仙台から全国へ。 社員全体がステージに立つ 新スタイルの総合エンターテインメント集団。
- 仙台
- 株式会社劇団ニホンジンプロジェクト 営業部長 ホームラン川北氏、ニホンジン兼作詞作曲家 エムサイズ佐久間氏
最初のライブは観客13人。 今では5,000人を超えました。
かなりユニークな活動をされているようですが、まずは御社の事業内容を教えていただけますか。
川北氏:私たち『劇団ニホンジンプロジェクト』は、演者とサポートスタッフの垣根なく、社員全員が演者としてステージに立つという新たなスタイルでエンターテイメントを提供する総合エンターテイメント会社です。10名の社員がそれぞれミュージシャンやクリエーターとして、音楽事業、コンテンツ事業、イベント運営事業、広告代理業、商品開発事業、飲食業など幅広く活動しています。
佐久間氏:私の所属する『ニホンジン』という3人組バンド、『イセイジン』というサウンドプロデュースユニット、『ジョセイジン』というアイドルユニットや『マホウジン』というエンタメユニット、お笑い系の演歌歌手もいます。それぞれの活動の総称が『ニホンジンプロジェクト』です。
設立の経緯を教えていただけますか。
川北氏:私たちの会社は、MONKEY MAJIK(モンキーマジック)やGReeeeN(グリーン)など東北にゆかりのあるアーティストの創出やマネジメントを手がけるエドワードエンターテイメントグルーブ株式会社のグループ会社です。私はもともとエドワード社でMONKEY MAJIKのマネジメント業務を行っていました。新卒から4年ほど経験を積み、そろそろこの手で新人発掘を手がけたいと模索する中で、佐久間率いる東北大在学中のバンド『ニホンジン』と2011年の震災直後に出会いました。彼らに可能性を感じ所属契約を結んだ後、彼らのアーティスト活動を中心としたさまざまなコンテンツを企画し発信するようになりました。もちろん彼らは演者としてステージに上がりますが、CMソングの依頼があれば楽曲を提供し、制作活動も地道に行います。一方で、全く表に出ずに企業の広告やPR活動をお手伝いする広告代理業務も行っています。すこし複雑ですが、彼ら『ニホンジン』とその周辺のプロジェクトをエドワード社から独立させ、新たに法人化という運びとなりました。
設立は昨年ですが、それ以前から濃密に活動されていたのですね。
川北氏:ええ、そうです。初めてのライブは13年の7月。チケットは限定15枚と珍しさを売りにプロモーションしましたが、完売できなかったんです。これはまずいぞと尻に火がつき、高速道路のサービスエリアで1日20回のライブを行ったり、道路に机を出してチケットの手売りをしたりと、できることは何でも、ありとあらゆることにチャレンジしてきました。そういった地道な活動が少しずつ実を結び400人の会場が埋まるようになり、今年1月には5,000人もの人が会場に足を運んでくださるようになりました。
佐久間さんはニホンジン兼作詞作曲家という肩書きですが、どちらに重きを置かれているのでしょうか。
佐久間氏:私はニホンジンというバンドで演者として活動する傍ら、裏方としてクライアントワークも行っています。純粋に自ら設けたテーマで曲を作ることも、オーダーにしたがって曲を作ることも、自分にとっては自然なことで大きく区別しているわけではありません。どちらも、聞いてくださる方に伝わるようにということを常に心がけています。
身の丈にあった目標設定が 着実にレベルアップさせてくれる。
メジャーアーティストではない方々が仙台で5,000人も集められるというのは驚きです。
川北氏:最初のライブでは13人しか来てくれませんでしたからね、そこから考えるとかなり進歩しました。まずは400人収容の会場を埋めようと目標を立てて400人規模のライブを成功させることができました。そのときに佐久間が「いつかアリーナでライブがやりたい」と夢を語ってくれたんです。仙台には8,000人収容のアリーナがありますがそれを埋めるのはメジャーアーティストでも簡単ではありません。アリーナの前にまずはホールで5,000人の会場を埋めようと目標を立てて、今年の1月にそれが達成できました。夢のアリーナライブは今秋に予定していて、すでにチケットも販売しています。大きな目標として掲げていたアリーナライブをぜひ成功させたいと思っています。
