グラフィック2015.07.01

広報戦略の立案から、制作物を超えて クライアントをサポートしていきたい

名古屋
株式会社 広瀬企画 代表取締役 広瀬 達也氏

メーカーや学校、医療機関、百貨店、ファッションイベントなど大規模な案件から、個人事業主をはじめとした小規模の案件、県や市町村を対象に地域の活性化を目的とした案件など、多様なプロモーションを行う「株式会社 広瀬企画」。現在10名のスタッフが在籍し、広報戦略の立案から、広告物の企画・制作、ときには商品開発までを行っています。代表の広瀬達也さんは、MBAの資格を持つ異色のクリエイティブ・ディレクター。宣伝会議が主催する「コピーライター養成講座」の体験講座で講師も務めています。そんな広瀬さんに独立してからこれまでのお話と今後を伺いました。

制作物だけでは目的が果たせないジレンマを解決したかった

広瀬さんがコピーライターを目指したきっかけは?

「コピーライターになりたい」と思ったのは、大学3年生の時。言葉ひとつで商品にイメージがついて、それで“売れる”ということが面白いと思ったんです。 学生時代に、どうやってコピーライターになるのかがわからず、宣伝会議のコピーライター講座に通いました。 その時、完全にコピーの面白さにハマりました。コピーライターの仕事に就きたいと思いましたが、ちょうど就職氷河期といわれた時代で。未経験では、コピーライターとしては、なかなか雇ってもらえない状況でした。それでも、自分でいろいろ動いてみた結果、運良く集客や採用を中心に扱う広告代理店に入社できました。そこで、大学4年生の時に契約社員として働き始めてしまったんです。

大学生のうちに就職されたのですね。そこでは、どんなことをされていたのですか?

その会社ではデザインもコピーも全てやっていました。未経験なので本当に大変でしたが面白かったです。しかし、デザインをするのに時間かかりすぎてしまい、コピーを考える時間がとれないことがもどかしくなりました。もっとコピーを書きたいと思って、友人に相談した所、コピーライターばかりの制作会社を紹介してくれて。その会社で5年働きました。コピーだけに専念できるのですごく楽しかったですね。主に大学など教育機関の仕事が多く、年間200人以上の取材を行いました。

その時に、大学院でMBAの資格をとったんですよね。なぜ経営の勉強もしようと思ったんですか?

仕事でクライアントと打ち合わせをしていくうちに、どんどん経営の話や今後の事業の話になっていくことが多くなってきて。その時に、制作物を超えて、売上げアップや、会社にどういう人材が必要かを考える採用など、本質的な経営課題解決のサポートまでできるようになりたいと思いました。また当時学生の取材を通して、前向きに学ぼうという彼らの姿勢に触発されました。それで、自分も何か学びたいと思うようになったのですが、当時の会社を定時退社しても学校の授業に間に合わないことがわかり、悩んだ結果、学校に行くことを選択しまして。それで会社をやめて、独立しながら大学院に通うことにしました。。

個性を尊重することが組織を強くするカギ

開業して初めての社員旅行で行った日間賀島

開業して初めての社員旅行で行った日間賀島

その後はフリーで活動されていたのですか?

最初はフリーランスとして活動していましたが、絶対に人を入れて組織を作ろうと決めていました。 理由はみんなで一つのものを作るほうが楽しいから、また、自分のように広告業界を目指す人の夢を、一人でも多く叶えたかったからです。

独立4ヶ月目で社員を雇いました。しかし、その後3年間で10人ほど辞めるという、スタッフが全く定着しない時期を経験することになります。僕にとっては暗黒の時代。うまくいかなかった理由は、自分の分身を作ろうとしていたからだと思います。よく考えれば、考え方も人生経験も自分とはそれぞれ違って当たり前。分身なんて作れるわけがないのに求めてしまっていた時は、苦しかったですね。しかし、ある時「それぞれの個性を尊重すること」が大事だと気が付きました。そのことに気付いて、スタッフの持っている考え方や好きなこと、強みを伸ばしていくようにアプローチしたら、スタッフが定着するようになりました。それ以降、「会社が嫌」といった理由では誰も退職していないですね。結婚して長期の新婚旅行を理由に退職したのですが、帰国後に復帰してくれたスタッフもいて、とてもうれしかったです。

仕事にいい影響はありましたか?

はい。「個性を尊重する」という考えになってから、すぐに知り合いだったデザイナーを誘い、スタッフの職種を増やしました。チームを組んで仕事をする楽しさが味わえると、自然と仕事の内容がスケールアップするようになりましたね。大学院に行った時のように、「経営課題からのサポート」ができるような仕事にも恵まれるようになったんです。

そして3年前に雑誌編集者である妻が入社したことで、「情報発信」という軸が加わりました。ファッションショーや流通など、女性スタッフが魅力に思ってくれる仕事が増えて、みんなが楽しく仕事できるようになってきていると思います。そして、年齢も経験も先輩のクリエイティブ・ディレクターが入社してくれたことで、一気に会社が組織になりました。

今は一人ひとりが周囲のメンバーや会社のことを考え、働き心地の改善や社内勉強会の立ち上げなど、みんなが自主的に様々な動きをしてくれるようになりました。安心して任せられるスタッフに囲まれて、幸せと感謝の気持ちでいっぱいです。 先日は日帰りですが、初めての社員旅行に行きました。独立して7年目の社員旅行は、感慨深いものがありました。

市町村の仕事をたくさん手がけられていますが。

ご縁で愛知県や長崎県の案件に関わるようになって、そこから地域活性化に取り組む機会が増えました。観光面を強化する内容が多いのですが、広告の発想を通して地域のために役立ちたいという気持ちも強くなっています。

自分の好きなことなら熱が入る! 好きなことがある人と働きたい

会社の名付け親でもある尊敬する友人から開業時にもらった招き猫

会社の名付け親でもある尊敬する友人から開業時にもらった招き猫

今後、どんなことをやっていきたいですか?

一つは、クライアントの成長・成功を支えるパートナーとして共に考え、共に成長しながら、喜びを共有すること。そしてもう一つは、自分たちの目線から、世の中に向けた情報発信をしたいと思っています。

どんなスタッフと働いてみたいですか?

自分の好きなことを持っている人と一緒に働きたいですね。それぞれの得意分野があって、その人にフィットした仕事を、その人が中心になりながら、みんなで一緒にやっていくようなスタイルができるのが理想。スタッフが楽しみながらできる仕事は、当然制作物にも熱が入って、いいものができると思うんです。自分がつくるもので人を喜ばせたいというホスピタリティ精神があって、人のために全力で走れるような情熱がある方は、ピタッとこの仕事はハマると思います。

取材日:2015年6月23日

企業名 株式会社 広瀬企画

  • 代表者名:代表取締役 広瀬 達也(ひろせ たつや)
  • 設立年月日:2013年3月4日
  • 事業内容:広報戦略の立案、広告物の企画・制作
  • 所在地:〒〒460-0007 名古屋市中区新栄2-1-9 雲竜フレックスビル西館9階
  • TEL:052-265-7860
  • FAX:052-265-7861
  • URL:http://www.hirose-kikaku.co.jp/
続きを読む
TOP