年間500ものイベントをワンストップでプロデュース。選ばれ、信頼されるために心がけること

名古屋
株式会社スマートノート 代表取締役
Yuya Hayashi
林 裕也

名古屋と東京を拠点に年間400〜500イベントのプロデュースから運営までを行う株式会社スマートノート。東海エリア有数の経験・ノウハウにアイデア力を掛け算し、顧客からの厚い信頼を勝ち取っています。学生時代からイベントの魅力や興奮を体感し、スマートノートを立ち上げた代表の林 裕也(はやし ゆうや)さんに独立するまでのキャリアやスマートノートが手がける事業とその強み、ビジョン、クリエイターへのアドバイスなどをお聞きしました。

イベントスタッフのアルバイトがビジネスの原点に

大学時代はどのような学生生活を送られたのでしょうか?

大学時代はアルバイトに明け暮れていましたね。入学前の春休みに応募したのがイベントのアルバイトで、最初の現場がTGC(東京ガールズコレクション)の名古屋公演でした。
イベント演出のすごさに驚きましたし、テレビでよく見る芸能人がすっぴんでリハーサルをしている姿を見て「こんな場所に来てお金までもらえるなんて最高じゃん!」と興奮したのを憶えています。
大学入学後もイベントバイトを続け、4年間で400くらいのイベントにスタッフとして参加しました。

 

貯金20万円で独立にチャレンジする。人材派遣会社での経験も

大学卒業後もイベント業界に?

社会人の経験も一応必要かなと思い、人材派遣を行っている会社に就職しました。営業職で入社したのですが、はじめは現場経験が大切だということで家電量販店にスタッフとして入って携帯電話の販売を行っていました。
その会社で1年ほど経験をして、辞めた翌日に個人事業主の開業届を出したんです。

いきなりの独立に不安はありませんでしたか?

当時は20万円ほどの貯金しかなかったのですが、実家暮らしで携帯代も家族持ちだったので余裕かなと思っていました(笑)。若かったですし、いろいろ勝負してみようと前向きでした。

どのようなビジネスで独立されたのでしょうか?

旅行が好きだったので旅行業にしようと考えていたのですが、資格が必要だということを知って断念しました。自分ができることをいろいろ考えた結果、学生時代に多くの経験をしたイベント業で勝負することにしたんです。

野球部の後輩がビジネスパートナーに。資金繰りに苦慮するも「結果として今がある」

学生時代のアルバイトと独立しての業務に違いはありましたか?

学生時代はあくまでバイト目線だったので、責任の重さは違いましたね。イベントディレクターやスタッフ派遣などをコツコツと続け、開業届を出してから2年半ほどで法人化し、株式会社スマートノートを立ち上げました。

法人化された時の人数を教えてください。

スマートノートは中学時代から付き合いのある野球部の後輩と立ち上げました。立ち上げ時に3人の人材を新規採用したので5人からのスタートでした。

法人化したことで大変だった点は?

お金を扱うプレッシャーが常にありましたね。十分な資金で始めたビジネスではなかったですし、イベントを企画・運営してから入金までにタイムラグがあります。その間に必要な支払いや給与などもあるため、目先の売上や利益にもシビアでした。毎月が勝負でしたが、その結果として今があるという感じですね。

年間400〜500件ものイベントを企画・運営。今では営業の必要がない理由

現在の規模感と事業内容を教えてください。

現在は社員が15人で、名古屋と東京の2拠点でビジネスを展開しています。メインのイベントプロモーション事業が全体の7割ほど。あとは映像制作やデジタルマーケティングも行える体制を整えています。現在は年間で400〜500件ほどのイベントを企画・運営しています。

会社概要を拝見すると広告会社をはじめすごい数の取引先をお持ちですが、どのように開拓されたのでしょうか?

