テクノロジーを「誰でも使える身近な存在に」。“雑談”が生み出す強固なチームワークが鍵
ECシステムの開発やWebサイト制作、動画・デジタルサイネージなどの広告制作を行う福岡の合同会社IFTEC(イフテック)。学生時代から工学分野を学んできた代表の根本 理絵(ねもと りえ)さんは「技術はもっと身近でいい。」というテーマで11年、事業を続けてきました。ともに仕事をする仲間は福岡から北海道まで。フルリモートでも事業を円滑に回せるのにはある“秘密”があるんだとか。その“秘密”とは?設立のきっかけや事業にかける思いなどとあわせて伺いました。
女性が働く社会が来ると確信していた。高校時代から抱えていた独立心
合同会社IFTEC設立の経緯を教えてください。
私は北九州工業高等専門学校の制御情報系の学部出身で、大学も工学部でした。その後、上京して就職し、視聴覚システムを開発していたのですが、UI(ユーザーインターフェース)デザイナーがいなかったんです。なので、製品としてUIが整ったものを開発したいと思うようになり、デザインに関心を持ちました。
そこから福岡にUターンし、コンテンツ制作会社に入りました。動画制作やWebデザインの仕事を一通り学びました。
そして、EC関連の仕事を行った後に独立しました。現在、複合的に仕事を受けているのは、これまでの幅広い業界経験が理由ですね。
「独立したい」という気持ちは以前からあったのでしょうか?
高校生の頃からありました。これから少子化が進んでいくと同時に、“女性が先導に立って働くような時代が来る”と確信していたからです。
一方で女性が家事や育児を両立しながら、采配を振って働くためには、会社勤めでは不可能だとも思っていたので、家で仕事ができる環境を整えることが不可欠だと思っていました。
社名の「IFTEC」に込められた思いを教えてください。
if(もし)とTechnologyをあわせて「IFTEC」になります。「もしもテクノロジーがあったなら」という意味です。テクノロジーを必要としている人に届けることで、「人々の生活をサポートしていきたい」という気持ちで付けました。ホームページにも記載している“わかりやすい”というのは、テクノロジーに対する抵抗感をなくし、誰でも使える身近な存在にしたいという思いがあったからです。
全員リモートで働く組織。必要なのは何気ないコミュニケーション
事業内容を教えてください。
今、一番依頼が多いのはECまわりだと思います。「円安なので、海外のお客さんも買えるようにしたい」「労働人口が減っているので、少ない人数で売り上げを作れるように通販メインの店舗にしていきたい」といった問い合わせがあります。物流拠点が近くにあるので、輸送にかかるコストが少ないというのと、工場が近いというのがEC関連の依頼が多い理由だと思います。
ほかにもWeb制作、動画・サイネージなどの広告制作の依頼も受けており、事業は多岐に渡ってやっています。
現在はどのような組織体制ですか?
正社員は2人、常駐の業務委託の方が10〜15人いる組織になっています。フロントエンジニアが長野、サブディレクターが東京、デザイナーは福岡から遠くは北海道にいるので、リモートワークがベースになっています。
器用な人が多くて、デザインをやりながらコーディングをする人がいたり、ディレクターがコードを読めたりなど、複数のスキルを持っている人がいるので助かっています。また、依頼を受けた時に「できるかわからないけどやりたい」となることも多く、貪欲な社風も強みです。たまたまなのですが社員らが教員免許を持っていることもあり、社内で学び、教え合うなどしています。時代変化に柔軟に対応でき、常にアップデートされる環境です。
リモートワークならではのコミュニケーションの工夫はありますか?
まずは「疑問があれば聞く」ことに対して躊躇しません。また、通常のコミュニケーションツールでほとんど雑談レベルの話題を挟みながら仕事をしているんですよね。例えば、「本が届きました~」というつぶやきに対して「今日は何の本を読むんですか?」という質問を返すなど、そういった内容を結構挟むんです。チャットツールでは仕事の内容だけでなく、こういったカジュアルな会話も多いですね。
文字だけのやりとりとなると顔が見えないので結構ギスギスしちゃうことがありますよね。緩い雰囲気づくりを心がけることで、気持ちよく仕事ができるよう意識しています。忙しい時ほど気を付けないといけないなと思いながらやっています。
「雑談」を日々重ねるからこそわかる人となり。チームワークの鍵
案件のチームはどのように組まれていますか?
案件が決まった時に、私がざっと工数を見積もって、業務委託の方々の稼働状況やスキルを見て振り分けます。
足りなくなったらもちろんサポートの人員を増やします。それもある意味コミュニケーションの賜物で、大体その人の得意や苦手、性格などを把握できているので適材適所で仕事を依頼しています。
リモートでは成果という部分が見えにくいと思いますが、何か工夫されていますか?
最初に見積もった工数とその人が実働した工数の差というので評価しています。早く仕上げたら評価があがるんですよ。逆に見積りよりも時間がかかったのであれば原因を一緒に考えていく流れにしているので、基本的には実働工数と予想工数の比較になりますね。
あとはどうしても数字だけじゃ見えない努力もあります。その人が日々学び、伸ばしたスキルなどを加味しながら評価しています。
「人生の楽しさを忘れないでほしい」。夢を叶えられるような会社へ
今後、どんな会社にしていきたいと考えていますか?
今は私がやりたいことを企画や事業にしていくケースがほとんどなのですが、それが今ジョインしている人たちから上がってくるようになるといいなと思っています。そして、積極的にそれらを叶える方向に持っていきたいなとも思っています。
やりたいことを仕事に重ねつつ、プライベートの時間も確保していく。そういった人の生き方を尊重していきたいなと思いますね。
一緒に働くクリエイターに対して、会社としてどのようなことを求めますか?
“楽しみ”を見失わないでほしいですね。人生というのは楽しいものなので、作業的に仕事をこなすだけになってしまったら多分、人生はつまらない。与えられるだけのものって辛いじゃないですか。なので、今やっていることに対して、どうやったら自分の「やりたい」につながっていくのかを探して楽しむことを忘れないでほしいです。
今、人生が苦しいなって思っている人たちは別の角度から見たら楽しいことがあると思う。人生の“楽しみ”を常に追い求めて過ごしてほしいと思います。
取材日:2024年10月23日 ライター:神代 希海
合同会社IFTEC
- 代表者名:根本 理絵
- 設立年月:2013年3月10日
- 事業内容:Webサイト制作・開発、ソフトウェア開発、デジタルサイネージ、広告作成等
- 所在地:〒811-4173 福岡県宗像市栄町2-1 2F
- URL:https://if-tec.co.jp/
- お問い合わせ先:https://if-tec.co.jp/contact