AIテクノロジーを駆使したシステム開発で日本の成長を下支え。目指すは“地方から世界へ”!
宮城県仙台市の株式会社GROWTH JAPAN TECHNOLOGIES(グロウスジャパンテクノロジーズ)は、AI技術を活用した開発に強みを持つシステムインテグレーターです。代表取締役社長である我妻 裕太(わがつま ゆうた)さんは前職でのシステム開発などの経験を基に起業し、「地方から世界に挑みたい」という思いを持っています。最新技術を活用した事業や展望をお伺いしました。
「何事も自分で切り拓く」起業は自然なことだった
これまでのキャリアを教えてください。
キャリアのスタートは、大手ソフトウェア開発会社の関連会社からでした。6年間システム開発の業務に従事し、BtoBのシステム開発やネットワーク・インフラ構築に携わりました。
その後、営業職に3年間従事することとなりますが、この時期には「次に来る技術は何か?」ということを常に考えて過ごしていました。その一つの答えが「AI技術」であったので、その研究を独自に始めました。
営業職に続いて、社内でビジネス創出を目的とした事業部を立ち上げました。その部門で作り上げた、AIの画像検知技術を活用した腐食診断ソフトがICT関連のコンテストで賞を受賞しました。腐食診断ソフトとは鉄骨などの表面に付いた錆の画像から、腐食の度合いが分かるというシステムです。常に「仕事の先にある現場を大切にしたい」という思いを持って、仕事をしていましたね。
これが契機となり、2022年にGROWTH JAPAN TECHNOLOGIESを設立して、スピンオフ起業を果たしました。
エンジニアを志したきっかけを教えてください。
そもそも私がエンジニアになったのは、「世の中を変える仕事をしたい」という思いからでした。当時は大手検索エンジンのGoogleやYahoo!が急成長していた頃です。世の中を変えているのはITだと感じ、「ITをやりたい!」とエンジニアを志しました。社会を支えている職種だというところも大きかったです。
会社を持ちたいという思いは以前からお持ちだったのでしょうか。
“ずっと雇われ従業員でいる”というイメージは元からありませんでした。学生時代から枠組みの中にいても自由に振る舞っていた気がします。何事も「自分で切り拓く」質(たち)なので、腐食診断ソフトを開発した際も、画像と腐食度合いを関連付けるデータがほとんど無いところからスタートし、現場に足繫く通ってデータを収集しました。
そのため、会社の設立まではごく自然な流れでした。
IBMの「ワトソン」からAIの台頭を予見。時代の最先端を学び続ける姿勢
「次に来る技術」がAIだと考えたきっかけについて教えてください。
AIに注目したのは、16年ごろに世界170カ国以上でビジネスを展開しているグローバルITカンパニーのIBM社が開発した質疑応答システム「ワトソン」を知ったことがきっかけでした。今は生活にも浸透してきたAI技術ですが、当時はAIについて取り沙汰されている時代ではない中で、質疑応答システム「ワトソン」が書籍などで取り上げられているのが目に付きました。過去に質疑応答システム「ワトソン」はアメリカのクイズ番組の企画でクイズのチャンピオンと対決し、勝利を収めていて、「これはこれから先の未来に絶対にAI技術が必要になるぞ!」と確信しました。
AIの最新技術の情報についてはどのように入手しているのでしょうか。
最新のAI開発情報については、開発者が集まるコミュニティーに私も所属しており、そこから情報を入手しています。この業界は特に進歩が早いので日々勉強しなければなりません。情報収集の場としてだけでなく、勉強する場としても、とても大切にしています。
また開発者のみが集まるコミュニティーだけでなく、営業を行っていると、各社の経営者とお話しする機会が多くあります。お会いする方みなさん、本当に博識で、さまざまな分野の知識をお持ちです。その経験から「社会人だからこそ勉強しなければならない」と、とても強く感じています。
現場主義の「ソリューション提案力」が強み。主はAIシステム開発
現在の事業について教えてください。
現在の事業は、お客さまの業務に合わせてAIを活用したシステム作りや自社開発のソフトウェアの販売などがあります。
特にお客さまの業務やニーズに合わせてカスタマイズするAIを活用したシステム開発は、全体売上の7割を占めています。主要な取引先としては電力系や建築系、製造系の事業者さまがいらっしゃいます。具体例を挙げると、Web申請の受付を効率化するシステムや、手書きの受注情報をスキャンし、画像検知で自動入力できるシステムなどの開発実績があります。
そのほか、自社開発のソフトウェアとしては、まずはAIによる画像判定でインフラ設備の腐食診断が可能となる「RustScanPro(ラストスキャンプロ)」が挙げられます。こちらは前職で開発したものが基礎となっていますが、機能を絞り込むことで比較的安価にご提供でき、そのことで市場に置けるポジショニングを変えています。
また、複数のビジネスコミュニケーションツールを一元的に管理できる「Taskly(タスクリー)」も自社で開発したシステムです。
強みはなんでしょうか?
