WEB・モバイル2025.03.05

“動き”を取り入れたデザインで「情報+リッチな体験をしてもらいたい」。富山にムーブメントを

富山
株式会社アイアイ・ジャパン 代表取締役
Toshimitsu Ii
伊井 敏光

地元・富山県にフォーカスを当て、ホームページ制作やシステム開発を行う株式会社アイアイ・ジャパン。代表の伊井 敏光(いい としみつ)さんは、前職での経験を存分に生かし、アニメーションなどの“動き”を取り入れたコンテンツ制作で、見る人を楽しませるクリエイティブを世に送り出しています。地元を盛り上げるため、新たな分野への挑戦もいとわない伊井さん。そんな伊井さんを育んだのは、自由闊達な性分と過去の苦労でした。

短大と大学のカリキュラムを経て、得たデザインの価値観とアイデンティティ

立ち上げまでのキャリアを教えてください。

富山の高岡短期大学(現:富山大学)の産業デザイン専攻(工業デザイン)で、『モノ』、つまり工業製品の実用性に特化したデザインを学びました。その後、デザイナーとして、株式会社不二越に入社しました。会社としては初めてのデザイナー採用だったため、デザインに関する社内教育の仕組みが整っておらず、入社2年目に金沢美術工芸大学で聴講生として再びインダストリアルデザインを2年間学びました。
短大の期間と合わせて4年間もの学びの機会をもらえたおかげで、会社に戻ってからは実際に産業用ロボットや工作機械、計測装置の外観などをデザインしました。
仕事に慣れていくと同時に、「自分の価値観って何だろう?」と考えるようになりました。結局8年目の27歳の頃に、あらためて機械のことを学ぼうと思い、ちょうど不二越が創立した「不二越工業高校」の夜間部に入学しました。その2年間のカリキュラムのなかにプログラミングがあり、そこでマルチメディアデザインに出会います。
このマルチメディアとの出会いが転機となり、夜間部を卒業後、その分野の会社に転職しました。その後、世の中はインターネットが急速に普及し、私の業務もマルチメディアからホームページ制作へと移行していきました。

会社を設立したきっかけを教えてください。

40歳近くになって、「いつか自分で何かをやってみたいな」という思いが次第に強くなり、たった一度の人生なので思い切ってフリーランスとして起業したのが、今の会社の始まりです。
最初の3年間は一人で活動していましたが、徐々にお客さまが増えていくなかで、一人での限界を感じるようになり、4〜5年目からスタッフを雇うようになりました。2016年に法人化してからは、私がディレクションして、制作はスタッフに任せることで会社の体制が整っていきました。

事業内容を教えてください。

コーポレートサイト、採用サイト、ECサイトなどのホームページの制作、Web系のシステム開発、Webコンサルティングを展開しています。
そのほか、ロゴマークやチラシ、ポスターなどのグラフィックデザインも行っています。

「人との縁を大切にしていきたい」。スタッフが辞めていった過去を教訓に

事業を運営していくなかで大変だったことはありますか?

コロナ禍に入って半分以上のスタッフが辞めていったことがありました。後で気がつきましたが、話を聞けていなかったなぁと。スタッフは30歳前後の人がほとんどで年代差もあり、なおさらコミュニケーションを積極的に取っていかないとダメだったんだろうなと反省しました。
コロナ禍前までは順調に経営が伸びていったんですけど、半分以上が辞めた時に売上が下がり、仕事もうまくまわらなくなりました。今は新しい体制でV字回復を目指している段階です。そのためには、社員同士でコミュニケーションを取らないといけない。「人は宝」と言いますけど本当にそのとおりで「人との縁を大切にしていきたい」と考えています。

貴社が事業を通して行っている「挑戦」を教えてください。

前の会社では、Adobe Flashを使用してアニメーションを多用するホームページ制作に携わっていました。画面上に動きをもたらすことで見ているだけで楽しめるリッチコンテンツを目指していました。独立して間もない頃に、スティーブ・ジョブズがFlash PlayerをiPhoneに導入しないと宣言した時は天地がひっくり返るような失望感でしたが、最近になり、かつてのFlashアニメーション全盛期の頃のようにリッチコンテンツを作れるようになってきました。そこで「情報+リッチな体験をしてもらう。」をスローガンに掲げ、新しいコンテンツを制作することを目指しています。

その「挑戦」をするうえで特に力を入れていることを教えてください。

システム系の仕事は数学的で、答えが一つですが、デザインはデザイナーの感性次第でどのような形にもなり、答えは一つではありません。お客さまのビジネスをしっかり理解し、そして真の目的はどこにあるのかを時間をかけて話し合うことを心がけています。ここをしっかりできていないと、お客さまのブランディングがブレてしまい、そもそも魅力のないコンテンツになってしまいます。お客さまの訴求したい情報を分析して設計、そこにプラスαの要素としてリッチな体験を融合していく、そんな感じですかね。

新たな挑戦で地域活性化の一助に

目標はありますか?

今後も「地域貢献」をキーワードに地元・富山にフォーカスし、お客さまの会社やお店の「らしさ」を引き出していきます。目先の収益も大事ですが、今はじめたことが未来に繋がるようなことであれば、視野を広げて積極的に挑戦していきたい。時にはトライ&リサーチでまずはやってみる、やっぱりチャレンジなんですよ。責任は重いんですけど、プロジェクトが成功して「反響がいっぱい来たよ」と言われるとやりがいを感じます。それが地域の活性化にもつながります。案件はしっかりとこなしつつ、新しいことにチャレンジし続けていきたいです。
あとは地域での存在感を出していくために、自分の髪型を金髪にしてイメチェンしようかなって思っています(笑)。新たな挑戦に突き進んでいくための自分改革です。

取材日:2025年1月9日 ライター:亀田 健太

株式会社アイアイ・ジャパン

  • 代表者名:伊井 敏光
  • 設立年月:2010年4月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:ホームページの制作(コーポレートサイト/採用サイト/ECサイト/LP等)、システム開発、SNS連携、WebコンサルティングなどのWeb関連事業と、ロゴマーク・DM・パンフレットなどのグラフィックデザイン
  • 所在地:〒939-8205 富山市新根塚町3-2-4 レジデンス増田205号
  • URL:https://iijapan.net/
  • お問い合わせ先:076-461-6786 FAX:076-413-2185
  • メールアドレス:

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