人と一緒に面白いことを発信! その原動力は、熱いコミュニケーションと好奇心

東京
株式会社LockUP 代表取締役 長尾 純平氏
株式会社LockUP(ロックアップ)は、ウェブサイトの制作を中心に、映像、グラフィック、DTP、SNS、企業ブランディング、地域活性活動など幅広く手掛ける会社です。2016年1月1日、新代表に就任された長尾 純平(ながお じゅんぺい)氏に、未経験でのスタートから代表就任に至るまでの過程と新生LockUPに対する意気込みを伺いました。※インタビューは、代表就任直前の2015年12月3日に行われました。

大学卒業後、音楽サイトを自身で運営。

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まずは、長尾さんご自身について伺います。LockUPに入社されたきっかけを教えてください。

大学卒業後はバイトをしながら、rsst.tv(レジストTV:http://www.rsst.tv/)という音楽サイトを運営していました。インディーズバンドのライブ演奏を撮影・編集して、動画配信するサイトです。当時はまだYouTubeがなく、ウェブで動画が見られることが珍しい時代でした。ちょうどその頃、ある出版記念パーティで、弊社の前代表である山本(現会長、山本美賢氏)と出会い、「どうせならうちの会社で働きながら、勉強してみないか」と誘っていただいたことがきっかけでした。初めはバイトからのスタートで、2003年に入社しました。

最初からご自分で音楽サイトの運営を始められたのですか。

はい。大学時代、ちょうど氷河期と呼ばれた頃で、音楽業界を中心に採用試験を受けましたが、すべて落ちて、ならば自分で始めようと決意しました(笑)。実は特に就職したいという強い志望動機があったわけではなく、元々自分で何かをやりたいと思っていたので、就職活動にあまり乗り気ではなく、今思えば当然と言えば当然の結果だったと思います。

遠回りのようでいて、実は今の仕事に導かれたようですね。 音楽サイトを始めたのは音楽がお好きだったからですか?

元々バンドをやっていて、自分たちのバンドをプロモーションするためのベースが欲しくて始めました。その頃は、自分でプロモーションできる場がなかったので、自分でサービスを作って、自分たちもその中に入ればいいと思って始めたものです。 バンド活動の経験が、会社で応用できると思うことは、たくさんあります。

例えば、どういったことですか?

バンドは自分たちで作った音楽=商品を、どうプロモーションして売っていくかを考えなくてはいけない、小さい会社のようなものです。自分たちを第三者的視点で見なければならなかったバンド活動の経験から、物事を俯瞰して見られるようになりました。

入社後、ゼロから覚えた叩き上げのキャリア

LockUPに入社していかがでしたか。

rsst.tvはウェブサービスですが、実は、人にお願いするだけで他の人に作ってもらっていたので、技術的なことは分からず、当時は、パソコンさえ使えませんでした。入社はしたものの、ウェブに関する仕事が全然できなかったので、最初はマグカップにラベル印字をしていましたよ(笑)。 叩き上げで、ゼロからウェブのことを覚えていったので、新しい案件が来ても分からないことの連続でした。とても迷惑をかけていたと思います……。 「HTMLって何だ?」というところから、サイト制作のディレクションをしていました……。怖いもの知らずと言うか、未知のものに対する度胸のようなものがつきました。ウェブの世界では、新しい技術が次から次に出てくるので、やったことがないことはまだまだありますから、今でも、実際の案件を進めながら、学ぶことは多いです。

では、LockUPに入社して良かったことを教えてください。

業界・職種を問わず、やりたいことは何でもできるところですね。10人規模の会社だから可能なのかもしれませんが、興味があるならウェブに限らずイベント・地域活性事業など、様々な案件を経験できるところが魅力的だと思っています。 「人と一緒に何か面白いことをしたい」という時に、まず、面白がって一緒に話ができることが大事です。ウェブを使って何ができるかを提案するのは、その後です。LockUPには、そうやって一緒に面白がって話に乗れる人間がたくさんいます。

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「お互い勝負をしよう」前代表の言葉に応え、取り組んだ日々

2016年1月、代表取締役に就任されるそうですが、お話があったのはいつ頃ですか?

2年程前です。代表の山本と2人で飲んでいた時に「(LockUPの代表を)やってみないか?」と言われて、僕を選んでくれたことがうれしくて前向きに考えました。また、「本当に代表になれる器なのかを見極めるために、2年間、お互いやりたいことをやって、勝負をしよう」と言われました。2年間、「面白いって何だろう」とか、「会社を背負って立つとはどういうことだろう」とか、いろいろと考えましたが、ストレスや葛藤はなく、自然に取り組んでいた感じです。お互いアプローチの仕方は違いますが、何を面白いと思うか、理念や目標などは近いところがあると思っています。 山本は「13年続いた会社は、青春だ」と言います。その青春を自分に預けてくれて本当にありがたいと感謝しています。

入社した時、ご自分が代表になると思っていましたか?

