ゲーム2018.02.28

技術や知識よりも大事なことは、ゲームへの情熱!

沖縄
株式会社アンビション 品質管理部 部長 堀水 辰郎氏
リーダー仲宗根 健氏
「萌えCanちぇんじ!」や「虹色カノジョ」など、人気のゲームアプリを生み出し続けるゲームコンテンツ制作会社アンビションが、2008年に沖縄支社を設立。東京本社が手がけるゲーム全般のデバッグやサポートなど、品質管理部門をメインにスタートした沖縄支社ですが、当初は社員の間に「東京の下請け」という低いモチベーションが蔓延していたと言います。しかし社員の意識改革により、徐々に会社を牽引する存在に成長し、近年ではマーケティングや制作など、幅広い事業を展開するまでに成長しました。今回は、品質管理部部長の堀水 辰郎(ほりみず たつろう)さんと、同じく品質管理部のリーダー仲宗根 健(なかそね けん)さんに、沖縄支社ができた経緯や、今後の展望について伺いました。

積極的に物言う品質管理集団へ。社員の意識改革

株式会社アンビションが沖縄に支社を作った経緯を教えてください。

堀水さん: もともと東京本社で、ゲーム制作からデバッグまで全ての業務を行っていました。会社が成長するに伴い制作業務が増加してきたため、品質管理とサポート部門を別の場所に移すことになり、2008年に沖縄支社が誕生しました。

仲宗根さん: なぜ沖縄が選ばれたかというと、やはり人件費が抑えられることと、当時、沖縄県が行っていたIT関連会社への助成金制度を利用するためです。

沖縄支社では、主にどのような業務を担っているのでしょうか?

堀水さん: 東京で作ったタイトルは全て沖縄支社でデバッグを行っています。しかしそれだけをこなしていると、どうしても「東京の下請け」という意識が社員の中に出てきてしまい、それではあまり仕事として面白くないし、もっと品質管理部としてのプライドを持って欲しいと思いました。そこで最近では、社員の積極性を高めるための意識改革に力を入れています。また、仕事内容もデバッグだけでなく、サウンドやマーケティング、制作など、ゲームに関わること全般に広げ、沖縄でも採算がとれるぐらいのレベルを目指しています。

積極性を高めるための意識改革とは、具体的にどのようなことを行ったのでしょうか?

堀水さん: 4名の役職者の意識改革からスタートしました。まず、一人ひとりが得た知識を資料化し、それを共有することで効率化を図りました。次に「東京本社と同等に仕事をしている」という意識を高めるために、スカイプを使った定期ミーティングを東京のメンバーと行うようにしました。すると、徐々に自分たちで積極的に意見を出すようになってきたんです。東京本社の制作部と同じように、自分たちも物を作っているクリエイターだという責任と自覚を持てるようになってきたんだと思います。

平均年齢29歳。サブカルチャー好きな仲間同士で助け合う職場環境

世の中に数多くゲーム制作会社がありますが、他社とは違う御社の特徴を教えてください。

仲宗根さん: サブカルチャーに特化しているところです。現在、沖縄には40名ぐらいの社員がいるのですが、みんなサブカル好きなせいか、実年齢より若く見えます(笑)。

堀水さん: 東京本社のある場所は、豊島区のサンシャインすぐそば。通称「乙女ロード」と呼ばれる通り近くにあり、女性向けサブカルのメッカです。そのせいもあって、乙女系に強いスタッフも多いんです。

沖縄で会社を続けている中で、どんなことが大変でしたか?

仲宗根さん: 沖縄に会社ができた10年ほど前は、IT業界がまだ沖縄に根付いていない頃でした。「デバッグ」という言葉さえも浸透していなかったので、弊社に就職を希望してきた人にも当然知識がなく、採用に困りました。だからこそ「サブカルチャーが好き」ということを、採用の判断基準の一つにしていたんです。デバッグについての知識や経験が少なくてもサブカル好きであれば、弊社では仕事が続けられると思ったからです。

逆に、沖縄だからこそ良い点はありますか?

堀水さん: 私はずっと東京で仕事をしてきたので、沖縄の良いところを強く感じています。東京の会社には「ここで一旗あげよう!」と意気込む人が集まってくるので、皆よく働くのですが、競争意識が強く殺伐とした雰囲気になりがちです。しかし沖縄は県民性なのか、競争意識よりも仲間意識が強い人が多い。社員同士で助け合って仕事をしているので、和気あいあいとした和やかな雰囲気になっています。

社員のみなさんの仲が良いんですね!

仲宗根さん: そうなんです(笑)。忘年会などのイベントでは、社員で組んだ漫才やバンドを披露して楽しんでいます。社内にはギターやゲームも置いているので、気分転換に皆で遊ぶこともあります。

堀水さん: 私は東京本社でバンドを組んでいたのですが、沖縄支社に来て一番驚いたことは、社員のギターの演奏レベルが高いことでした(笑)。

「沖縄で一番」は通過点。品質管理のクオリティー日本一を目指し、世界へ。

御社では海外向けのゲームも展開していらっしゃいますが、沖縄支社でも関わっているのですか?

堀水さん: もちろんです。海外用コンテンツのデバッグは沖縄で行っていますし、アイコンや画像などを海外用にローカライズする作業もしています。サブカルに特化していることが弊社の強みなので、日本のサブカル文化をそのまま海外に持っていく、ということに重きを置いています。ゲーム好きというよりも、日本の文化が好きな海外の人をターゲットにゲームを作っています。

海外に向けての展開と合わせて、今後沖縄支社で取り組みたいことを教えてください。

堀水さん: デバッグのクオリティーをさらに高めていきたいと思っています。ただ単にデバッグするのではなくて、もう一歩踏み込んで面白いと思えるかどうか。ユーザー視点を大事にした品質管理をしていきたいです。

仲宗根さん: 弊社の強みは、やはり東京の制作部と意識の近いところで品質管理ができる点だと思います。社員の中の「東京の下請け」という意識が改善され、東京のメンバーと同等に「アンビション」という会社を牽引しつつあります。その意識を強固に保ったまま、品質管理の部門で沖縄一はもちろん、日本一を目指していきたいと思っています。

最後に、一緒に働く人にはどのようなことを求めますか?

仲宗根さん: 情熱を持っていることですね。実力や知識は、情熱がないとなかなか身についていきません。だからこそ情熱を持ち続けられる人と、一緒に仕事に取り組んでいきたいです。

堀水さん: そうですね。あと自分のビジョンを持っていることも大事です。このゲーム業界で、どういうことをやりたいのか。ビジョンと情熱を持っている方がきてくれると嬉しいです。

取材日:2018年1月17日 ライター:仲濱淳

 

株式会社アンビション

  • 代表者名:福島 公則
  • 創立年月:2005年4月
  • 資本金:4,000万円
  • 事業内容:ソーシャル・WEB・モバイル系ゲームコンテンツの開発・制作・運営
  • 所在地:【東京本社】〒170-0013 東京都豊島区東池袋3-4-3 NBF池袋イーストビル3F
         TEL:03-5960-0575 FAX:03-5960-0576
        【沖縄支社】〒900-0004 沖縄県那覇市銘苅180-7 朝忠第2ビル5F
         TEL:098-866-5455 FAX:098-866-5456
  • URL:http://www.ambition.ne.jp

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