スペース2025.01.15

過去のトラウマが現在のスタイルのベース!?寄り添う家づくりのすすめ

新潟
ラフズスタイル株式会社 代表取締役
Satoshi Mashima
眞島 聡志

外構や造園も自社で施工する一気通貫の家づくりに定評のある、建築工務店・ラフズスタイル株式会社。代表取締役の眞島 聡志(ましま さとし)さんが祖父の造園業を引き継ぐ形で同社の歴史がスタートし、多彩な受賞歴を持つ現専務の入社で「大きく事業が動き出した」そう。家づくりの一連を手がけるようになった経緯やお客さまに寄り添った家づくりの源流、今後のことについてお話を伺いました。

最初の仕事は、ゴミ屋敷の片付け!?転職までの腰掛けが本業に

会社立ち上げまでの経緯を教えてください。

ラフズスタイルが法人化したのは2015年9月なのですが、個人事業主としては2013年から行っていました。そのころは祖父がやっていた坂井緑園を引き継ぐ形で造園業をしていたんですよね。

そもそものスタートは造園業だったのですか?

実のところは違います。もともと私は工務店で営業をしていました。ある時、亡くなった祖父のゴミ屋敷に対して近隣の方からお叱りが入って……。転職を考え始めていたときだったので、まずは生活を目的に祖父の造園業を継承することにしました。そんなところからスタートしたんです。

開業してすぐに造園業は軌道に乗ったのですか?

前職の工務店時代の上司が仕事を回してくれたこともあり、それなりに仕事はありました。
同タイミングで転職を考えていた友人なども加わり、多いときは3人で、外構や造園の仕事をしていました。

開業からどのくらいのタイミングでやっていけるという手応えをつかみましたか?

手応えなんてありませんでしたよ。1年目なんて年間の売上が100万円もありませんでした。でも、みんなの給料は払っていかないといけない。本当に大変でした。しかしその一方でやりがいは強く感じていましたね。ほかの人たちが真似できない、自分たちの形をつくっていけることには別格のやりがいを感じていました。

したかった住宅業を後押しした現専務の入社。熱意ある「口説き」で実現

それから約2年で法人化というのは非常にスピードが早いように思います。何か大きな転機があったのですか?

前職の先輩にあたる弊社の専務が入社を決めてくれたこと、これに尽きます。実は会社を辞めるときに彼には「一緒に住宅屋さんをしよう」と口説いていました。それが少しの時間を経て、デザイナーとして賞を受賞するほどの実力者が加わってくれることになった。「やりたかった住宅屋ができる!」と思う一方で、経験値が少ないところからスタートする不安もありながらの法人化でした。

そもそも住宅に携わるお仕事がしたかったのですか?

そうですね。実は工務店に勤務する前に私は設計事務所で設計や図面作成ツール「CAD」、デザインなどを学んでいました。しかし、学んでいくにしたがって自分には難しいと実感していくんです。周りの同世代は、若いころから学び、多くのことを実践してきています。しかし、30過ぎから学び始めた自分にはまだまだなんの実績も知識もない。興味はあるけれど自分では難しいのではないか、そんな思いはありました。

小さい会社だからこそ信用は絶対に失ってはいけない

現在の御社の事業内容を教えてください。

新築、リフォーム、外構に造園など住宅建築の一連を手がけています。
お客さま一人一人の「快適さ」や「こだわり」はそれぞれ。さらに長く住むことになる家は買うものではなく、つくるものだと考えています。そんな思いを共有する仲間が私を含め7人おり、事務、設計、現場管理……とそれぞれ担当しています。

御社には営業職の方がいないと伺いました。

そうですね。在籍していません。新築の場合の多くは紹介や口コミですね。また上場しているハウスメーカーとのつながりもあるので、そちらのサポートやリフォーム案件などで、お仕事をいただくことがほとんど。だから、営業が特段必要ではない、というのが実際のところです。

外構を担当する方々も今はいないと伺いましたが、どのような体制を取られているのでしょうか?

