郊外のレストラン経営で 地域との”つながり”を感じる喜び
- 仙台
- 株式会社エアライズ 代表取締役 丹野 真志氏
バーテンダーからシェアカフェのオーナーへ転身
起業されたきっかけを教えていただけますか。
はい。25歳のときに仙台の繁華街である国分町で6坪のバーを始めました。バーテンダーとして自分の店を切り盛りしていましたが、シェアカフェの構想が膨らみ、2年後には最初の店を畳んで新たな場所に倍の広さの店舗を借り、シェアカフェを開業しました。それがエアライズの始まりです。
シェアカフェとはどんな業態なのでしょうか。
会場貸しをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。店内の備品を自由に使っていただけるスペースで、一日限定のチャレンジショップとしてレストランをオープンしたり、もう少しシンプルにセルフサービスの飲み会会場として使っていただくことも出来ます。使い方は多様です。シェフや料理人を目指してお店を持ちたいという人や別の地域ですでにお店を営業されている方が既存のお客さまを呼んで、一時的にお店をオープンさせるなど、目的に合わせて使い方はいろいろです。
なるほど。面白い業態ですね。 どのような料金システムだったんですか?
売り上げの何%かをマージン制にするのが一般的だと思いますが、それでは借り手が面白くないんですよね。私が借り手だったらできれば売り上げは報告したくないものだと思うので…。売上げが上がれば上がるほど、貸し手への支払額も大きくなるわけですからね。借り手としてはあまり魅力的ではないものです。ですから、貸し料金というのは、1時間2,000円の固定料金でした。売り上げがどれだけ立っても賃料は一定ですから、お得に感じていただいていたと思いますよ。
拠点を街中から郊外へ 食と飲食ノウハウを提供
シェアカフェは現在も継続されているのでしょうか。
いえ、シェアカフェは2013年に閉店しました。それまでに繁華街でのビジネスを7、8年続けていましたので、今度は郊外で食をメインとした業種にチャレンジすることを考えました。縁があって今の物件に出会うことができたので、13年に郊外の南仙台にカジュアルフレンチのレストランをオープンしました。
繁華街と郊外では、ノウハウが全く違うと思いますが。
ええ、全く違いますね。繁華街のお店に駐車場はいりませんし、オーダーの中心はお酒です。郊外の場合は、お酒ではなく食事中心のオーダーが多くなります。お店の広さも間取りも全く違います。
内装デザインは丹野さんがご自身でされているのですね?
そうです。お店のイメージやお客さんの動線などを考えて、間取りも含めてどんな内装にするかは私が決めています。デザインができたら、懇意の施工業者さんに依頼しています。また、これまで飲食業界に関わってきたノウハウは、新店を開業する方々に提供させていただいています。
それが開業のプロデュースやプランニングですね。
ええ。開業する際に必要な店舗の内装デザインから販促物の作成など、プロデュース業もさせていただいています。レストランの経営という飲食業と店舗プロデュース業を行っています。
郊外でレストランを開業してから感じた 街中では得られなかった“つながり"
飲食業界でノウハウを積んだ御社のこれからの目標を聞かせてください。
9月からお弁当ビジネスを展開することにしています。レストランの横の建物をセンターキッチンとして活用し、経営するレストランのシェフが作った料理をお弁当として配達することにしました。
それは楽しみですね。 他にも何か考えていらっしゃることはあるんですか。
そうですね。これは数年後の目標になりますが、関東での飲食ビジネスも考えています。どことは言えませんが、リサーチを始めていますので機会があればぜひチャレンジしたいと思っています。ただ、郊外でレストランを開業してから街中では得られなかった“つながり"を感じています。地域のお客様が私たちのレストランを生活の中に取り入れてくださっていることや、地域の拠点としてレストランを使ってくださっていることはとても有り難いことだと思っています。これからも人間同士の“つながり"というものを大事に、ビジネスを展開していきたいと思っています。
取材日:2015年7月23日
株式会社エアライズ
- 代表者名:代表取締役 丹野 真志(たんの しんじ)
- 事業内容:店舗総合支援事業〈店舗総合開業プロデュース及びプランニング〉 販売促進事業〈販促物(WEBサイト・印刷物など)制作、各種イベント企画・運営〉 飲食事業〈Buffet & Restaurant Le roi du Vent ルロア ヴァン〉
- 所在地:〒981-1106 宮城県仙台市太白区柳生7丁目7-1
- TEL:022-281-8852
- FAX:022-281-8852
- URL:http://air-rise.jp