開業当初は業種を問わず毎日200件ほど電話をかけて営業アプローチをしていました。取引先が徐々に増えていき、紹介やWebからの問い合わせなどもあり、ここ2年ほどは新規営業をしなくても自然と顧客が増えてきています。
また、名古屋観光コンベンションビューローや名古屋スポーツコミッションなどに協賛・参画することで企業ブランディングにも取り組んでいます。

人を大切に、ビジネスを牽引する。イベントの企画からWebまでをワンストップで

事業を進めていくうえで大事にされているものを教えてください。

ビジネスでとにかく大事にするのは「人」ですね。それ以外はないかもしれないです。表面上で取り繕って優しくするという意味ではなく、いかにその人のことを見て、向き合って、大事にできるかを大切にしています。
人を大事にすることでお客さまからはいい仕事がいただけ、協力会社には仕事を請けてもらえます。社内のスタッフを大事にすることで「もっと頑張ろう!」という気持ちになってもらえます。
あとは、私たちの仕事には決まった商品やサービスはなく、お客さまごとにカスタマイズしていくものなので、アイデア力と実行力も大事にしています。

御社の強みはどのようなところにありますか?

イベントの企画・運営はもちろん、そこに付帯するWebやデジタルまわりも扱えるのがスマートノートの強みです。通常はイベントの企画・運営とデジタルまわりが別々に発注されることが多いのですが、それを一括して受けることができるためお客さまの手間や工数を減らせます。
名古屋は市場がそれほど大きくないため、イベントを第一線でやっている会社は数社しかないのが現状です。だからこそ、やるべきことをあたりまえにやっていけば自然と知名度が上がり、仕事も入ってくると信じています。

イベント主催者とタッグを組んで大型イベントもプロデュース

これまでの仕事で、印象に残っているものを教えてください。

立ち上げ当初は広告会社の下請けとして入ることが多かったのですが、最近ではイベントを実施する企業さまから直接依頼をいただく機会も増えてきました。たとえば、東京体育館で行われた新体操の世界選手権大会も日本新体操連盟から直接の依頼を受け、私たちが演出、映像制作、各種制作、進行管理、キャスティングなどを担っています。
外資系の自動車パーツメーカーが日本に進出する際に、地鎮祭などの日本的なイベントを企画する仕事を請けたこともありました。

イベント主催者との直取引はリスクも高くなるのでしょうか?

実は開業以来大きなトラブルが一つもないんです。イベントのアルバイトからスタートしたので現場のこともよくわかっていますし、お客さまと対峙する経験が豊富なのも一因かなと思います。

100億企業へ、そして株式上場へ。“イベントならスマートノート”目指し

目標やビジョンを教えてください。

一つの目標としているのが売上100億の会社にすることです。現在は名古屋と東京の2拠点で行っていますが、イベント業界の東京のマーケットは名古屋の100倍くらいあるので、今後は東京の割合を増やしていきながら、必要に応じてほかのエリアにも拠点を設けたいと考えています。また、東証のグロース市場への上場もいつか果たせるといいなと思っています。
「イベントをしよう!」と思ったら、1番に名前があがる企業に育てていきたいですね。雇用を生み出し、日本のビジネスや社会に役立ちたいという思いもあります。

協業するクリエイターに求めているのはどんなことですか?

クリエイターにとって最も大事なのは「約束を守ること」だと思います。制作物のクオリティーも大切ですが、約束や納期を守らない方とは継続して仕事をすることはできません。ルールを守って誠実に対応できるクリエイターさんと一緒に働きたいですね。

クリエイターにとっても経営目線がとても大切

最後に、世の中のクリエイターにアドバイスをお願いします。

クリエイターも経営目線を持つことが非常に大切です。たとえば、自身の趣味や自己満足で個展を開きたいのであればアルバイトでもしてお金を貯め、開けばいいと思います。しかし、ビジネスとして行うのであればしっかりとお金を払ってくれるお客さまと仕事をすべきだし、サービスの対価をきちんといただくことも重要です。生きていくためにお金は必要です。フリーランスのクリエイターであっても、しっかりと経営目線を持って取り組んでください!

取材日:2024年9月3日

株式会社スマートノート

  • 代表者名:林 裕也
  • 設立年月:2018年11月
  • 資本金:1000万円
  • 事業内容:イベント企画・運営事業/映像制作事業/WEB・デジタルコンテンツ事業
  • 所在地:〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦2-2-24 いちご丸の内サウスビル5F
  • URL:https://smartnote.jp
  • お問い合わせ先:https://smartnote.jp/contact/

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