元々、独立するつもりではありました。山本も、「修行においでよ」というスタンスで誘ってくれましたし、rsst.tvの運営もずっと続けていましたから、LockUPであろうと、別の会社であろうと、いずれは、何かしようとは思っていましたね。

お客様と本気で“がっぷり四つ”に組み合って、 チームで取り組む「LockUP」

お客様や外部のスタッフとしっかりと組み合って仕事をする意志が込められた社名。

お客様や外部のスタッフとしっかりと組み合って仕事をする意志が込められた社名。

では、ここからは、御社LockUPについて伺います。 社名「LockUP」の由来について教えてください。

プロレス用語です。「お客様と本気で“がっぷり四つ”に組み合って、チームで取り組んでいきます」という意志の表れです。僕らはディレクター集団なので、お客様だけでなく、外部のフリーランスの人とも組み合って仕事をしていくという意味もあります。

お名刺のデザインがユニークですね。

世の中にたくさん制作会社がある中で、わざわざLockUPを選んでオーダーしてくださるお客様に自分たちの魅力を伝えていかなくてはいけないと思っています。医者の不養生ではありませんが、お客様のモノだけを作っていると、自分たちのモノはなかなか作らないものなのです。最近、意識的に自分たちについて発信していこうと思い始めて、名刺などのデザインにこだわるようになりました。これを見たお客様に「ぜひ、LockUPにお願いしたい」と思っていただけるとうれしいです。自分たちのことをアピールすることは大事だと思います。

長尾氏の名刺の裏面。社内のイラストレーターがスタッフを描いたイラストが、一人一人使われている。LockUPならではのオリジナリティとインパクト。

長尾氏の名刺の裏面。社内のイラストレーターがスタッフを描いたイラストが、一人一人使われている。LockUPならではのオリジナリティとインパクト。

長尾さんから見て、LockUPはどういう会社だと思いますか?

LockUPの人間はみな誠実で信用できると思っています。「ウソをつかない」「自分たちの都合で考えない」「常にお客様のことを考えている」極端なことを言えば、もしそれが本当にお客様にとって良いと思ったら、利益が出なくても提案するくらいの心意気で仕事をしています。 また、メンバーそれぞれがお客様やフリーランスのスタッフとチームを組んで仕事をする個人事業主的な面があり、「サイボーグ009※1」に出てくる特殊技能を持つ人間達が集まる野武士集団のようなイメージがあります。メンバーは、映像制作、プランニングなど、各ジャンルのエキスパートばかりです。

※1 『サイボーグ009』は、石ノ森章太郎によるSF漫画。

やりたいことが次々と エネルギーの源は、一緒に、面白がってくれる周りの人たち

新代表としての意気込みや、今後の展望・夢などを教えてください。

就任パーティで、「LockUP+α」という所信表明をしました。LockUPは13年間、お客様と培ってきたものがあります。それを大事にしながら、さらにプラスアルファの仕事をしていきたいと思っています。受託のみならず、自分たちで発信する仕事を増やし、もっと制作の上流からお客さまと関わり、なによりもコミュニケーションを大事にしていきたいと思っています。クライアントとは、作って納品するだけではなく、お互い一人の人間としてコミュニケーションし、仕事につなげていきたいと思っています。

新しく取り組んでみたいことはありますか?

トレード制度を設けたいと考えています。1ヵ月間、他社のスタッフと弊社のスタッフを入替える制度です。僕はLockUPでの経験しかないので、他社のやり方を知りません。僕らの常識は他社から見たら非常識かもしれない。お互いに、良いところ・悪いところを情報交換できるので、会社同士の結びつきも強くなると思います。すでに、何社か手を上げてくれていますので、近いうちに、実現したいと思っています。

なるほど、面白そうですね。 長尾さんのそのエネルギーはどこからくるのですか?

一緒に、面白がってくれる周りの人たちですかね。周りの人が一緒に喜んでくれて、喜びを共有できた時は、とても楽しいです。自分一人でできることは限られますので、いろいろな人の力を借りて、何か面白いことをしたいと思います。だから、できるだけ多くの人と仕事をしていきたいと思っています。その方が打ち上げのお酒もおいしいですし(笑)。

「これから何をしたいか」を持っている、 前向きでキラキラした人と一緒に仕事をしたい!

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一緒に働く人に対して、どのようなことを求めますか?

まず、技術は関係ありません。僕は、ウェブについて何も知らずに入社して、今に至ります。ですから、技術は、後から覚えればいいと思っています。一番大事なことは、資質です。やりたいことを前向きに実現させたいという気持ちや自分が面白いと思うことを実現するために、自分の頭で考えて、動ける人を求めています。そういう人がウェブの技術やプロモーションの手法を覚えると、強いと思います。反対に、技術や手法だけを覚えてもマインドのない人は、そこから先に広がらないのです。 ですので、とにかく「ガッツがある」こと。これに尽きると思っています。日本人は奥ゆかしい人が多いですが、「自分を採用した方が得ですよ」と言えるくらい前向きでキラキラした人が来てくれるとうれしいですね。 「何をしてきたか」ではなく、「これから何をしたいか」を持っている人はキラキラしていると思います。

「キラキラ」している人には、何が必要ですか?

「好奇心」だと思いますね。電車に乗った時も、中吊り広告を見て、それに対して、デザインはもっとこうした方がいいと考えるのは「好奇心」があるからです。また、クライアントの人柄や考えを知りたいと思うのも「好奇心」があるからです。そうやって、自分の周りのことを意識していると、自然と様々なことに気が付くようになって、仕事にもつながっていきます。 世の中にあるクリエイティブの多くはインスパイアによるものだと思っています。インスパイアされたものを自分の中で消化して、新しい何かを作り出せる人と一緒に仕事をしていきたいですね。

取材日:2015年12月3日 ライター:保坂久美

株式会社LockUP(ロックアップ)

  • 代表者名: 代表取締役 長尾 純平(ながお じゅんぺい)
  • 設立年月: 平成14年5月
  • 資本金: 500万円
  • 事業内容: PCおよびスマートフォン用WEBサイト、およびコンテンツの企画・制作・開発業務全般/店頭、WEB用などの映像制作業務/カタログ、パンフレット、ポスターなどのグラフィックデザイン全般業務/各種媒体での記事作成、取材、撮影などの全般業務
  • 所在地: 東京都目黒区目黒1-5-16目黒アイワビル4F
  • URL: http://www.lockup.jp
  • お問い合わせ先: 上記HPの「お問い合わせ」より
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