楽しく自由な発想で人の役に立つものを創り出す
- 福岡
- 株式会社ELGAME 代表取締役 都甲 守啓氏
「ITで起業するなら福岡」と考えゼロからスタート
学生時代からIT系の勉強をされていたのですか。
いえいえ、全く違う世界にいたんですよ。僕は大分県出身で、地元の大学で経営経済学や福祉を学び、卒業後はフリーターをしながらバンド活動をしていました。音楽つながりでご縁があり楽器店、島村楽器で3年ほど働きました。 そのうち自分が本当に興味のあることは何だろうと考えを深め、頭に浮かんだのがITやデザインの分野。たまたま福岡市の高島市長と孫泰蔵さん※1の対談記事を読み、福岡市はIT業界に活気があり、起業を応援してくれる土壌があると知り、「コレだ!」と。2013年の1月に福岡へ引っ越してきました。
※1 Mistletoe株式会社の代表取締役社長。その他、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の創業者兼代表取締役会長、実践型インターンシップ・社会起業・起業支援を行う特定非営利活動法人エティックの理事、等。ソフトバンクグループの創業者である孫正義氏の弟。
そこからどうやってわずか2年で起業できたのですか。
起業を視野に入れつつ、まずは通信系の会社でシステム営業をしていました。でも、会社の方針に共感できず、「人の役に立つことで独立したい」という思いが募りました。 そんな中、福岡で開催された起業イベント「Startup Weekend※2」に参加して、実際に起業家の話を聞いてみると、自分にもできそうな気がしてスイッチが入りましたね。様々な人たちとの出会いにも恵まれて、そのうちのひとりが、後に一緒に弊社を立ち上げるフリーデザイナーの猪口でした。 そこで会社を辞め、スキルを身につけるため職業訓練校に通い、3か月間コーディングをみっちり学びました。その後、ウェブ制作会社で数か月働き、フリーランスとして独立。2015年1月に弊社、株式会社ELGAMEを立ち上げました。
※2 特定非営利活動法人 Startup Weekendが主催。金曜夜から日曜夜まで54時間かけて行われるスタートアップ体験イベント。
なぜフリーではなく会社という形を選んだのでしょうか。
ひとりではなく、他の人と一緒に働くことで可能性が広がると思ったからです。きちんと会社組織にしたほうが、より人の役に立つことや面白いことができそうだというのも理由です。想像通り、福岡は起業を応援してくれる人が多いと実感しています。
ウェブ制作を主軸として自社メディアも展開
では、御社の事業内容を教えてください。
ロゴやパンフレットなどのデザイン、ウェブサイトの制作、アプリの開発と運営、ウェブサイトのコンサルティング、コンテンツマーケティングなどをしています。 この秋、ハンドメイドを楽しむためのメディア「comimi (http://comimi.me)」を立ち上げました。オリジナリティあふれるハンドメイド商品をそろえ、他の人が持っていないユニークな商品や一点ものなど、お気に入りに出会う楽しさや面白さを提供しています。今はまだ、最新の商品情報のみの掲載ですが、今後はレシピ(作り方)に関する記事や材料の販売なども行う予定です。
御社の強みはどんなところでしょうか。
主に3つあります。1つめは、デザイン力が高いことで、幅広いご要望にお応えできること。単に見栄えよくデザインするのではなく、より伝わるデザインをご提案します。 2つめは、自社メディアがあることで、メディア運営のノウハウを蓄積しているところです。 3つめは、Kaizen Platformさんのグロースハッカー※3として、多数の実績があり、A/Bテストを得意としていることです。
※3 製品やサービスの成長を加速させる人
起業家が集うコミュニティの実行委員を務める
スタッフは、何名いらっしゃるのですか。
今は5人になりました。僕の役割はグロースハッカー・プロデューサーで、デザイナー2人、広報1人、バックオフィス1人の5人体制です。 会社を設立してから、ビジョンが非常に大切だと感じるようになりました。人は感情によって動くもの。人を動かすようなビジョンを描き、伝えるように心がけています。
会社を設立されて11か月、どのように仕事や人脈を広げていらっしゃるのですか。
イベントなどで知り合った人とのつながりが大きいですね。僕は去年から「Startup Go!Go!」というコミュニティの実行委員も務めています。「Startup Go!Go!」は、スタートアップ都市宣言をした福岡市が、国内はもとよりアジアから起業家が集まるベースキャンプになることを目指すもの。多くの企業に協力していただいており、多様な人々に出会って刺激を受け、たくさんのいいご縁が広がっています。
「本当に面白い?」と常に問い続ける姿勢を大切に
今後の展望をお聞かせください。
ひとつは自社メディアをしっかり展開すること。それから、先ほどお話した強みを活かして、コンテンツマーケティングに力を入れていくつもりです。質の高いコンテンツを作ることで、クライアントに喜んでいただき、その先にいるお客様にも喜んでもらえればと考えています。 社名の「ELGAME」のEはenjoy(楽しむ)、Lはliberty(自由)。GAMEは創業した2人が知り合ったイベント(Startup Weekend For Game Content)に由来しています。 社名が表すように、より楽しく自由な発想で、より面白いものを創り出したい。人の生活を豊かにするもの、世の中の役に立つものを生み出していきたいと思います。
最後に、クリエイターへメッセージをお願いします。
僕らが仕事をするときによく口にするのが「それって本当に面白い?」という言葉です。人それぞれ面白いと思うポイントは違うと思いますが、まずは自分が心底面白いと思える仕事をすることが重要。自分がいいと思えるものを出さなければ、当然相手にも伝わりませんから。本当に面白いかどうか、常に自分に問いながら仕事を進めています。 そして何より、まず一歩踏み出してみること。動くからこそ見えてくることはいっぱいあるし、ガチガチに決めてから動く必要はない。とにかく、まずはやってみてほしいと思います。
取材日:2015年11月4日 ライター:佐々木恵美
企業名:株式会社ELGAME
- 代表者名: 代表取締役 都甲 守啓(とごう もりひら)
- 設立年月: 2015年1月
- 事業内容: ウェブサイト制作、デザイン(ロゴ・DTP等)、アプリ開発・運営、ウェブマーケティングなど
- 所 在 地: 福岡市中央区天神2-3-36 ibb fukuoka 4F
- URL: http://elgame.jp/