名前を聞けば誰もが分かるサービスを作って生まれ育った北海道に貢献したい!
- 札幌
- 株式会社READO 代表取締役 中村大介 氏
25歳でハマったネットゲームでパソコンの奥深さを知る
会社設立以前の、中村さんの経歴・職歴を教えてください。
高校の頃は、ホテルマンを目指していて、卒業後は、観光の専門学校への進学が決定していました。ところが、ホテルのウエイターのアルバイトをした時に、思い描いていたイメージとのギャップから、「自分はホテルマンには向いてない」と実感し、専門学校での2年間を無駄に過ごしてしまったんです。親にも無駄にお金を出させてしまったわけですから、申し訳ないことをしましたよね。ただ、専門学校でかかった分の学費は、その後、働いてきちんと返金しました。
専門学校卒業後に、この世界へ?
いえいえ(笑)。21〜23歳の頃は、いわゆるフリーターでアルバイトを転々としていました。ショップやカラオケ・漫画喫茶の店員など、いろんなことをしました。もともと運転が好きだったので、その後、トラックの運転手を7年ほど続けました。
昔からパソコンには興味があったのですか?
フリーターをしていた頃は、webはおろかパソコン自体がそれほど世の中に出回ってなかったので、それを仕事にしようなんて全く思っていませんでした。 25〜26歳の頃に付き合っていた彼女がパソコンを持っていて、それを借りてネットゲームをしたところ、見事にハマってしまったんです。今思うと、その時に、パソコンの奥深さに惹かれたんだと思います。月に5〜10万円ものお金を注ぎ込んでいました。ゲームを通じて知り合った人達の50人規模のサークルを作って、毎週のようにイベントを立ち上げていました。それがきっかけで、自分はいつかプレイヤーではなく、ゲームを作る側に回るという、ざっくりとした夢を抱くようになったんです。
現在の仕事との出会いは?
トラックの運転手をしていた29歳の誕生日に、ふと、先の人生を考えて「変わりたい!」と思い立ち、ラジオで知った札幌市とある人材紹介会社が共同で北海道のIT業界を盛り上げようという企画に参加しました。限定20名に無料でセミナーを行うというのを聞いて、これだと思い、その日のうちに仕事を辞めて、そこに応募し、3カ月間みっちりとwebの勉強をしました。
現在の世界に飛び込んで、最初の仕事は?
30歳でLANを構築する会社に就職しました。トラックに乗っていた時に比べると、就業時間は長いし、給料も半分以下になりましたが、本当にやりたかった仕事で、自由に権限も与えられていたので、とにかく楽しくて仕方なかったですね。 その後、生キャラメルで有名な花畑牧場に就職し、企業サイトやECサイトの運用全般を担当していました。当時、花畑牧場は生キャラメルの人気が絶頂の時でしたので、楽天のHPでの商品の販売管理もしていました。 その後、2008年に、札幌にラボを立ち上げたリアルワールドに入社しました。そして、2013年に、札幌ラボの分社化に伴い、リアルワールドの100%子会社としてREADOを設立しました。
親会社に依存しない独自の事業で、新たな顧客を発掘
READOの業務内容を教えてください。
今は、東京にある企業15社とお取引をしていますが、すべてのクライアントが自社メディアを持っています。そのメディアの中に、私たちREADOが作ったゲームを導入して、広告の表示に応じて課金するというシステムを採用し、マネタイズしてレベニューシェア※するというビジネスモデルです。その中で私たちの役割は、自分たちが作ったゲームと仕入れた広告を、一緒にメディアに提供することです。それが今の売上の8割以上を占めています。
※共同事業などにおける収益の分配方式の一つ。売上や収入を予め取り決めた比率に従って分配する方式のこと。
札幌では、あまり例のないビジネスモデルですよね?
そうですね。これは、親会社のリアルワールドに依存しない我々独自の事業です。企画・開発・運用のすべてを自社で行い、クライアントに満足していただけるものを提供しています。例えば、テレビ番組内の1コーナーを広告主と一緒に作っているというイメージでしょうか。要は会社の売上を上げるためのマネタイズ支援です。これらの仕組みやノウハウを商品として売っていきたいと思っています。
企業側は、ラクして稼げると?
