プロダクト2018.01.24

起業から5年で、有名なエンタメ系グッズを多数制作!日本最強のデザイン集団を目指す

福岡
株式会社ジョーズ 有村幸雄氏、寺田龍司氏
株式会社ジョーズは、福岡の広告代理店で働いていた同僚3人で2013年に立ち上げたデザインプロダクションです。30、40、50代と年代もバラバラな3人は、新しい依頼を一つひとつクリアするうちに仕事の幅が広がり、今では誰もが知っている有名なエンターテインメント系のグッズを数多く手がけるようになりました。創業メンバーの有村幸雄さん(写真右)と寺田龍司さん(写真左)に、これまでの道のりから今後の展望まで伺いました。

同僚だった3人で会社を始め、未知の仕事に挑んできた

おふたりの起業までのキャリアを教えてください。

有村さん:私は宮崎出身で、福岡の短大でデザインを学び、プロダクションや印刷会社、広告代理店などで、ずっとデザインの仕事に関わってきました。

寺田さん:私は鹿児島の高校を卒業して、デザイナーになりたくて福岡の専門学校に入学しました。はじめはイラストレーターを目指していたのですが、デザインの仕事をするようになり、印刷会社や広告代理店で働いてきました。

有村さん:当社の社長の吉田と私たちは、5年前まで同じ広告代理店で働いていました。吉田は営業、私たちはデザイン担当という役割で、主に企業のパンフレットやチラシと遊戯施設のチラシ、装飾、パネル、看板などを手がけていました。そこを辞めて、それぞれフリーで活動をしていましたが、お客さまの希望により、それらの仕事を引き継ぐことになり、会社組織にする必要が出てきました。そこで、3人で会社を設立し、吉田が社長となって、2013年1月に株式会社ドルック(旧社名)を立ち上げました。

今のオフィスはとても素敵な2階建てですが、もともとは別のオフィスだったのでしょうか?

寺田さん:はい、3人でマンションの一室からスタートしました。みんなで家具やオフィス用品を買いに行ったりして、楽しかったですね。

有村さん:ただ、初めは結構ヒマでした。でも、何とかなるかなあとは思っていて、吉田がエンターテインメント分野の仕事をしてみたいと精力的に営業活動をして、少しずつ新しい仕事が入ってきました。吉田は何でも仕事を受けてきたんです。例えば、キャラクターのゴルフバックのデザインとか。

寺田さん:あれは大変でしたね……。版下とか何もない状態で、仕事だけ取ってきて、どうやって作るんですかと(笑)。

有村さん:平面的なデザインはできるけど、それを立体にすることはしたことがなかった。吉田はそれを平気で受けてくるんです(笑)。結局、型紙をもらい、パタンナーさんを探して、最終的にカタチにしました。苦労したけど、今振り返ると、面白かったです。

代表の吉田さんは仕事を断らないタイプなのですね。制作サイドとして、お二人はどのように受け止めていますか?

有村さん:「またー、一体どうするの」と(笑)。でも、だんだん慣れてきて、「はいはい」とみんなで受け止められるようになりました。

寺田さん:なんだかんだ言っても、吉田の営業力はすごいなと思います。

企業系とエンターテインメント系を2つの軸として事業を展開

改めて、御社の事業内容について教えてください。

有村さん:ホームページからグラフィック、内装、映像、販促物まで、幅広くデザインを手がけています。主な軸は2つで、ひとつは地元のクライントをメインに、サプリや化粧品のパッケージ、会社案内、カタログ、チラシなどをやっています。美容室など店の内装も手がけています。こちらは私が中心となってやっています。

寺田さん:もうひとつの軸は、エンターテインメント系です。こちらは私がメインで担当しています。例えば、アニメ、アイドル、プロスポーツチームや日本代表チームのグッズなど多岐にわたりますが、契約上、詳しいことは公開できないのです。

有村さん:エンタメ系に強い東京の方から「一緒に会社を作りませんか」と声がかかり、出資し合って、東京に営業の会社を作ったんです。エンタメの仕事はそこから入ってくるようになりました。私たちがデザインしたものを中国の工場などで作っています。

御社の強みはどんなところでしょうか?

