自社一貫作業で業界上位に
- 札幌
- 株式会社アリスファクトリー 代表取締役 渡辺 祐希氏
制作スタッフから代表取締役へ
会社設立以前のキャリアについて教えてください。
専門学校卒業後に、就職情報サイト制作の会社に4年ほど在籍しました。その頃はまだインターネットが普及しておらず、パソコンを使えるのは私だけだったので、ホームページの制作業務を主に担当していました。その後、27歳で一度会社を設立しましたが、うまく行かず……。1年でやめて、その後制作事務所で6〜7年ほど働き、それからしばらくはフリーで働きました。でも、このままじゃダメだと思い、札幌の広告制作会社に入りまして、そこで制作スタッフとしての基礎を築きました。
そうした経験を経た後、今の会社を立ち上げたのですか?
2016年5月に、今の会社の前身である「アリス合同会社」を設立しました。そこでは副代表を務めましたが、翌年の5月に登記変更をして「株式会社アリスファクトリー」と名称を変え、代表取締役を務めることになりました。株式会社にする際にスタッフの顔ぶれは多少変わりましたが、人数は私を含めて8名のままで、全員高いスキルを持つスペシャリストばかりが揃っています。
ホームページは自社一貫制作でコストダウン
現在の主な事業内容とサービス、商品について教えてください。
弊社では、インターネットの総合サービス業務を行っています。具体的には、ホームページの企画・制作の代行やその管理、デザイン制作、VRコンテンツの撮影・制作、動画コンテンツ制作などです。ホームページ上で表現できるものは、すべて制作可能です。パソコンや携帯、タブレットなどに適した表示で閲覧できるマルチデバイスデザインも、すべての業種・デザインで承っております。
御社の強みはどういう点にあるとお考えですか。
札幌には、ホームページのデザインやプログラムなど、それぞれの分野に特化した会社はありますが、それらを一カ所で行える会社が少ないというのが現状です。弊社では、その技術を全部備えているところが強みだと思います。自社一貫作業ですので、急ぎの案件へのスピード対応もできますし、コスト削減が可能という点も強みだと言えます。
現在の主な取引先を教えてしたください。
メインのお取引先は、国内最大手の信用調査会社さんです。たまたまご近所だったというご縁から、株式会社になって以降、お取り引きをさせていただいております。先方の営業さんがそれぞれのお客様から制作のお仕事をいただいて、それを私たちが担当させていただくという形でいくつもの案件が同時に動いております。株式会社以前からお付き合いさせていただいているお客様もありますし、先ほどの信用調査会社さんからのお仕事もありますので、おかげさまで、忙しくさせていただいております。
仕事をする上で大切にしていることは何ですか?
お客様に「ありがとう」と言われることですね。完成品に対してお客様に満足していただけることが何よりも大切ですから、「納得はいかないけど、これ以上頼むと予算がオーバーするから……」とお客様が妥協することにならないよう、取り組む前にきちんとお客様のご要望を細かく聞き、それに応えるよう取り組んでおります。
デザインラフをもとにイメージを引き出す
ホームページを制作する上で、どういった点を最も重視していますか?
やはりお客様が使いやすいと感じることが一番です。デザインの良さはもちろんですが、原点に立ち返り、使いやすさや便利さを追求したページ制作を行っています。営業販促用、医療機関向け、飲食業向けなど、業種別にコンテンツを用意しておりますので、その中から、それぞれの会社に合った仕様を提案しています。
でも、予め具体的なイメージを持っている方は少ないのではありませんか?
そうですね。どのようなホームページを作りたいのか、具体的なイメージを伝えられるお客様は少ないと思います。ですから弊社では、頭の中にあるイメージを引き出すために、デザインラフをきちんと作ることを徹底しています。共に意見を出し合い、イメージを共有することによって、強調したい部分や全体の雰囲気、色使いや文字の大きさなど、ぼんやりとしていたものが少しずつ具体的になっていきますし、私たちもお客様の意見を反映した納得のいく仕事ができます。
それが無駄になってしまうこともありますよね。
はい。時にはそういうケースもあります。でも、ラフを作って提案した方が発注率も高まり、実際に動き出したときに作業がスムーズに進みます。完成までの直しも少なくて済みますので、効率がいいんです。
外国語サイトの制作も充実
御社は、外国語サイトの制作も得意としているんですね。
英語・中国語・韓国語などに翻訳された外国語対応コンテンツ、Webサイトを構築しています。弊社では自動翻訳や機械翻訳、Web翻訳は使わず、契約している翻訳者に翻訳を委託します。2人体制で、話し言葉や文章の正確性のチェックを行い、納品後も修正や追加作業などに対応しています。
翻訳者の獲得も大変ですよね。
外国語に対応するスタッフの必要性は、会社設立以前から感じていましたので、各国の言語に精通した人員は予め確保していました。因みに、弊社のスタッフの中には、中国語の仕事を担当しているうちに話せるようになった者もいるんですよ。現在多いのは、観光協会などの自治体からの依頼です。例えば、小樽観光協会さんからの発注で制作した「小樽ぽーたる」では、英語・中国・韓国語対応のページも設けておりますので、ぜひご覧になってください。
さまざまな分野の制作を行い、お客様の信頼度を高めたい
今後強化したい点について教えてください。
弊社の制作物や技術のクオリティは間違いなく高いと自負しておりますので、今後必要なのは、お客様に認知され、信頼度を高めていくことです。私自身の制作経験は長いのですが、会社の歴史はまだまだ浅いので、広く認知されるためには、これからが勝負だと思っています。私たちが未経験の制作分野もまだまだたくさんありますし、業種によっても作り方や見せ方が全く異なりますので、それらに万遍なく対応できるように、さらにスキルアップしていきたいと思っています。
仕事の拡大に合わせて、スタッフの増員は考えていますか?
今のところ具体的な予定はありませんが、高いスキルを持った方がいれば、ぜひ採用したいと思っています。
会社が求める人物像について教えてください。
一定の質を保つためにも、技術の高さは必要ですが、スタッフにはやはりやる気を求めます。弊社では、1つの案件に対して1人で最初から最後まで作るのではなく、みんなで協力して取り組むというスタイルをとっています。話し合いの中から、いいアイデアやデザインが生まれますし、リラックスしないといいものは生まれないと思っていますので、1人で黙々と作業を行いたいという人は、正直向いていないと思います。和やかな雰囲気やアットホームな雰囲気に馴染める人がいいですね。
会社として、今後どういったことを目指しますか?
札幌のマーケットは東京ほど広くありませんが、能力の高いスタッフが東京へ行かずとも、札幌で仕事ができる基盤を作っているところです。弊社は、デザインやプログラムの技術に関しては、札幌でも上位のレベルだと自負しておりますので、質の高さをキープしつつ、さらに上を目指していきたいですね。
取材日:2017年12月7日 ライター:八幡智子
株式会社アリスファクトリー
- 代表者名:渡辺 祐希(わたなべ ゆうき)
- 設立年月日:2017年5月
- 資本金:100万円
- 事業内容:
インターネット総合サービス業務、ホームページの企画・制作の代行及びその管理、VRコンテンツの撮影・制作、プログラム・データベース製作・管理、動画コンテンツ制作・写真・映像撮影・音響制作業務、外国サイト制作、翻訳業務、各種デザイン業務、SEOコンサルティング業務、音響機器修理・買取・販売 - 所在地:北海道札幌市中央区南3条西12丁目320-8 森ビル3 3F
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