すべてのはじまりは “アイデア”から 自作キャラクターが結んだ 大手企業とのつながり
- 仙台
- 株式会社 ディヴァージュ 代表取締役 高橋直土氏
2.5次元アイドル「大森杏子」誕生秘話 きっかけは“営業マン"探しから
まずは、起業までの道のりを教えてください。
僕はもともとグラフィックデザインの会社で、ウェブデザイナーとして勤めておりました。デザイン制作よりもアイデアを生み出すことが好きだったのですが、普通の制作会社では一社員がアイデアを作品や商品として発表することは、ハードルが高いのが現実でした。そんな日々を過ごす中でいろんなタイミングが重なり、当時勤めていた企業を円満退職し、2012年11月にアイデア(企画)をメインとした「株式会社ディヴァ―ジュ」を立ち上げました。
話題のサービス「超アイドル伝説 大森杏子」誕生のきっかけは?
起業して1年半くらいは、会社を運営する上で資金繰りなどいろんな苦労をしました。仕事を取ってきてくれる“会社の営業マン"が欲しくて色々調べた時に、萌えキャラマーケットの需要がとても大きいことに気付きました。それが「超アイドル伝説 大森杏子」誕生のきっかけです。設定としては、様々な企業様とのコラボレーションを通して成長していくアイドル。それが「大森杏子」です。
高橋さんはアニメ制作などの勉強をされていたのですか?
それがまったく。僕は決してアニメについて専門的に勉強した経験がある訳ではなく、強いて言うなら、昔からアニメやキャラクターが好きだったくらいですね。もしかすると、だからこそ一歩引いた第三者目線でキャラクターを見られる観点が備わっているのかもしれません。あとは、分析力だけは自信があって「大森杏子」を生み出す上でも、ターゲット設定やコンセプト、プロフィール、ネーミング、ビジュアルまでかなり細かく研究し、試行錯誤を重ねました。 せっかくアイデアをメインにした会社を立ち上げた訳ですから、あえて知らない世界に飛び込んで力を試したいと思った部分もあります。
可愛い“営業マン"の入社後、会社の運営はいかがでしたか?
おかげさまで“営業マン"の大活躍があり、業績は追い風に乗りました。2014年4月に「大森杏子」のコンテンツを発表させていただきましたが、発表後、数日で各メディアに取り上げていただき安心したのを覚えております。各業界に公式企業Twitterの擬人化や家電少女※1、仙台であれば『EBeanS(イービーンズ)※2』様のサブカル色が強くなったことも追い風になっていますね。正直なところ、その反響の大きさに僕自身も驚いております。1年半くらい経ちましたが、今現在もたくさんの企業様からコラボ依頼をいただいており、本当にうれしい限りです。
※1 家電を美少女に擬人化させて、成長させながら攻略するRPGゲーム。 ※2 仙台駅前にある商業施設。
続々決まる大手企業とのコラボレーション アイデア1つで生まれる新しい商品
「大森杏子」のサービスを運営していくなかで、プラスになった経験はありますか?
先ほども述べた通り、当社も僕自身もまったく知らない萌えキャラクターの世界へ飛び込みました。すべて初めてのことで、キャラクターの設定、イベントの企画、声優さんのキャスティングなど、毎日が勉強の連続でしたが、これまで出会えなかった企業様とお仕事をできるようになったのがプラスですね。東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)様や株式会社タカラトミー様、株式会社浅田飴様や株式会社ビックカメラ様をはじめ、たくさんの素晴らしい企業様とコラボレーションさせていただいたことが、かけがえのない経験と財産ですね。
「大森杏子」について、今後の展開を聞かせていただけますか?
「大森杏子」と企業様のコラボレーションは、まだまだ続けていきたいと考えております。これまでも大手企業様とのコラボレーションをたくさん進めてまいりましたが、今後は企業様同士を結び付けることも積極的に挑戦していきたいですね。アイデアを1つプラスするだけで、想像を超えるコラボレーションや商品化が実現できることがあるんですよ。 実現した1つの事例として、「公式企業ボイス化計画」があります。「ボイスの募集告知」×「公式企業Twitter」は、一見結び付かないように思えますが「一緒に録音」という1つのアイデアを入れるだけで「公式企業ボイス化計画」に変身しました。 予算もほとんどかけず、各メディアに取り上げていただき、アイデア1つで話題を作ることができました。「大森杏子」公式ホームページから、どなたでも気軽にご覧いただけますので、ぜひ一度目を通していただけると幸いです。それから、まだまだ発表していない企業コラボレーションもたくさんあります。10月上旬には、大手新聞社様と大々的な企画も予定しておりますので、楽しみにしていてください。
次は地元企業とのコラボレーション 目標は「大森杏子」×仙台×東京の企業とのトリプルタッグ!
軌道に乗った現在、会社として力を入れている事業は?
大森杏子と企業様のコラボレーションはもちろん、企業様・団体様のキャラクター制作やイベント参加、声優のキャスティングなどに力を入れております。中にはキャラクター制作に興味があっても「作ったあとに、どう運営すればいいの?」「声優を使いたいけど、どこに頼めばいいの?」「公式企業のTwitterが拡散されないし、運営方法がわからない」「話題性の作り方がわからない」など、様々な悩みを抱えいらっしゃる方が多いと思います。実際問題、ご自身だけで考えるのは、なかなか難しいですよね。当社では現在、様々な企業様・団体様に対して、そういった企画・運営のサポートをしておりますので、少しでも興味がある、気になるという場合は、ぜひ気軽に声をかけていただきたいです。
今後の展望についてお聞かせください。
「大森杏子」と地元の企業様のコラボレーションを実現していきたいです。もともと「超アイドル伝説 大森杏子」は東京の秋葉原から発信させていただいたので、現在も東京の企業様とのコラボレーションが大半です。ただやはり、僕も地元・仙台をはじめ、宮城、そして東北の企業様とのつながりを増やして、東北の企業様の発展に一役買えるようになりたいです。まずは仙台の企業様とタッグを組み、東京の大手企業様を結び付け、トリプルタッグを実現させるのが目標です。ゆくゆくは、仙台、そして東北の商品を全国へ発信していけたらうれしいです。
最後に、高橋さんが大切にしていることを教えていただけますか?
挑戦してみること、そして、ビジョンを持って活動することですね。僕自身、昔は人と話すことが苦手で引っ込み思案な性格でした。でも、発信してみることで変わったんです。無理だと自分で決めつけないで、やってみたいことは発信して、一緒に仕事をしたい相手には声をかけてみる。そうすることで新しい扉が開きます。こうやって出会えた企業様とのご縁を大切に「面白いこと」「話題性があること」を一緒に考えながら、企業様にとってカスタマーにとって“楽しい"をポイントにやっていきたいですね。当社はアイデア重視でフットワークが軽いのが強みなので、これからも企業・団体単位で動くのが難しい部分に当社が入ることで、運営のお手伝いができればと思っております。
取材日:2015年9月17日
株式会社ディヴァージュ(DIVERGE INC.)
- 代表者名: 高橋 直土
- 設立年月: 2012年11月20日
- 事業内容: キャラクターの企画・制作・運営、グッズの企画・制作、声優のキャスティング・収録・イベントの企画・運営、 SNSのサポート事業、ホームページの企画・制作・運営、インターネット事業全般
- 所在地: 〒984-0015 宮城県仙台市若林区卸町二丁目15番地の2 卸町会館5階 #27
- TEL/FAX: 022-349-9636
- URL: http://www.diverge.co.jp/