有村さん:企画から制作、運用までトータルでプロデュースできることです。お客さまの想いをくみ取り、悩みを共有し、期待以上のクリエイティブを提供したいと思っています。やはりクオリティには非常にこだわっています。例えば、短納期で作ってほしいと依頼されると、時間優先になりがちですが、私たちにはそれがない。限られた時間の中でも、とにかくできるだけベストを尽くします。それはクライアントに喜んでもらいたいからです。短時間でもいいものが作れるように、ひたすら自分たちの技術を磨くように心がけています。結果として、仕事が増えてきたと感じています。

デザインの仕事のやりがいは、どんなところでしょうか。

有村さん:一般的に私たちデザイナーは、営業からクライアントの意向を聞き、自分なりにかみくだいてデザインを提案します。営業の解釈とは違うデザインを出したときに、クライアントが気に入ってくれるとうれしいです。相手が何を求めているか、直接話した営業よりも理解できたのかなと思えるので。今年、大手企業がズラリと並ぶコンペで仕事を獲得できたときも、うれしかったです。

寺田さん:エンタメの仕事は、フィギュアの制作ならポーズから考えてデザインを作って、造形師さんにお願いして、最終的に作家さんのOKをもらうまで、長い道のりがあります。でも、普通は扱えないような特別な素材をもらって、有名なエンタメの仕事ができることに、やはりワクワクします。
あと、最近うれしいと思うのは、私たちが何年か前にやった仕事を見て連絡をくださったり、「コンペ案件で出ていた作品がよかったから、作った会社を探してきました」とおっしゃっていただくことが増えてきたこと。作品を客観的に評価してもらえると、やりがいにつながります。

時代を生き抜くデザインを提供していきたい

御社の今後の展望について、お聞かせください。

寺田さん:3人でスタートした当社は、現在スタッフが14人に増え、最初にイメージしていた規模になりました。デザインプロダクションとしては、きちんとコントロールできるこのくらいが理想的だと思っているので、あとは別会社を展開していく予定です。

有村さん:吉田は「日本最強のデザイン集団に」と掲げています。私たちはこの福岡事務所を「JOSE」(ジョーズ)と名付け、「サメ」をロゴにしています。JOSEは当社の4つの理念の頭文字をとったものです。JはJustice(正義)、OはOrganization(団体性)、SはSolidarity(結束性)、EはEnvironment(社会、環境)。サメは、太古から現在まで生き抜いてきた種です。激変する時代にあって昔から変わらぬサメのように、私たちも「時代を生き抜く芯を捉えたデザイン」をお客さまに提供できるように努めていきます。

有村さんは37年のキャリアの中でいろいろなクリエイターを見てこられたと思いますが、どんな人と働きたいですか?

有村さん:何でも面白がってくれる人がいいですね。何でも面白がって首を突っ込んで、いろんな意見やアイデアを出してくれる人がいると、会社の雰囲気が明るくなると感じます。

最後に、クリエイターにアドバイスをお願いします。

寺田さん:私はまだ13年のキャリアしかありませんが、いつもいろいろなものを見るように心がけています。今は画像検索で世界中のものを見ることができるので、気になるデザインがあったら画像をストックしていて、1万枚くらいになりました。アイデアに煮詰まったら、それを眺めたりしています。デザインの基本は、やはり意識しながらたくさんのものを見ておくことが重要だと思います。

取材日:2017年12月1日 ライター:佐々木恵美

株式会社ジョーズ (※2018年1月株式会社ドルックより社名変更)

  • 代表者:代表取締役社長 吉田啓資
  • 設立年月:2007年1月
  • 事業内容:印刷全般、広告・デザイン企画制作全般
  • 所在地:福岡営業所JOSE 〒810-0016 福岡市中央区平和3-9-22
  • TE:092-753-8480
  • URL:http://dolook-jose.com/
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