沖縄×IT×クリエイティブで地域活性化!特産品「もずく」で化粧品を開発、メディアで地域発信
沖縄の豊かな自然や特産品を生かし、ITの力で地域活性化を目指す株式会社ウルミーの代表取締役・知花 昌也(ちばな まさや)さん。幼少期からの「いつか自分の会社を持ちたい」という夢を実現するため、学生時代から現在にいたるまで、自身のITマーケティングの知識と経験を深化させ、化粧品開発やWebメディア運営といった多岐にわたる活動を展開しています。その軌跡と、沖縄への思いについて伺いました。
「いつか会社を作りたい」。中学生の頃からの夢をITの世界で叶える
ウルミー立ち上げまでの道のりを教えてください。
子どもの頃からITの世界に興味を持ち、ITに特化したコースがある地元沖縄の高校へ進学しました。さらに深く学ぶために、静岡の大学で情報工学を専攻することに。卒業後は東京の企業へ入社し、マーケティング部門で中小企業向けのマーケティング支援や、マーケティングソフトの販売、サイト運営などに取り組んでいました。次第にインターネット広告業界にも興味を持つようになり、もっと知見を広めるべく転職を決意しました。
幸運なことに、当時高校時代の同級生が東京の大手インターネット広告代理店で人事をしていて、個人的なつながりで紹介を受け、入社することができました。ちょうど東京にあった広告運用部隊を、沖縄のグループ会社に移管するタイミングだったんです。沖縄の土地勘や状況を知る人材が求められていたこともあり、沖縄へUターンしました。
スタート時は5~6人と小規模でしたが、わずか半年で30人規模に拡大するというスピード感のなかで、目の前の仕事をこなしながら多くを学べたと感謝しています。1年ほどそこで働くなかで「自分で何かを作り出したい」という思いが強くなり、2021年にWeb制作会社に転職。その会社は独立を歓迎する社風だったことも後押しとなり、そのままフリーランスとして活動をスタートしました。
独立当初は東京で営業活動を行いながら、プロジェクト単位で仕事を進めていました。次第に知り合いや仲間が増えてきたこともあり、そろそろ腰を据えてオリジナル商材を開発したいと考え、2023年10月にウルミーを設立しました。
いろいろなきっかけや縁が起業へとつながったとのことですが、独立したいという思いは昔からお持ちだったのでしょうか?
実は中学時代の文集に「会社を作りたい」と書くほど、幼い頃からいつか自分で会社を起こしたいと思っていました。曾祖父も祖父も父もそれぞれ異なる会社を作ってきた家系なので、遺伝なのかもしれませんね。
地元沖縄県うるま市の特産品「もずく」を使った化粧品を開発
会社設立後の事業内容は引き続きWebマーケティングや制作、広告運用が主軸になりますか?
それも行いつつ、「自社の商材を作りたい」という思いから起業したこともあり、オリジナル化粧品の製造と販売に力を入れています。
以前経験してきた事業とはまったくの別ジャンルだと感じますが、なぜ化粧品を作るようになったのでしょうか?
起業前に、健康食品や化粧品を扱うクライアントの案件を請け負うことが多々ありました。商品を世に広め、売り上げを伸ばすことが私の仕事でしたので、そのノウハウを自社商品にも生かせると思ったことがきっかけです。せっかく自社商品を作るのであれば、私の地元である沖縄県うるま市に貢献したいと、うるま市の特産品「もずく」を使った商品開発をスタートしました。
もずくとはユニークですね。
うるま市は日本でも有数のもずくの産地なんですよ。もずくには日焼けによる抗炎症作用があったり、アレルギー反応が少なかったりといった敏感肌の方向けの成分が含まれているので、それを生かした基礎化粧品を作りました。私自身初めての試みでしたので模索しながらでしたが、信頼できるOEM先に出会い、2024年のゴールデンウィークに完成させることができました。
その後のWebやSNSのマーケティングについては私の専門分野ですので、SNSプロモーションを展開しながら、イベントやポップアップストアなどオフラインの販促活動にも注力しました。
Webメディアを通して、沖縄の経済や起業家の魅力を発信
化粧品の事業以外にも、力を入れていることはありますか?
