WEB・モバイル2018.02.14

設立3年目で売上が3億円に!海外向けECサイト「WONECT.com」が支持される理由

京都
株式会社ウォーネクト
代表取締役社長
水口 耕太 氏
現在、シンガポールなど東南アジアの英語圏を中心に、海外向けECサイトを運営している株式会社ウォーネクトは、京都に本社を置き今年で4年目を迎える会社です。当初は国内向けECサイトからスタートしましたが、業績が振るわず、その活路として見いだしたのが日本製品を海外に販売する現ビジネスモデルです。
「タイミングが良かった」と語る代表取締役社長の水口耕太(みずぐちこうた)さん。その謙虚な発言とは裏腹に、設立3年目にして売上3億円を達成し、今や20数カ国以上に日本製品を販売する、まさに急成長の会社を引っ張る手腕の持ち主です。会社設立のいきさつや求める人材など、破竹の勢いで成長する同社の秘密に迫りました。

行き詰まった先に見えた光

独立までのいきさつを教えてください。

大学卒業後、大手電子機器メーカーに就職したものの、入社当時からいつかは独立したいと考えていました。そして、3年目に転職。転職先の条件を、IT関係の海外向けサービスをおこなっているベンチャー企業と定め、電子部品をインターネットで販売する会社に入社しました。当時、その会社は海外の会社に買収され、海外展開し始めた頃だったこともあり、海外におけるECのノウハウを勉強させていただき、ある程度の知識を得たところで、満を持して独立の道を選びました。

独立してすぐに会社を立ち上げたのですか?

いえ、まずは個人で国内向けのECサイトをヤフーショップや楽天市場などのモールと呼ばれるショッピングサイトで始めました。販売する商品として、EC向けの卸業者から家電や時計などを買い付けていたのですが、競合他社との差別化が難しく、業績は振るわず、すぐに行き詰まりました。しかし、幸運にもそのタイミングでシンガポールのモールの担当者から声をかけていただき、日本国内と並行して海外向けのECサイトを運営することになりました。そして、2015年に法人を立ち上げました。
海外に向けて販売する商品はもちろん日本製品です。その頃、東南アジアでは日本製品は主流ではなかったことが逆に興味を引き、合わせて利益率も高く設定でき、売り上げが順調に伸びました。その結果を受け、海外へ完全にシフトする決意をしました。海外への販売のきっかけをいただいたのがシンガポールのモールだったことから、その後、シンガポールを中心に東南アジアの英語圏へと展開しました。

顧客のニーズを叶える仕組みづくり

設立3年目で売上3億円を達成したとお伺いしました。その要因は何だったのでしょうか?

「タイミングが良かった」というのが一番の要因だと考えています。僕が海外向けのECサイトを始めた2015年は、海外からの観光客がたくさん日本に来て日本製品を買い漁る、いわゆる「爆買い」が行われていた時期でした。その観光客が母国で日本製品の魅力を広めてくれたことで、日本に来られない人たちにも日本製品に対するニーズが生まれ、その結果、弊社のサービスがそこにハマったということです。正直、準備して狙っていたというよりは、ニーズの高まりを感じたので、このタイミングを逃してはいけないと思い取り組んだことが結果につながったのだと思います。

タイミングだけではなく、御社のECサイト「WONECT.com」が選ばれた理由があると思いますが、競合他社にはない御社の強みを教えてください。

通常、モールの中にあるECサイトはモール側が顧客から注文を受けて、小売店に注文のデータを送り、小売店が商品を発送するという流れが一般的なのですが、弊社ではメーカーや卸から商品を購入して、在庫としてストックし、注文が入ったら配送するという形態を取っています。つまり、受注、配送、フィードバックを一元管理しています。そうすることによって、無駄な手数料を削って、最短で配送できて、お客さんの質問や要望に直接対応できる。つまり、「安く・早く・安全に」を実現することができます。お問い合わせに関しても、メールだけではなく、チャット機能を搭載して、リアルタイムに対応しています。それが弊社の強みです。

在庫を持つということは、リスクが伴うと思います。そのリスクを回避するために行われている取り組みを教えてください。

商品ごとに、どれくらいの期間で、どのくらい売れるかを数値で明確化し、実績ベースで商品管理しています。無駄にストックを抱えず、効率良く販売するということです。また、市場のニーズをキャッチするために、お客さんからいただくリクエストや要望には、できるだけお応えできるように取り組んでいます。いくらアンテナを張っても知りえないニーズは絶対あると思っているので、お客さんから直接話を聞くことで、それを掴めると考えています。取り扱う商品を電化製品から日用品にシフトチェンジしたのも、そういったお客さんのリクエストに応えてきた結果なのです。
宣伝という部分では、各国のインフルエンサーと連携して、SNSで情報を発信しています。弊社のお客さんの9割以上はスマホからアクセスして購入されるので、スマホに特化した情報発信を心がけています。

水口さんが仕事をする上で大切にしていることは何ですか?