AIやソフトウェア、IoTという技術基盤をどう組み合わせるのかという発想力、また、お客さまと直接のやりとりをしておりますので、お客さまの業務の課題を深く知るリサーチ力には自信があります。こうしたことから生まれる「ソリューション提案力」が当社の強みだと考えています。
求む!キャリアアップしたいエンジニア
一緒に働くエンジニアにはどのようなことを求めますか?
事業が伸びている中で、エンジニアを募集しています。クライアントさまとも関わることが多いので、クライアントさまも仲間の1人だと考えて、「一緒にこれをやろう!」と決めて最後まで頑張れる方がいいですね。方法論はさておき、「一緒にやろう!」という勢い、そして「ノリの良さ」もあった方が良いかなと思います。もちろん実現のためにタフに取り組むガッツも必要です。
当社では、開発以外にもマーケティングや広報、採用など幅広く担当していただくことができます。エンジニアとしてのキャリアアップだけでなく、キャリアの幅を広げることも可能です。成長できる環境を用意しますので、仕事に打ち込んでキャリアアップしたいという成長意欲のある方を歓迎します。
「日本の成長を下支えしていきたい」。地方から世界へ!
社名に込めた思いを教えてください。
GROWTH JAPAN TECHNOLOGIESの「GROWTH」は「成長」という意味です。“日本が成長するための支援をしたい”という思いを込めています。技術の力で日本の成長を下支えしていきたいです。
どのような会社にしたいとお考えでしょうか。
当社は、「人の役に立つ仕事」ができる会社でありたいと思っています。
また、ライフワークバランスはもちろん重視していきますが、「ライフ」にばかり焦点を当ててしまうと、「ワーク」の部分がおろそかになってしまいます。人の役に立つためにも、アグレッシブに仕事をこなして、仕事によって得られる成長も大事にしたいです。
展望などをお教えください。
まずは売上を拡大し、1000人規模の会社にすることをスモールゴールとしています。
また、日本市場は縮小していく状況にあると思います。ですので、日本だけを相手にするわけでなく事業を海外に展開していきたいという思いを持っています。特に画像検知技術を使い、鉄製の構造部の表面にある錆から腐食の度合いを判断することができる「RustScanPro」というシステムは、修繕などの管理に生かすことができるので、インフラが老朽化して来ている東南アジアでは歓迎されるものだと考えています。さらに先の未来ではアメリカやヨーロッパの市場にも挑み、システム開発の案件を受注したいです。
地方の一企業でも、世界を相手に仕事をすることができるという姿を見せたいと思います。
取材日:202410月30日 ライター:川村 忠寛
株式会社GROWTH JAPAN TECHNOLOGIES
- 代表者名:我妻 裕太
- 設立年月:2022年7月28日
- 資本金:200万円
- 事業内容:ソフトウェア開発、スマートフォンアプリ開発、AI開発、XR開発、インターネット販売事業、クラウドサービス事業
- 所在地:〒 980-0014 宮城県仙台市青葉区本町一丁目5番28号 カーニープレイス仙台駅前通603号室
- URL:https://www.growth-japan.com/
- お問い合わせ先:022-7064-638