はい。クライアントは、自社のメディアにバナーを貼って、そのコンテンツにユーザーを送客するだけです。制作も広告を取ってくるのも私たちなので、手離れが出来て、黙っていても毎月自動的に収入になるのです。 残念ながら札幌にはそうしたメディアを持つクライアントがなく、現在の取引先は東京がメインになります。営業は、リアルワールドの営業部隊に委託しています。
北海道の厳選食材ECサイト「EZOBIN」で北海道に貢献したい
北海道の厳選食材を販売する「EZOBIN(エゾビン)」が注目されていますが。
ありがとうございます。実は、私は札幌生まれ札幌育ち。札幌で会社の代表をしていますが、実態としては、売上の100%が東京です。ずっと北海道に貢献したいという思いは持っていましたが、札幌には、今のビジネスで一緒に組めるような企業がありませんでした。 知り合いに声を掛けていただいた異業種交流会で、業務用食品卸を行っている「いずみホールディングス」の泉社長と知り合って、企業間取引だけでなく、企業と一般消費者との取引や、ECもやっていきたいという話を泉さんから聞いて…。自分たちも、北海道で何か仕事をしていきたいと思っていましたので、じゃあお互いに得意分野を活かして、一緒にやってみようということになって、はじめたの「EZOBIN」です。
「EZOBIN」の魅力はどこにありますか?
北海道で朝採れたものが、全国どこからでも購入出来て、すぐに出荷されます。それってすごいことですよね。泉さんは多くの生産者と取引があり、物流も押さえていますので、輸送のスピードや価格の安さが魅力です。将来的には、当日、注文されたものが、当日中にユーザーへ届けられるまでにしたいと考えています。
「EZOBIN」の運営における、READOの役割を教えてください。
これまでのノウハウを活かし、サイトのユーザビリティを向上したり、プロモーションを仕掛けたり、離脱させないシステムを作るのが、僕たちの役割です。
周囲の反応はいかがですか?
2015年9月にリリースしたところ、想像以上に周囲の反応が良かったので、手応えは感じています。北海道や札幌市も協力してくれていますし、道内の有名企業とも連携し、将来的にはEZOBINをブランドにして、世の中に広めていきたいと思っています。今のEZOBINはフェーズ10のうちの0.5くらいで、この先まだまだ展開していく予定です。期待していてください。
名前を聞いただけで誰もが分かるサービスを作りたい
会社を支えるスタッフは若い方が多いですね。
うちは、平均年齢が28歳くらいですかね。最近では、採用の権限は一緒に働く現場の人間に与えていますが、絶対的に必要だと思うのが、野心と向上心です。それがないと活躍してもらえませんからね。あとは柔軟性。ある程度の年齢になると、これまでの自分のやり方を変えるのは難しいですし、そこからいいモノが生まれるとも思えません。柔軟性にこだわるという意味では、確かに若い人が多くなりがちですね。
独立してから2年が経ちますが、ご自身、大きく変わった点はありますか?
リアルワールドにいた時は、道内の企業や経営者など、周囲との交流は一切していませんでした。ただ、READOになってからは、当然、北海道の情報収集も必要になりますよね。そこから積極的に周りとの交流を持つようになって、それまで受身のイメージしかなかった北海道の起業家や経営者の中にも、野望に満ちた人もいることを知り、まだまだ北海道もイケると思ったんです。特に、30代後半の同じ年代の経営者が多いのですが、彼らとの関わりはすごく楽しくて、今はとても刺激を受けています。
今後の展望を教えてください。
「北海道を変える」ことこそがREADOのミッションです。働き方や働いている人の意識を変えたり、元気な企業人を育てていい会社を増やすのも、北海道が変わることに繋がると思いますので、そのために尽力したいですね。 なにより、社名のように北海道をリードするには、説得力のある圧倒的な売上が必要です。そのためにも、Yahoo!や楽天のような、名前を聞いただけで誰もが分かるサービス、READOを代表するようなサービスを作りたいと思っています。
取材日:2015年10月2日
株式会社READO
- 代表取締役:中村大介(なかむらだいすけ)
- 設立年月:2013年9月
- 資本金:1,000万円(資本準備金含む)
- 事業内容:インターネットメディア事業
- 所在地:北海道札幌市中央区北4条西6丁目1 毎日札幌会館7F
- URL:http://reado.co.jp/
- お問い合わせ先:上記HPの「お問い合わせ」より