県内の経済・起業に特化したWebメディア「琉球ジャーナル」の運営です。以前は別の会社が運営していたものでしたが、ご縁があって譲渡していただきました。もともと、自社の美容商品や沖縄に関するメディアを作ろうかと検討していたタイミングで、長らく更新されていない状態でした。私含め何人かのスタッフで経営者への取材を進めるなどをして、再びコンテンツを動かすことにしました。
Webメディアを持ちたいと考えた背景を教えてください。
化粧品事業を始めたことに加え、マーケティング関連の仕事をもっと広げたいという思いがあり、自社商品やサービスをアピールする場がほしかったのです。新しくメディアを立ち上げることも考えましたが、琉球ジャーナルは2015年から運営されており、SEO(検索エンジン最適化)にも強いサイトが構築されていました。そのため、新規立ち上げよりも既存のメディアを利用した方が効率的だと判断しました。
また、沖縄の経済や起業家に関するメディアとしても検索上位だったので、沖縄の市場にもっと注目を集めるための手段の一つになれば、という思いもありました。
琉球ジャーナルを通して、沖縄を盛り上げようとされているのですね。
はい。そのためにも、コンテンツ制作だけでなく、琉球ジャーナルを軸とした事業展開にも取り組んでいます。その一つが求人関連です。琉球ジャーナルを見た方から掲載企業に問い合わせがあれば、それを転職支援会社につなげる形で収益化しています。
もう一つの展開が、県外企業向けの事業提案です。例えば、沖縄進出を希望する企業が、現地企業とのコラボや企業買収を希望する場合に仲介を行うことで収益を得ています。最近は事業譲渡やM&A(企業の合併・買収)の需要が高まっており、少しずつお問い合わせが増えてきています。
今までどのようなお問い合わせがありましたか?
例えば、「沖縄に宿泊施設を作りたい」という県外企業からのお問い合わせがありました。
取材した県外企業からは、「記事を通じて商品やサービスを沖縄に売り込みやすくなり、沖縄進出のきっかけになった」という声もいただいています。
ITの力で沖縄のポテンシャルを生かし、世に伝える
もずくの化粧品開発もメディア運営も「沖縄のために何かしたい」という思いゆえの事業だと感じました。
そうですね。私は生まれも育ちも沖縄ですが、県外にも長く住んでいたことがあります。そこで感じたことが、沖縄にはポテンシャルがたくさんあるにもかかわらず、それを生かせる人材や機会が少ないということです。その可能性を生かす突破口として、ITが重要だと思っています。ITは地域格差を埋めやすく、沖縄の最低賃金に縛られない働き方も可能なはずです。
琉球ジャーナルを通じて県外からのお問い合わせが多いということは、それだけ注目を集めているという証拠です。だからこそ、沖縄のさまざまな魅力をITとクリエイティブの力で発信し、県外や国外に届けていきたいですね。
ほかにも、今後取り組んでいきたいことはありますか?
まずは現行のもずく商品をさらに広めながら、新商品もどんどん作っていきたいですね。実は今新しい化粧品を準備中なんです。また商品開発と並行して、沖縄で人気のインフルエンサーとコラボし、県外や海外に沖縄の魅力を発信するマーケティング活動も進めたいと考えています。
最後に、どのような方と一緒に働きたいと思いますか?
「沖縄を盛り上げたい」という志だけでなく、「稼ぎたい」という意欲が強い方がいいですね。高い目標を継続するためには「稼ぐ」という具体要素が欠かせません。稼ぐことで成果を感じられれば、モチベーションを保ちながら長く頑張れる。そういった「ガツガツ稼ぎたい」という欲望と高い志を持ち合わせた人に、ぜひ参画していただきたいです。
取材日:2024年12月27日 ライター:仲濱 淳
株式会社ウルミー
- 代表者名:知花 昌也
- 設立年月:2023年10月
- 資本金:100万円
- 事業内容:広告運用、DX支援、Webコンサル、メディア運営、通販事業
- 所在地:〒904-2243 沖縄県うるま市宮里270-4
- URL:https://urumee.net/
- お問い合わせ先:https://urumee.net/#contact