目指すのはスタッフのライフスタイルとスキルの向上 “ライフスタイル向上委員会”を設立
- 名古屋
- Sropelabo(スロープラボ) 代表 岡田 祐氏
どうせゼロなら独立を 友人に後押しされてのスタート
事業内容について教えてください。
商業店舗の設計デザインと、広告宣伝に携わる印刷物やWebのデザインを手掛けております。 設計デザインのクライアント様は飲食店、美容院などが多いですね。印刷物は企業パンフレットや販促物などを中心に作らせていただいております。
特徴や強みなどは?
どちらかというとインパクトがあるものが多いです。弊社は印刷も手掛けていますので、その強みを内装に生かしています。たとえば、壁にグラフィカルなデザインを入れたりするなど、既成では出せないオリジナリティを得意としています。
設立された経緯を教えていただけますか?
もともと同じような業態のデザイン事務所で勤務をしていたのですが、 その会社で辞める前の1年間、給料をもらえていなかったんです。要はゼロ。これ以下になることはないかということで、思い切って独立してゼロからスタートしました。友人とドライブしている最中にそうした話をして、背中を押されましたね。
名古屋へ移転された目的を教えてください。
店舗設計をベースに考えると、豊田市では絶対的な量が決まっているのでクライアントの取り合いになってしまう可能性も高いです。弊社は今年の9月に5年目を迎えるのですが、設立1年目から名古屋への営業は積極的に行っていました。もともと名古屋で仕事を増やそうと思っていたんです。打ち合わせで名古屋にいる時間も多くなり、スタッフとのコミュニケーションが取れなくなってしまったんです。その問題はすごく大きくて、お互いの信頼関係を築くことに支障が出てきてしまいました。そうしたこともありまして、名古屋に事務所を移しました。
実際、移転されていかがですか?
スタッフとの時間が増えて、安心して気持ちがよく仕事ができます。ワークスタイルがいい方向へと変わりましたね。
委員会を発足し、 社員のライフスタイルを向上
デザインは学生時代に学ばれたのですか?
子どもの頃から絵を描くのが好きでしたね。高校からデザイン科に入りまして、大学も芸大に進みました。大学時代に学んだことが実を結んだということもあると思うんですが、やはり社会人になってから学ぶことの方が多いです。実務経験に勝るものはありませんね。
好きな分野のことを仕事として続ける難しさは?
私の場合は、頭の中で「好き」と「デザイン」とが切り替わっていますね。デザインは、目的を持ったものしかやらない。自分のためではなく、お客様の売り上げのため。エゴは入れず、手段を達成するためのものです。先ほども少し触れましたが、店舗とグラフィックとWebをワンストップで提供することができる。デザインの角度からコンサルティングを行ない、それによりお客様の商売が繁盛する仕事がしたいです。1店でも多くの繁盛店が増えることが目標です。
社内ではどのように業務分担されていますか?
設計部と広告宣伝部がそれぞれありまして、その連携を大切にしていま す。それぞれの業務内容や流れを把握することで、よりスムーズな仕事に繋がり 対話が出来る事でより良いモノづくりに繋がっていきます。
連携するために工夫されていることはありますか?
私自身、人材教育の勉強に力をいれています。社内研修なども増やしていく予定です。その研修も、会社のためではなく、個々のスキルが上がるようなことをと考えています。それは仕事の技術だけではないと思います。
たとえば?
デザイン業界は長時間労働や低賃金といったイメージがあるかと思います。特に弊社は家族のいるスタッフもおりますので、長時間労働で家族との関係が悪くなってはいけない。そこで、“ライフスタイル向上委員会”というものを発動していこうと思います。
どんな委員会ですか?
ひとりのライフスタイルが変わることで、他のスタッフのライフスタイルにも影響し、よりよい会社作りに繋がるのではと思います。そこで、子どもがいるスタッフをリーダーに任命しました。彼自身が父親としてこうありたい、こういうことしていきたいということをみんなで話し合い、実現していきます。押し付けるのではなく、少しずつ自ら実践していく。何かをしたことで変わることを、みんなでシェアしていこうというものです。
ロープのような強い繋がりを持ち続けたい
「Sropelabo(スロープラボ)」という社名の由来を教えてください。
創業時、友人に助けられたので、人との繋がりや縁を重要視しています。社名にもそうした意味を含めたいと思っていました。結びつきを作るものってなんだろう? 紐では細い、じゃあ「ロープ」だ、と「ロープ」が出てきたんですね。ユニバーサルデザインの代表的なものとして「スロープ」ってありますよね。その「スロープ」とかけて、ユニバーサルデザインを研究する会社、繋がりを大切にする会社ということで「Sropelabo」となりました。なので「slope」でなく「srope」なんです。
人との出会いを大切されているとのことですが、どういった人材を望まれますか?
和気あいあいと楽しいことを考える職場ですので、明るい方が来ていただければ(笑)。未経験でも、やる気があって、対話することが好きな方であれば問題ありません。
今後の展望を教えてください。
飲食店の設計を増やしていきたいです。「お父さんが作ったご飯屋さんなんだよ」と子どもが自慢できるように、みんなが行ける店を手掛けていきたいですね。 あとは、長時間勤務・低賃金の問題を乗り越え、デザイン業界の当たり前を当たり前じゃないと思える会社作りを目指しています。
クリエイターを目指す方へアドバイスをお願いします。
何事もやり続けることで結果が出ますし、その結果が伴ってくれば、夢は叶えることができると思います。まずは実践すること、ビジョンをしっかり見据えていくことが重要だと思います。
取材日: 2015年8月21日
Sropelabo(スロープラボ)
- 代表者名:岡田 祐(おかだ ゆう)
- 設立年月:2010年9月
- 事業内容:店舗設計デザイン、印刷物デザイン、Webデザイン
- 所 在 地:〒461-0001 愛知県名古屋市東区泉1丁目3-41 ネットプラザ泉ビル6F
- facebook:https://www.facebook.com/Sropelabo
- お問い合わせ先 : 052-684-8570