プラットフォームの多様化にともない良質なコンテンツを生み出し、クロスメディアを体現して業界を牽引していきたい

札幌
株式会社トップシーン札幌 代表取締役社長 篠原亨さん
トップシーン札幌は、各テレビ局の報道からバラエティまで幅広いジャンルのテレビ番組・映像制作を手掛けている会社です。主なものは『ほっとニュース北海道』『イチオシ!』『ハナタレナックス』などで、北海道で暮らす人なら一度は見たことがある人気番組ばかり。コンテンツ産業の最前線にいる代表取締役社長を務める篠原亨(しのはらとおる)さんに、今後の展望、求める人材についてお話をうかがいました。

ディレクターから社長になって変わったこと

2010年、代表に就任される前のキャリアを教えてください。

札幌の番組制作会社で情報番組やバラエティ番組、野球中継を担当していました。業界の大先輩が東京の「トップシーン」の代表で、「トップシーン札幌」の代表も兼任していましたが、数年前にお声掛けいただき代表を引継ぎました。

約30年テレビの仕事をなさっていますが、もともと業界志望だったのですか?

東京の学校に通っていた大学時代、4年時は観光系の企業に内定していて、テレビ業界を志望していた訳ではありませんでした。テレビ局でアルバイトをしていた友人が病気になり、代わりに行ったのがきっかけです。手伝いに行った番組が当時大人気だった『夕焼けニャンニャン』で、仕事は大変だったけどおもしろかったです。そのうち番組制作会社に誘われて就職。主にテレビ東京のゴルフ中継・番組を担当し、『いい旅夢気分』や『そこが知りたい』にも携わりました。

その後、北海道の番組制作会社に転職された経緯を教えてください。

両親が北海道出身で地元に戻ることになり、札幌のいい番組制作会社にも巡り合えたので札幌に移り住みました。深夜番組『モザイクな夜』のディレクターを務めていました。

かなりエッジの効いた伝説的な番組ですよね!

碁盤目状になっている札幌市街地で人間将棋、裸でカラオケするハダオケ選手権、豊平川に空気人形を流したり、当時はバカバカしいことを真剣に考えて、本気でやっていましたね(笑)。

多くの番組を手掛けてきたディレクターから、番組制作会社の社長になって変わったこと、変わらないことはありますか?

変わったことは経費の使い方(笑)!ディレクターの頃は、おもしろい番組をつくるために予算オーバーすることもありましたが、社長になるとシビアになりますね。変わらないことは、人の和を大切にすること。現場は若い人が多くなったので、しゃしゃり出ないように気をつけています。

テレビ番組の制作はサービス業!?

現在の事業内容について教えてください。

テレビ番組の企画・制作はもちろん、企業VP製作、海外や道外メディア向けに北海道ロケーションコーディネート、イベント・映像プランニングなどを手掛けています。

全国に系列会社があるのは大きな強みでしょうか?

そうですね。系列会社である東京の「トップシーン」と連携しているのは、地方で番組制作をしている者にとっては大きなチャンスになると思います。実は弊社所属のディレクターが、キー局の番組制作も手掛けているケースもあります。また国際部があることで海外への発信も可能ですし、ロケーションコーディネートというニーズも増えてきています。芸能プロダクションとの繋がりもあるので、イベント等に出演するタレントのコーディネートも対応しています。

多岐にわたる事業展開ですね。

でも、やっぱり基本は番組・映像制作です。感動、興奮、食欲や好奇心まで映像の力によって呼び起こすことができる映像のプロ集団と自負しています。私たちのような仕事はクリエイティブではありますが、コンテンツをつくる製造業でもあるし、娯楽を提供するサービス業ともいえますので、その柔軟な姿勢と対応が事業展開にも反映されていると思います。

求める人材は、あいさつのできる“オタク"

今後の展望について教えてください。

テレビ番組をテレビではなくネットで見る時代になりました。映像コンテンツを楽しむプラットフォームが多様化していますので、私たちが手掛けるコンテンツの供給先も今後は広がる可能性があります。それに対応する良質なコンテンツを生み出し、私たちがクロスメディアを体現していきたいですね。

その展望を実現するために必要なことは何ですか?

「おもしろいものをつくりたい!」という情熱。そして、優秀な人材の確保です。

求める人材とはどのようなタイプでしょうか?

一言で表すなら「あいさつのできる“オタク"」です。プラットフォームと同様にコンテンツに対するニーズも多様化していますので、特化した知識をもっていることがいい個性になり、可能性にもなると思います。感性が豊かで、行動力も体力もあり……。理想は尽きませんが、まずは社会人として最低限のマナーといえる「あいさつ」はしっかりしてほしいですね。経験の有無は問いません。むしろ未経験者の方が斬新な発想から、おもしろいコンテンツができるかもしれません。

取材日:2017年4月27日 ライター:師田真由美

株式会社トップシーン札幌

  • 代表者名:代表取締役社長 篠原亨(しのはら とおる)
  • 設立年月:2006年7月
  • 資本金:1500万円
  • 事業内容:テレビ番組企画・制作、広告代理店業務、北海道ロケーションコーディネート、企業VP製作、イベント・映像プランニングなど
  • 所在地:北海道札幌市中央区大通西8丁目2番30レジディア大通西3D
  • URL:http://www.topscene-s.co.jp/
  • お問い合わせ先:上記サイト内の「Contact」よりお問い合わせください

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