沖縄のデジタルマーケティング業界を、人材育成から支えたい
- 沖縄
- 株式会社RAZONA 代表取締役CEO 村元啓介 氏
グラフィック、マーケティングの両輪でデジタルソリューションを提供
まず、1996年に東京で御社が設立された経緯を教えてください。
創業者である岡村侑哉はもともと画家でした。スペインへ絵を学ぶため留学し、現地で賞を獲ったこともあるそうです。その後帰国し、画力を活かしWebデザインを始めました。当時Webサイト制作は徐々に需要が高まっていた頃で、その波に乗り、次々と案件が舞い込むようになり、会社を作るに至ります。マーケットが大きくなるに従い、会社の業績も順調に伸びていきました。
現在の御社の事業内容は、設立の頃と変わらずWebサイト制作が主なのでしょうか?
スタートの頃はWebサイト制作一本でしたが、今やマーケティングの世界ではデジタルは外せません。ですので、現在の事業分野はデジタルを用いたマーケティングのためのソリューション全般を提供しています。Web制作のクリエイティブな部分に加え、プロモーションや広告運用のオペレーションなどをトータルでサポートできる体制にしています。
Webサイトを手がける会社として、御社の強みを教えてください。
軸は二つあると考えています。一つ目は、制作物のビジュアル面です。もともと創業者が画家ということもあり、グラフィカルな画作りに関してはお客様から高い評価をいただいています。二つ目は、誘導部分のコーディネートです。たとえデザイン的に格好いいものを作れたとしても、それだけではお客様の抱える課題を解決できません。私自身がもともと代理店出身ということもあり、誘導や誘導後のユーザー解析を得意としていますので、サイトの画作りを含めてトータルでマーケティングソリューションを提供できることが、強みだと思います。
東京と沖縄の業務の違いを教えてください。
東京のオフィスは、お客様と対峙するという機能を一番に考えています。営業はもちろん、お客様が何を作りたいかを一緒に考えるプロデュースの部分は、やはり直接お客様と接しないとできません。多くのクライアント様は東京に集中していますので、アカウント機能、プロデュース機能を東京に集約させています。それ以外の機能であるクリエイティブや広告運用のオペレーション部門は、沖縄にシフトしています。最近では沖縄の夏は東京よりも涼しいですし、さらに毎日満員電車に乗らなくてもいい沖縄の方が、東京よりも働きやすいのは間違いありません。
沖縄に事業所を作られたのは仕事をする環境として良かったからでしょうか?
その環境も含めて、個人的にも沖縄に強く心惹かれたのが一番の理由です。沖縄に事業所を作ったのは2010年ですが、それ以前から実は沖縄の会社に発注していました。それもあって度々沖縄を訪れるうちに、自分たちでも沖縄に事業所を持ってもいいと思うようになったのです。沖縄は、進出に対しての公的支援がある程度充実しているという事も理由の一つではありますが、やはり「この地域が好き」「ここで働きたい」というモチベーションが一番です。その強い思いがあれば、事業を展開する中でハードルや課題に当たった時に乗り越えられると信じています。そして2番目の理由として挙げられるのは、採用のメリットです。
採用のメリットとは、どのようなことでしょう?
東京では同業他社が非常に多いので、リクルーティングのために「RAZONA」というブランドを広く浸透させるのは、とても時間がかかり大変です。しかし沖縄はコミュニティが広くありませんので、企業ブランディングを比較的短期間でできると感じたのです。弊社のような労働集約型のビジネスにおいて、人材は財産、人財です。私が会社運営を大きく間違えない限り、優秀なスタッフがいれば100%業績は伸びると考えています。
沖縄では、東京の案件を手がけることが多いのですか?
以前は10割が東京の案件でしたが、最近では沖縄の案件が増えています。東京の案件だけだと、沖縄のクリエイティブ、運営部門のメンバーはお客様と直接お会いする機会がほどんどありません。そうすると、東京でフロントに立つ厳しさが伝わりづらくなってしまいます。つまり、お客様に「怒られる」という経験がなくなり、フロントメンバーとの温度差が出てしまう。社会人教育という観点からも、沖縄の案件を手がけ、お客様と対峙する機会があった方がいいと思っています。
新たなチャレンジ「人材育成事業」をスタート
「NexSeed沖縄」という学校を新しく始めたと伺いました。その学校について教えていただけますか?