コロナ禍の折に、3人いた外構部隊は全員独立採算制を取ることにしました。というのもあのタイミングは仕事の量が一気に減り、彼らの給料を上げてあげることが困難になってしまったからです。それであれば、弊社が抱えているクライアントを彼らに渡し、直接仕事を受注することに加えて、これまでとは異なる新規のクライアントを彼ら自身で見つけ出してくるほうがいいのではないかと考えたのです。もちろん、弊社からも発注します。とはいえ、以前と変わらず一緒に仕事をしているのでそんなに大きく変わったわけではないのですが。

お仕事をするうえで最も大切にしていることは何ですか?

信用がなければ仕事は成り立たないと思っています。特に私たちみたいな小さな会社であればあるほど、一人一人の責任や信用というものは会社全体のイメージや責任、信用に直結していくことが多いと私は考えています。
だから、新入社員などの若い世代には特に“信用を損なうような言動がなぜダメなのか?” “何が信用を失うことにつながるのか?”などをしっかりと伝え、社員教育には非常に力を入れています。

家の設計の前に行う、徹底したお客さまの人生設計。過去のトラウマが起源に

社名に込めた思いを教えてください。

「気取らずありのままの自分らしさ」とか「固く考えすぎずに」、「楽しい人生を」……そんな意味合いを込めました。社名を考えるときにいろいろ書き出し、最終的に絞った20案くらいの中から決めました。考案者は私の妻なんですよ(笑)。

ホームページを拝見すると非常にお客さまの声や生活ステージを大切にした家づくりを行っていらっしゃるように見えました。そういった信条はどのようなところから生まれたのですか?

私の過去のトラウマでしょうかね。小学校のころ、私には周りからひどく嫌われていた時期がありました。自分のことが大好きすぎて、人のことを考えないし、言うことを聞かない。道徳の授業ではよく名指しで非難されたものです。
それが13歳、中学生になったタイミングでふと思ったんです。「これでは人生つまらないのではないか?人に憎まれて生きていくのか?」と。そこから人をよく観察するようにも、人の話をよく聞くようにもなりました。このターニングポイントがあったおかげで「お客さまは今どうしたいのか?」「現在の生活ステージは?」「どういった展望をお持ちなのか?」「金額的に最も負担の少ないのはどこなのか?」など、さまざまなことをヒアリングして、徐々に信用を得ていく、今の私のスタイル形成につながったのだと思います。

眞島さんの主な仕事はお客さまとの第一段階のやりとりということですか?

そうですね。時間をかけて、さまざまな情報を収集し、お客さまの人生設計に最も適した内容をご提案する下地づくりを私が行います。これをした後はそれぞれの担当者にお客さまの思いを伝え、作業を任せます。弊社はそんな形で家づくりをさせていただいています。
デザイン前のヒアリングの手厚さは弊社の強みと言えるポイントの一つだと思っています。

「笑顔で生活できる空間づくりをできるかが大切」。若い世代に伝えたいこと

ビジョンを聞かせてください。

人に優しい工務店を増やすこと。弊社も目指し、実践している。こういった考え方の会社がもっと新潟で増えるとうれしいなと思っています。 家を建てる際に「どこまで融資をたくさん引っ張り、自社の売上を上げるか」を念頭に置く会社さんも正直なところあります。しかしそうではなくて、住む人を最優先に考え、いかにお客さまが笑顔で生活できる空間づくりをすることが大切だと思います。
そういった意識で家づくりを行うと、お客さまが心からの笑顔で「ありがとう」と言ってくれます。やりがいを感じる瞬間です。次を担う若い世代にはその喜びを感じてもらい、お客さま第一の家づくりを実践できるようになってくれたらうれしい。だから、まずは私自身が背中で見せ続けていきたい、そんなふうに考えています。

取材日:2024年11月29日 ライター:コジマタケヒロ

ラフズスタイル株式会社

  • 代表者名:眞島 聡志
  • 設立年月:2015年9月30日
  • 資本金:500万円
  • 事業内容:新築工事、リフォーム・リノベーション工事、造園、エクステリア工事等
  • 所在地:〒950-2033 新潟県新潟市西区亀貝104-1-2
  • URL:https://laughs-style.co.jp/
  • お問い合わせ先:TEL:025-378-0051 FAX:025-378-0052

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP