WEB・モバイル2017.11.15

がむしゃらに生きてきたから今がある。30年間の仕事人生で培った人脈が、新規事業を成功へと導く鍵。

福岡
株式会社リアリンク 代表取締役社長 本田 隆徳 氏
福岡でソフトウェア・システム開発やWeb制作を行う株式会社リアリンク。地元球団を筆頭に大手企業のホームページ制作を次々と手掛け、業績は右肩上がり。代表取締役社長を務める本田隆徳(ほんだたかのり)さんは、意外にも技術畑一筋30年という製造業出身。サラリーマン時代からコミュニケーションを大切にし、多方面から信頼を寄せられていた本田さんが、脱サラして起業した理由は一体何だったのでしょうか?

人生における予想外の起業。技術畑からWeb業界へと転身。

本田さんのこれまでのキャリアを教えてください。

前職は名古屋にあるシステム開発の会社で、ロボット制御の技術を活かした製造業に携わっていました。そこで30年ほど働き、東京や福岡にも勤務したことがあります。その会社が海外でビジネスを展開することになり、海外転勤の話が出たのがきっかけで退職しました。同時に「一緒に仕事がしたい」と言って、数名が私に付いてきてくれて、いつの間にか社長になって、今に至ります。

いずれは会社を立ち上げたいという思いはありましたか?

いえ、それが全然なくて、本当に成り行きでこうなってしまって(笑)。前職では管理職を経験し、経営にも携わっていたので、もし会社を起こしても上手くやれる自信はありました。でもまさか本当に自分が会社を作って社長になるとは思っていなかったです。一生サラリーマンと思っていましたから(笑)。

なぜ今の業界を選んだのですか?

当初は以前の仕事に関係のあるアプリケーション開発だけの小さな会社のはずでした。ちょうどその頃、前職で関わりがあった会社がWeb事業を撤退することになり、その会社も福岡にあることから「本田さんの会社で社員を引き取って、Webの仕事もやってもらえないか?」と相談を受け、Web事業をスタートしました。また、世の中の流れはWebに向っていたので、これから力を入れていこうと思っていたこともあり、ちょうど良い機会だと思ったのも事実です。

初めて足を踏み入れたWeb業界ですが、苦労されたことは?

アプリケーションとWebでは売上げが全然違うことですね。うちの社員はアプリケーション開発が約8人、Webが約11人です。でも売上げはアプリケーションの方がかなり多いから、Webが足を引っ張っている状況。それでも、最近は東京の仕事をするようになったことで売上げが伸び、収益が回復しています。

東京の仕事はどのようなきっかけで?

佐賀のサッカーチームの仕事をしたことがきっかけです。Jリーグのサーバーを管理している会社が弊社の技術を高く評価してくれて、そこから仕事が増え、東京の仕事をするようになりました。今はメールのやりとり中心に仕事をしていますが、いずれは東京に支店を置きたいと思っています。既に開発の案件で東京に2名送り出していますが、それも支店を置くための布石です。

人脈こそ宝。新たな挑戦を支えたのは、仕事一筋の人生で培った繋がり。

現在のお仕事について教えてください。

前職からの縁で、大手鉄鋼業や大手通信業の会社と制御システムの仕事をさせていただいています。Webソリューション事業では福岡ソフトバンクホークスのホームページ更新や、森永乳業九州株式会社、久留米工業高等専門学校などのホームページ制作を手掛けさせていただいています。経営が安定しているのは大手のお客様と仕事をさせていただいているからで、本当にありがたいことです。

大手企業と仕事をされるようになった、そのきっかけは?

一番大きいのは福岡ソフトバンクホークスのホームページを手掛けさせていただいたことですね。それだけで興味を持っていただけるし、打合せ時には上手く話が進むんです。やっぱり地元球団のネームバリューは大変なものがあります。「そこの仕事をしているなら、じゃあお願いしようか」と言って頂けることも多く、信頼していただけますから。

地元球団のサイトを手掛けることで変わったことは?

社員のモチベーションが上がりました。地元球団のサイトに携わっているということが自信に繋がっているようです。サイトの運用チームのオフィスはドームの中にあるので、時々顔を出すと、偶然、通路で選手にお会いすることもあります。このチームには若手のスタッフが多いので和気あいあいとやっていて、大学生アルバイトからも刺激を受けながら頑張っているようです。

どんなときにモチベーションが上がったと感じますか?

社員から「こういう社員教育をやりませんか?」といった前向きな意見があがってくるようになりました。「今、これが流行っているからうちでも取り入れてみませんか?」と言って、実際にボードコンピューターを購入して休日に集まって新しいビジネスに繋がらないかを研究しています。近々、社内から新規ビジネスの案が上がってくるようで嬉しい限りです。今後も地元、福岡の仕事を優先したいと思っていますが、社員の中には会社を大きくしたいという希望を持つ人もいます。現在、東京に送り出している2人の社員は自主的に行きたいと言って、私のつながりから営業して仕事を獲得しました。彼らみたいに社員が外に向かって走りたいなら、それを出来る限り応援したい。『リアリンク』という社名にも「この会社をみんなでずっと繋げていく」という思いが込められていて、受け継いでいって欲しいと思っています。そのために、私が会社をある程度の規模にして、それを引き継いでくれたら嬉しいです。

がむしゃらに生きてきた、だから今がある。いつの時代にも大切なのは、やる気とガッツ!

本田さんが考える会社の展望、そして今後のビジョンは?

今後は海外にも目を向けていこうと思っています。知人を通してベトナムの会社とパートナー契約を結び、人手不足の部分を委託して補っていくつもりです。私は、もともと制御系の職人でしたのでロボットを使った仕事もやっていきたい。やはり物が生産されるのは面白い!物づくりを会社のもう一つの柱にしたいと思っています。いろんな分野に特化して、会社として色が出れば出るほど面白くなっていくと思っています。

一緒に働く社員に対して求めることは?

やっぱり技術を追求して欲しいと思います。Webは作るだけじゃなくて、その後にはデータ分析と次の展開をしっかり提案しなければならないので。そういう部分の力をしっかり身に付けて欲しいです。それと、お客さんとの会話もちゃんとできるようになって欲しいですね。職人になってくると会話が減っていくのでその辺を心配しています。だから表舞台にはどんどん立って欲しい。幸いなことに、うちのメンバーはコミュニケーションが取れているから今のところ安心です。

本田さんはどんな人材を採用したいと思いますか?

やる気があって、ガッツのある人材が欲しいです。貪欲にいろんな事をどんどん吸収していく人。やる気があればいろんな場所に行けるし、そうすると人脈も広がる。いずれはその経験が様々な方向で生きてくるはずです。私もがむしゃらに生きてきたから、そのおかげで今が楽になっているのは確かですから。

最後に、これからクリエイターを目指す方へのアドバイスを。

いずれは独り立ちを目標にしているならば、依頼された仕事に対して制作や更新といった技術的サポートはもちろん、お客さんにしっかりと寄り添って、何に困っているかをヒアリングできるようになってください。サイトはオープンすると段々と衰退していくもの。それをどうリカバリーするかが重要です。まずは、そのサイトがどう使われているのか、どれくらい利益が出ているかをしっかりと把握することが大切です。

取材日:2017年9月27日 ライター:井みどり

株式会社リアリンク

  • 代表者名(よみがな):本田隆徳(ほんだ たかのり)
  • 設立年月:2014年1月
  • 資本金:800万円
  • 事業内容: 1.障害者自立支援法に基づく地域生活支援事業 2.制御システムの機器・装置及び付属機器・周辺機器の設計、製造、販売、賃貸、運用管理、導入設置、保守メンテナンスの業務 3.インターネットに関する総合コンサルティング業務 4.インターネットのホームページの企画立案、制作及び保守に関する業務 5.デジタルコンテンツの企画、立案、制作、配信、販売 6.インターネット等のネットワークシステムを利用した通信販売業 7.広告、宣伝に関する企画並びに制作・販売 8.情報処理システムの設計、開発、販売及びそれらのコンサルティング 9.情報処理機器の製造及び販売 10.機械装置その他各種プラントの設計、製作、施工、販売、修理及び保全管理 11.電気計装設備工事の設計、施工、監理 12.労働者派遣事業法に基づく一般労働者派遣事業、特定労働者派遣事業
  • 所在地:福岡市博多区博多駅南3丁目1-1 博多南マークビル3F
  • URL:http://realink-group.co.jp/
  • お問い合わせ先:上記HPよりお問い合わせください。
続きを読む
TOP