポイントは?

08年7月に創業し、1カ月後の8月にはサービスをローンチしていますよね。このスピード感はどのように生まれたのでしょうか?

起業する数カ月前にアイデアを固めていました。しかし、資金も人脈もなく、言葉も通じない異国の地でどのように起業すべきかを考えた時、「僕が得意なのは開発。できるのはつくることだ」と思い、2週間でβ版をつくりました。プロダクトがあれば、それをきっかけに他社に売り込みに行くことができますよね。なので初めからスピード感を持ってプロダクトをつくることに集中しました。

事業が加速したと感じた、ターニングポイントはありましたか?

大きく二つの転換期がありました。一つめは、創業時のファーストプロダクトをOEM(相手先ブランドによる生産)で提供したことです。納期が短期間だったので高単価の仕事でした。クライアントからのフィードバックをその日のうちに改善し、翌朝には提供するというこまめなPDCAを回しながらつくりました。とにかくスピード重視で取り組みました。結果的に製品としての精度が上がり、お客さまに大変喜んでいただけました。
一方で、特定の企業に特化しすぎたため、自社製品として横展開できるシステムの汎用性がなく金額感も合わなかった。以降数年間は会社として苦しい時期が続きましたね。当時はソフツーの社員は僕だけだったので、以前所属していた派遣の仕事を受けて自分の食い扶持(ぶち)を稼ぎながら、会社のことも同時に考えていくのは本当に大変でした。
二つめは、マーケティングや営業知識のあるメンバーがジョインしてくれたタイミングです。僕はエンジニアなのでシステム開発には自信がありますが、それをいかに売っていくかという営業のプロではありません。彼が入ってくれたことで、金額設計や営業方針など大きくアップデートできたことが、今につながっていると感じています。

多国籍組織×チャレンジ精神×スピード感で“ミライ”のインフラをつくる

貴社のエンジニアはどのような人が多いでしょうか?

僕が一番大事にしている点でもありますが、誠実な人が多いですね。
国籍だと、日本人と海外出身者が半々なグローバルな職場になっています。海外出身者は中国、インドネシア、ミャンマー、ベトナム、台湾、香港、カナダなどおよそ10カ国と地域から集まり、日本が好きなチャレンジ精神が旺盛なメンバーです。日本人は海外の人とのコミュニケーションに興味がある、ウェルカムな性格の人が多いですね。多様性のある風土なので、そもそもみんなが少数派。逆に文化のぶつかり合いがないように思えます。

世の中のエンジニアにメッセージをお願いします。

エンジニアの可能性は無限大!世の中のアプリ、AI、AGI(汎用人工知能)、ASI(人工超知能)などはエンジニアがいないと実現できないものばかりです。車などのハードウェアもエンジニアと呼びますが、一つのものを仕上げるには時間や人手がかかります。しかし、ソフトウェアエンジニアは短時間かつ少人数で社会に大きなインパクトを出せる。僕は最初のサービスをたった2週間でつくり、最初の企業に導入してもらいました。ソフトウェアエンジニアの魅力であり特権です。失敗を恐れずに、どんどんチャレンジしていきましょう!

最後に、チャレンジしたいことを教えてください!

やりたいことはたくさんあるのですが、まずは電話を中心とした事業にきちんと集中して事業展開していきます。目標は「ミライAI」を全国すべての企業370万社に導入することです!
僕は20年以上エンジニアをし、長年IP電話関連のシステム開発をしてきました。誰よりもビジネス向け電話の仕組みをわかっているつもりです。飲食店やコールセンターなどに特化し、高単価契約を目的とする同業他社はいますが、「ミライAI」はオフィス向けにターゲットを絞っています。オフィス向けは一見価値を感じづらく、客単価が低いためほかのサービスが参入しづらいので、そこを狙って展開していきます。
僕らは安価で汎用性があり、企業様に長く使い続けていただけるような実用性を兼ね備えた、世の中になくてはならない“流通サービス”のポジションを目指したいですね。オフィス電話のインフラをつくっていきます!

取材日:2024年9月13日 ライター:吉田 めぐみ

株式会社ソフツー

  • 代表者名:鍾 勝雄
  • 設立年月:2008年7月8日
  • 資本金:2000万円
  • 事業内容:クラウド型コールセンターシステムサービス事業、AI電話自動応答・取り次ぎサービスの開発及び提供、ホテル用電話機販売事業
  • 所在地:〒104-0045 東京都中央区築地1丁目13-14 NBFスクエア東銀座7F
  • URL:https://www.softsu.co.jp/
  • お問い合わせ先:03-4455-7300

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