飽きやすい性格なので、楽しいかどうかを大切にしています。飽きるということは停滞しているということ。新しいことを次々生み出そうとか、新しい環境に身を置こうとか、常にチャレンジしていきたいと考えています。
最近、チャレンジしていることは、社員を増やすことです。今年(2018年)の3月に本社を四条河原町に移し、今の3倍の広さの事務所を持つ予定で、国内外問わず、有望な人材を探して、事業を大きく展開できたらと考えています。
弊社ではこれまでも海外からのスタッフを雇ってきました。今もシンガポール、台湾、韓国から来たスタッフが働いています。新しいことを生み出すためにも、さまざまな国の方と仕事ができたらと思っています。

求める人材は、自分で考え結果を出せる人

どのような人材を求めますか?

人材選びには3つのフェーズがあると考えており、1つ目が論理的思考力やコミュニケーション能力が高く、地頭が良いこと。そして2つ目が、市場を読み、売上という結果を出せること。最後に3つ目は、僕たちに合うかどうかというフィーリングです。

採用面接の際はどういうポイントに重きを置きますか?

過去に何をやってきたかです。学校に行ったり、転職したり、その時点で何を考えて選択をしたかということをお聞きします。それが前向きな選択なのか、後ろ向きな選択なのかということです。選択が合理的で、かつ結果を残し、次のステップに進めているかどうかを確認します。
弊社はまだまだ成長途中の会社なので、会社とともに成長してくれる人が嬉しいです。もちろん面白い意見があれば採用するし、重要な役割を任せることもあります。自分で考えて自分で動くというスタンスを尊重したいと考えています。 来年の本社移転に向けて、新たなスタートという意味でも、いい人材と出会いたいです。

御社が目指すビジョンをお聞かせください。

ECサイト「WONECT.com」については、商品の使用感をリアルに伝えられるように、動画配信を考えています。ファンデーションを例にあげると、写真では実際塗った時に色の違いを感じることがあり、不安を感じる方もいるので、それを解消したいと思います。また、動画と合わせて、タイムセールなどの仕掛けも考えていきたいです。
もっと先のビジョンとしては、海外の方を日本の地方都市に誘致したいと考えています。僕自身、京都の田舎町の出身なんですが、少子高齢化の影響を受けて、最近、母校が廃校になりました。地方ではどこでも人が減り、人の交流がなくなり、経済が低下しています。しかし、日本の地方にはまだまだ魅力があると思うんです。だから、海外の方を地方都市に誘致して、日本の魅力に触れて欲しいと思っています。 そのためには、当サイトで海外の方に日本の商品を知っていただき、日本に興味を持ってもらえるよう努めたいです。日本を好きになってもらえれば、自ずと日本に来たいという海外の方も増えるだろうし、日本に来る方が増えれば地方への誘致も可能になります。 本社を京都に置いたのも、自分の出身地ということもありますが、海外から見たときに魅力的だと感じる街だと思ったからです。将来的にはその魅力を有効に活用して、日本に来る海外の方を増やしたいと思います。

最後に、若きクリエイターの皆さんにアドバイスをお願いします。

もし、やりたいことがあるなら、早くやった方がいいです。誰でも一度は失敗します。そして、その失敗から学び、成功へとつながっていくのです。僕も国内向けECサイトを立ち上げた時は何度も失敗し、どうしようもない状態から、今のビジネスモデルを構築しました。失敗せずに成功などありません。失敗するなら若い時の方が学ぶことが多いし、立ち上がりも早いので、リスクは恐れず頑張っていただきたいと思います。

取材日:2017年12月13日 ライター:7omoya

株式会社ウォーネクト

  • 代表者氏名:代表取締役社長 水口 耕太(みずぐち こうた)
  • 設立:2015年1月
  • 資本金:5,000,000円
  • 事業内容:海外向けECサイトの運営
  • 所在地:京都市中京区橋弁慶町223 光洋ビル5F
  • URL:http://wonect.jp
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