今年(2018年)の10月1日に開校しました。なぜ設立したのかというと、やはり採用のためです。先ほど「東京よりも採用しやすい」という理由から、弊社は沖縄に進出したとお話ししましたが、実は近年事情が変わってきています。多くの企業が沖縄に進出したため、採用競争は激化の一途をたどっています。一定の競争は従業員の待遇改善に繋がるので、良い面はあります。しかしあまりに競争が激しくなると企業同士がライバル関係になってしまい、コミュニティの狭い沖縄では、なおさらギスギスしてしまいます。一方、沖縄県の課題として、若年層の失業率の高さや、人材育成が挙げられています。そこで弊社では、優秀な人材を自ら育て、弊社だけではなく様々な企業へ人材を送り出す方が健全で地域のためにもなると考えました。そんな最中、私の知人が、フィリピンで経営する英語とプログラミングの学校「NexSeed」の日本校を作る事業を始めていましたので、タイミングよく「沖縄校を出したい」と手を挙げることができ、開校に至りました。
「NexSeed」では、合宿してプログラミングと英語を同時に学ぶと伺いましたが、短期留学に近いイメージでしょうか?
そうです。3ヶ月間合宿し、集中して学びます。沖縄に住んでいる生徒は通いになりますが、それでも同じ志を持つ人同士が同時に勉強をスタートすることで、学習効果は上がると思います。今後は学ぶ場所だけでなく、卒業後の就職先までしっかり用意しようと考えています。
社員が長く働ける会社にしたい
これからの御社の展望を教えてください。
社員のライフステージが変化しても働き続けられるよう、柔軟な人事制度を作っていきたいと思っています。そのためには一定の規模感が必要なので、現在沖縄は25名ぐらいの社員数ですが、それを100名ぐらいまで増やしたいと考えています。実は、「1年働いたら1ヶ月休める会社」にするのが私の個人的な夢なのです。しかしその実現のためには、やはり人数がある程度いないと会社が回りません。大きい会社にして大儲けしたいというより、社員がライフステージに合わせて継続的に長く働けるような制度を整えるために、今よりも規模を大きくしたいと思っています。
御社の経営理念に「皆の夢を支援する」とありますが、こちらの実現のためにも「1年働いたら1ヶ月休める会社」という制度は役立ちそうですね。
そうですね。この理念は、お客様の課題や社員の夢を支援するという弊社のスタンスを表していますが、こと社員に関しては、仕事だけでなく個人的な夢も実現してほしいです。
御社のスタッフブログにも「社員の夢を実現する」という企画がありました。みなさん楽しみながら夢を実現されていて、和気あいあいとした雰囲気が伝わってきました。
スタッフブログでは、社員の夢を実現することをコンセプトに記事を作っています。当初は弊社のブランディングの一環として、沖縄の情報サイト「DEEokinawa(でぃーおきなわ・URL:https://www.dee-okinawa.com/)」と一緒に作っていました。DEEokinawaというのは、B級の情報をシュールな切り口で発信しているユニークなサイトなのですが、その要素を取り入れて、他社とは違う個性をアピールしたいと思ったのです。続けた結果、採用活動のブランディングにもつながり、社員の夢実現にも一役買うようになりました。
最後に、一緒に働く方に何を求めますか?
チームワークを大事にするマインドです。弊社は行動理念に「成長と成功を喜び合える」ということを掲げています。自分が成長して、その喜びを互いに分かち合える人と一緒に働きたいですね。
取材日:2018年10月10日 ライター:仲濱 淳
株式会社ラソナ
- 代表者名:代表取締役 CCOファウンダー 岡村侑哉
代表取締役 CEO 村元啓介 - 設立年月:1996年11月
- 資本金 :9,500万円
- 事業内容:
マーケティングにおけるデジタルソリューション(WEBサイトの構築、スマホアプリの開発、広告の作成&掲載等)の提供 - 所在地:
東京本社 〒102-0075 東京都千代田区三番町7-14 三番町デュープレックスビズ 2F
TEL:(+81) 3-3230-0433・ FAX:(+81) 3-3230-0434
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