WEB・モバイル2024.11.27

「広告の役目は終わったか?」答えはNO。現場主義とターゲティングで届ける「記憶に残る広告」

広島
株式会社 アドリンククリエイティブエージェンシー 代表取締役
Takashi Mizuno
水野 崇

SNSなどで誰でも広告が打てる時代に、広告代理店として存続する意味を見出し、「オモシロイを発信」し続けている会社があります。広島県広島市にある広告代理店・株式会社アドリンククリエイティブエージェンシー。代表取締役の水野 崇(みずの たかし)さんは、15年勤めた会社を退職して、広告代理店として同社を創業しました。社名に込めた「オモシロイ」、また現場主義を貫く理由やこれから注目している広告媒体などについて伺いました。

リビング新聞の広告営業一筋15年。社外でチャレンジしたい思いが芽生えたきっかけは……

立ち上げまでのキャリアを教えてください。

新卒で、広島のリビング広告社に入社しました。リビング広告社はリビング新聞という女性をメインターゲットにして展開している、フリーの地域情報新聞の紙面に掲載する広告の枠を販売しており、私はいわゆる広告営業の仕事をしていました。そこで広告の奥深さ、おもしろさを感じながら15年ほど勤めたのちに退職し、今の会社を立ち上げました。

なぜ退職されたのでしょうか?

社員としても読者としても、リビング新聞が好きという気持ちがあったので、辞める決断は簡単ではありませんでした。しかし、クライアントからリビング新聞以外でも広告を出したいという要望が増えたことが決断につながりました。クライアントの要望に応えたいという思いや社外でチャレンジしたいという気持ちの方が強くなったのです。

独立してもご縁はつながる。「アドリンク」という社名の意味

創業当時は「株式会社アドリンク」という社名だったのですね。由来を教えてください。

アドリンクのアドはadvertising・広告、リンクはlink・つなぐという意味です。社名通り、これまでに培ったご縁をつなぎながら、広告の仕事をしていました。

これまでに培ったご縁は、具体的にどのようにつながっていったのでしょうか?

ありがたいことに、広告代理店の立場で今でもリビング新聞各社とも仕事をさせていただいています。またリビング時代にお世話になったクライアントからも直接依頼をいただくことも多くありました。

10年の節目に長すぎる社名に変更。「オモシロイを発信する」仕掛け?!

御社のホームページを開くと「どうも、社名が長すぎる広告代理店アドリンククリエイティブエージェンシーです」と出てきます。どうして社名を変更されたのでしょうか?

起業して10年の節目で、広告代理店からクリエイティブ・制作に力をいれていきたいという思いをあらわすために、社名に「クリエイティブ」をいれました。エージェンシーはクリエイティブといえばエージェンシーでしょと。よしもとクリエイティブ・エージェンシーをイメージさせるところも、ユニークで気に入っています。

なるほど。吉本興業さん(笑)。それが御社の理念である「オモシロイを発信する」につながってくるのですね。

いえいえ、それとこれとは直接つながっているわけではないです……。広告はみた人に「オモシロイ」と思っていただかなくてはいけない。自分たちがやっていて「オモシロイ」と思うものでないと、「オモシロイ」が届かないのではないのかなと考えています。

誰でも広告を打てる時代だからこそ。広告代理店の存続価値を自ら問いかける

ホームページを開くと一発目に「Q.広告の役目は終わったのだろうか?」という問いが出てきますが、その意図をお聞かせください。

今、誰しもがSNSなどを使って広告を出せる時代ですよね。そんな時代に、広告代理店にお願いして、広告を出す意味があるのかということを問いかけています。我々に頼んでもらったからこそ、記憶に残る広告を作らなければならないと考えています。

広告のプロによる「徹底した現場主義」。コストと時間がかかる……は間違い!

あらためて現在の事業内容について教えてください。

パンフレットおよびWebサイトなどの広報物の制作と、動画配信サービスを活用したコンテンツの制作と企画を主に行っています。クライアントのお役に立てること全般に対応したいと考えています。

御社の制作ブランドCraftpedia(クラフトペディア)の特長を詳しく教えていただけますか?

まず、「徹底した現場主義」ということがあげられます。クライアントからの要望や原稿をそのまま採用するというのは、我々の仕事ではありません。飲食店をご紹介するのに、食べてもいないのに感想を書くようなことをしていてもオモシロクないし、絶対にしません。必ず現場に行って撮影やインタビューを行います。時間と空間を共有することでしか得られない事柄や雰囲気を拾い上げ、伝えるべき言葉を再構成します。

時間とコストがかかると思いますが……。

一見そのようにみえるかもしれませんが、それは間違いです。例えば学校のパンフレットを作る案件があり、先生たちが授業風景を撮影し、学校の特色などを文章で提出したとします。撮影や執筆にどのくらいの時間がかかるでしょうか?またその写真、文章のクオリティーはどうでしょうか?広告・制作のプロに任せた方が、結果的に効率的で質の高い制作ができるため、時間やコストの面でも決して高くないと思っています。

TVerがねらい目。制作と同じくらいターゲティングも大事

クライアントが目指す結果を得るため、制作以外に意識していることはありますか?

ターゲットとするユーザーに刺さるような手段を考えるというのは、制作と同じくらい必要なことだと考えています。どの媒体でのアプローチが適切なのかということを見極めて、ご提案させていただいています。

注目している広告媒体を教えてください。

デジタル広告に力をいれていきたいです。ホームページの制作やSNS広告、特にTVerの広告はねらい目だと感じています。

それはどうしてですか?

TVerは、日本のテレビ局が一つになった新しいプラットフォームです。各局の好きな番組を無料で、スマートフォン、タブレット、パソコンなど好きな端末を使ってみることができます。若年層からミドル層まで幅広く利用されています。
エリア、年齢、性別、番組ジャンルなどを事細かに設定して広告を打つことができるので、今後さらに広告媒体として有効だと考えます。

スピード感とユーザーを意識。適切な時にユーザーに届いてこそ「広告」

約30年、広告業界にいらっしゃる水野さんからみて、昨今のトレンドをどうご覧になっていますか?

いろいろな場面でいわれていることですが、文章を「読む力」というのが落ちてきているように感じます。つらつらと文章で伝えるよりも、端的にキャッチコピーで、写真や動画でという方がみている人に刺さるという傾向にあります。

一緒に働くクリエイターに求めることを教えてください。

二つあります。一つはスピード感です。〆切までの限られた時間内で、ユーザーに届くものを出せるかということです。時間をかけて、すばらしいものを作ったとしても、世の中に求められているものは変わってしまっているということもあります。
もう一つは、クライアントやその先のユーザーの気持ちになること。独りよがりで制作するのではなく、ユーザーに届いてこそ広告なのだという気持ちで取り組んでもらいたいです。

取材日:2024年9月24日 ライター:田口 有香

株式会社 アドリンククリエイティブエージェンシー

  • 代表者名:水野 崇
  • 設立年月:2011年5月10日
  • 資本金:4000万円
  • 事業内容:広告全般/チラシ・パンフレット制作/ホームページ制作/集客・販促イベント企画
  • 所在地:〒730-0014 広島県広島市中区上幟町4-7 縮景園ひろえビル2F
  • URL:https://adlink-jp.com/
  • お問い合わせ先:082-555-1193

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