新しいチャレンジで クライアントの要望に応えることが 成長への道
- 名古屋
- 株式会社CM BAR 代表取締役 恒川憲一氏、ディレクター 恒川琢朗氏
既存の広告手法の枠を超える 多彩なサービスでクライアントを支援
設立の経緯をお聞かせください。
恒川琢朗氏:創業者は私の母です。昭和63年、30代の頃に起業しました。大学時代は放送学科に所属し、演劇やナレーションを勉強して、言葉を使うことに興味があったようです。最初は、コピーライティングを主な仕事としていましたが、創業当時事務所の電話は全く鳴らなかったと聞いています。現在の代表である父は、当時、広告代理店に勤めておりました。
そこから、どのようにして今のように発展されたのでしょうか?
恒川琢朗氏:設立から半年程経った頃から仕事がぽつぽつと決まりはじめ、大手印刷会社とのお付き合いから、テレビCMの絵コンテ、企画を中心にいくつかの仕事が広がり始めました。そして、あるファッションビルの販促を一括してお任せいただくことになりまして、これが当社の収入の柱となりました。また、そこからの紹介で、自動車系広告代理店のキャンペーンのお仕事をいただき、サイトのデザインだけでなく事務局代行としてプレゼント企画や制作物に関わったことが大きな転機となりました。 総合力が必要とされる仕事で、そこで初めて景品作りを経験しましたので、非常に勉強になりました。景品作りのノウハウは、現在のオリジナル販促グッズの制作へと繋がっています。
ミッションに追いつこうとする力が、会社の成長へつながる
お話を伺うとお客さまとの関係を非常に大切にされ、そこからお仕事が広がっていらっしゃるようですね。 お客さまとの信頼関係をどのように作られたのでしょうか?
恒川琢朗氏:一例を挙げると、15年程前に、ある企業さまから、「ミニカーを作れないか」というお話をいただきました。代表はミニカーコレクターでもあるのですが、「集めること」と「作る」ことは違います。私たちは、「作る」ためのノウハウを持っていませんでしたが、依頼を受けることを決めて、海外の展示会を回って業者を探すところから始めて無事納品しました。大変でしたが、お客さまと信頼関係を築くことができ、今もおつきあいを続けています。
まず動いてみたことで、信頼が作られていったのですね。
恒川琢朗氏:とりあえずやってみるというのは、社長が若い頃から、ずっとあるようです。いい意味でリスクに鈍感というか(笑)。挑戦したいという気持ちが強くあるんでしょうね。
恒川憲一代表:挑戦したいですね。仕事って、お客さまが育ててくれている面もあるんです。ミッションに対して追いつこうとすることが会社の成長につながります。だから、お客さまに高いレベルで要望をいただくことは、幸せなことなんです。
“利益"と“つくる楽しさ"のバランス
代表はサラリーマンの経験があるそうですが、サラリーマンと経営者、大変さの違いはどんな点でしょうか?
恒川憲一代表:経営者は、自分の裁量で会社の方向を見つけることができます。大変な点でもあり、おもしろい点でもあり、表裏一体ですよね。 サラリーマン時代から、上司の満足ではなく、常にお客さまの満足を考えてきました。それこそが、我々小さな会社が大企業に勝てるポイントです。組織力では勝てませんが、お客さまへの情熱では負けません。命がけですからね。
代表のそのモチベーションを社員の皆さんと共有するために何かされていらっしゃいますか?
恒川憲一代表:みんな、誰しもがクリエイティブな能力を持っているのですよ。絶えず新しい挑戦ができるという点が、クリエイティブな仕事のやりがいであり、情熱、モチベーションにつながります。だから、スタッフには、常に新しいチャンスを提供していかなければと思っています。
利益と興味、仕事内容のバランスも配慮されていますか?
恒川憲一代表:売上・利益重視の仕事ばかりですと、つまらなくなるものです。利益は少ないが、作ることがおもしろい仕事も織り交ぜていかないとモチベーションが下がりますし、かといって、利益の薄い仕事ばかりでは、社内も暗くなります。安定した収入のある仕事を大切に請けつつ、利益は少ないがクリエイティブな仕事にも取り組むよう、バランスをとっています。
「ものづくりの楽しさ」をベースに、プラスαの力をアピール
今後の展望をお聞かせください。
恒川琢朗氏:自社の強みを活かして、社内のリソースを活かせる仕事を着実にやっていきたいです。当社は、紙のグラフィックデザインがベースですが、ウェブ専門のスタッフも強化しています。紙とウェブををいかに組み合わせて展開するかを含め、提案していきたいと考えています。 例えば、多店舗展開するお客様に対して、「店舗ごとの集客を増やす」といった目標を達成するため、当社が培ったあらゆるノウハウを使って、お客様の悩みを解決したいと考えています。
恒川憲一代表:広告会社や制作会社は、差別化が難しいのです。差別化のひとつの方法として、エリアマーケティングにより、「半径5km圏内の集客ならお任せください」と唱っています。現在、そうしたおつきあいのあるお客さまからは、表彰いただくほどの実績があります。最終的には、お客さまである企業のパートナーとして、目標に向かって一緒に歩んでいけることを目指しています。
最後に、広告・デザイン業界を目指す方たちへメッセージをお願いします。
恒川憲一代表:「8割の広告マンはいらない」と言われるほど、広告業界は厳しい世界です。ですが、「作る」ことは、楽しいですよ。時代が変わっても、「作る」ことにやりがいを感じ、才能を活かして作ったものが世に出ていく喜びが原点であることには変わりありません。優秀な若い人は、いっぱいいると思います。昔より、レベルが上がっています。職業を決めるのではなく、自分の才能を活かせるのは何かを考えればいいと思います。
恒川琢朗氏:クラウドソーシングを使えば、日本中、世界中のデザイナーから、アイデアが集まる時代です。ライバルは、日本人だけではなくなっています。デザインのクオリティだけで競っても差を出しづらい時代ですので、ディレクション力、プロデュース力を身につけることが必要だと思います。
取材日:2016年1月20日 ライター : 石崎幸子
企業名 株式会社 シー・エム・バー
- 代表者名(よみがな): 恒川憲一(つねかわけんいち)
- 設立年月: 1988年8月
- 資本金: 10,000,000円
- 事業内容: 広告企画、クリエイティブワーク/ウェブサイトデザイン、プロモーション/キャラクターデザイン/ARコンテンツ制作、スマホアプリ制作/TVCM、プロモーション映像、フラッシュ動画制作/オリジナル販促グッズの製作
- 所在地: 名古屋市中区大須一丁目24-51 バウハウス大須
- URL: http://www.cm-bar.co.jp
- お問い合わせ先: 上記サイトお問い合わせ(CONTACT)よりお問い合わせください。