「人と人のつながり」でビジネス、そして人生を共創する。人財とITの力で価値ある未来へ
サッカーで培ったチームプレイが仕事のモチーフに
会社立ち上げまでのキャリアを教えてください。
大学卒業後は、塩野義製薬株式会社にMR(医薬情報担当者)として入社し、その後NTTコミュニケーションズグループのNTT Comマーケティングに転職しました。会社員として働くうちに、「自分の人生やキャリアをもっと良くするために、独立をして、自らが働きたいメンバーを採用しながら、チームの強みを最大限に生かすという人生や働き方を形にしていきたい」と考えるようになりました。“チームで協力して目標を達成する”という、スポーツを通じて培った経験が、自分の自己表現や自己実現につながっていると実感し、独立を決意しました。もしサッカーをしていなかったら、まったく異なるキャリアや価値観をもっていたかもしれません。
大阪流商いの洗礼を受ける
関東地方のご出身ですが、大阪市を拠点として創業した理由は?
最初に就職した製薬会社の配属地が大阪になったことが大きな理由です。営業所は南河内や堺を担当する拠点だったので、関西のビジネス文化にどっぷりつかることになりました。その後、NTT Comマーケティングに転職し、大阪の堂島で働くようになりました。ビジネスの中心地に近い環境にいたことで、人とのつながりが広がり、独立のきっかけにもなりました。
大阪という地のメリットとはどのようなものですか?
東京の情報をキャッチできていれば、少し遅れて大阪にも流れてくるため、戦略的に動くことができます。ビジネスの感覚としては、東京のトレンドを把握しつつ、大阪ならではの「合理的で、サービス精神旺盛で、価格交渉に強い」商売の仕方を取り入れられるのが、大阪という地のメリットだと感じています。大阪は価格交渉の文化が根付いており、ビジネスにおいても即決が求められます。商売のテンポが速く、コミュニケーションがオープンで直球な土地柄を意識しながら、商売をしています。
領域は違えど人あってこその多角経営

現在メインとされている事業内容およびそこから発展させている事業内容は?
現在、弊社では三つの事業領域を展開しています。一つ目は人財事業として、有料職業紹介、アウトソーシング、ITスクール、SES(システムエンジニアリングサービス)などをしています。二つ目はIT事業として、HP・ECサイト制作、業務効率化支援を行っていて、三つ目がスポーツ事業としてスポーツイベントの企画・運営なども行っています。特に人財事業とIT事業の組み合わせは優先順位が高く、エンジニアの技術力を企業に提供するSESを今後さらに伸ばしていきたいと考えています。
海外進出などは考えておられますか?
アフリカの人口増加や、アジア圏の急速なIT普及を考えると、今後人財やIT分野で貢献できることは多いと思います。ただ、具体的な進出計画はまだ模索中ですが、特にアジアやアフリカなど、今後成長が見込まれる地域に可能性を感じています。
コロナ禍が生んだ新たな社内の仕組みとは?途上国支援で育まれた価値観
コロナ禍を経て、若い世代の働き方に対する意識は変わったと感じますか?
コロナ禍を経験した若者は、つながりを求める気持ちが非常に強くなったと感じます。弊社のスポーツ事業のインターンシップに参加した学生たちからも、「コロナで横のつながりがなくなり、一人で勉強するのがつまらなかった。だからこそ、みんなで何かを作りたい」といった声を多く聞きました。こうした背景から、弊社のスポーツ事業では特に「各プロジェクトやイベントごとにメンバーを集め、チームを組んで、目標に向かう仕組み」を導入し、若者が部活のような感覚で、成長し続けられる環境を提供することを意識しています。
カンボジアでの支援活動についてお聞かせください。
10代の頃に、アジア中心の子どもたちに「あなたの夢は何ですか?」と問いかけ、カンボジアでの支援活動を続ける女性経営者に出会いました。
日本では、「将来の夢をもっている子どもたちが少ない」と言われている中、カンボジアの子どもたちは生活環境が厳しくても、目を輝かせて夢を語る。その話に強く心を打たれました。カンボジアの子どもたちとの出会いとその方のご縁がきっかけとなり、23年にカンボジアの子どもたちの支援を行う認定特定非営利活動法人グローブジャングルに寄付を行いました。
支援活動を通じて得たものは、単なる「援助する側とされる側」という関係ではなく、「ともに育む」「ともに幸せになる」という価値観です。活動に関わる中で、逆に私自身が多くの学びや気づきを得ました。
この経験を生かし、事業としても展開できる可能性を模索し始めたことで、カンボジアでスポーツフェスを開催するようになりました。具体的には、カンボジアの学校と連携し、弊社のスポーツ事業とコラボレーションしてスポーツ大会と音楽フェスを開催するプロジェクトです。「教育」「スポーツ」「コミュニティー」を通じて、持続可能な支援の形を作り、子どもたちの未来に貢献していきたいと考えています。
私たちがビジネスを通じて実現したいのは、ただの経済的成功ではなく、人と人とのつながりが生み出す価値です。さまざまな事業を通じて、「共創(Co-Creation)」の理念をさらに深め、事業の一環として継続的に関わっていきたいと考えています。
現代に必要なのは“ご縁の連鎖”。つながりの輪を広げ、人生も豊かに

御社の一番の強みやアピールされる点についてお聞かせください。
弊社の強みは、人と人のつながりを大切にし、それをビジネスに生かしていることです。たとえば、海外のある地域では、地域に住む人同士が支え合う文化が根付いている国がありますが、日本ではそうした関係が希薄になりつつあると感じています。
そんな時代だからこそ、働く場においても、人と人がつながり、お互いを支え合える、家族のような環境を作ることが重要だと考えています。
特に、周囲から「あなたと一緒にいたい」「あなたと仕事をしたい」「あなたにお仕事をお願いしたい」と思ってもらえる魅力をもつ会社であることを、大切にしています。そして、チームの魅力が増すほど、信頼関係を築きながら、ビジネスが広がる。
単なる利益追求ではなく、「一緒に成長し、社会に貢献する」ことを軸にし、その結果として、働くメンバーや関わる方々の幸福度を高めることを目指しています。それが会社の理念であり、私のライフワークでもあります。
廣木さんが大切にされている価値観とは?
やはり「ご縁」ですね。現在の弊社オフィスも、もともとはコワーキングスペースとして使われていた場所でしたが、コロナ禍で、閉鎖の危機にあったときにオーナーと話し合い、引き継ぐことができました。その結果、人との交流が生まれ、新たなビジネスチャンスやつながりが広がっています。人生もビジネスも、人と人のつながりの中で生まれるもの。だからこそ、私たちは「共創(Co-Creation)」を大切にし、関わるすべての人と一緒に価値を生み出していきたいと考えています。
取材日:2025年2月6日 ライター:椛澤 弘之
・代表取締役社長: 廣木 雄一郎
・所在地:〒550-0002 大阪府大阪市西区江戸堀1-19-23 長崎ビル206
・資本金:420万円
・設立年月日:2019年5月20日
・事業内容:有料職業紹介事業(許可番号 27-ユ-304720)/ ITエンジニアの育成/システムエンジニアリングサービス/ ITスクールの運営/ WEB受託開発/ ITツール導入支援/ 各種スポーツイベントの企画及び運営
・お問い合わせ先:https://kohki-official-site.com/