それは楽しみですね。どのようなライブを予定しているのですか。
佐久間氏:ありがとうございます。もちろん『ニホンジン』が歌を歌うのですが、他のユニットも登場します。映像作品を流したり、ゲストにお越しいただいたり、一般の方をステージに上げるという企画も考えています。来てくださった方を笑顔にすることが私たちの目的なので、とにかく楽しんでもらえるものを考えています。
ファンの方はどのような世代の方なのでしょうか。
川北氏:家族で来ていただくことが多いですね。娘さんが先にファンになってお母さんと一緒に、ということもあれば、会社で話題になってお父さんが先に知り、奥さんとお子さんを連れて来てくださることもあります。学生さんも友達同士で来てくれますし、おばあちゃん世代の方もいます。私たちはチケットをほぼ手売りしているのですが、そこで直接コミュニケーションが取れます。ですから、お名前はもちろん、お仕事や家族構成、お住まいのエリアなどをお聞きすることも多く、いつの間にか知り合いのようになっています。そうすると、ライブ当日に観客席を見て「あれ、知ってる人ばっかりだな」という不思議な感覚になります。
局地的な活動で地域を沸かせ 仙台からムーブメントを発信したい
ファンの方々との距離がとても近いことに驚きした。 東京に進出することはないのでしょうか。
川北氏:それは考えていません。弊社の理念は、世代を超えたエンターテイメントを仙台から日本全国に発信することです。ですので仙台を拠点にするということが大前提です。地域を活性させ、ムーブメントを起こす。これがいつか全国的なロールモデルになり得るのではないかと考えています。実際に全国放送のテレビ局から取材を受けることもあり、とてもありがたいですね。
単に音楽事業だけでなく、広告代理業や飲食業にまで事業を拡大していることにどんな狙いがあるのでしょうか。
川北氏:ご存知のように音楽業界は今CDが全く売れないという厳しい状況にあります。これまでとは違って音楽好きの方だけでなく、お笑い好きの方、ローカルネタが好きな方、ゲームが好きな方、動画が好きな方、いろんな方が居ますので、弊社ではより多くの方のアンテナに届くプロジェクトを起こして、最終的に音楽業界に関心を持っていただけるようにしたいと考えています。
挑戦し続けることが新たなプロモーションへと変化。 個人の集合体としてのパワーを活かす。
多面的な取り組みが新しく、目が離せませんね。今後のビジョンを教えていただけますか。
佐久間氏:そうですね。とにかくみなさんに今よりももっと楽しんでもらえるものを創造していきたいと思っています。私たちはお客さんの笑顔が見られることが幸せなんです。私はミュージシャンであり会社員でもありますので、チームの仲間とともに、さらに新しいものを作っていきたいと思っています。
川北氏:宮城県に人を呼べるようなアーティストを創出したいですね。それが自分たち『ニホンジンプロジェクト』であればといいと思っています。私たちは全員が東北出身で東北観光大使にも任命されました。普段の私たちの活動を通して仙台や東北の魅力を伝えることができるように、他の地域の方がわざわざ仙台まで足を運んでくださるように、力を尽くしていきたいです。
取材日: 2016年7月19日 ライター: 影山祥子
株式会社劇団ニホンジンプロジェクト
- 代表者名(よみがな): 金野 誠(こんの まこと)
- 設立年月: 2015年6月
- 事業内容: 音楽事業、公演事業、番組制作事業、広告代理業、飲食事業、商品開発事業など
- 所在地: 宮城県仙台市青葉区本町1丁目11番2号 SK仙台ビル3F
- TEL: 022-302-4243
- URL: https://nihonjin.biz/