価値あるものを提供する。使命感を持った職人気質のWeb制作会社
不登校がきっかけでプログラミングに明け暮れた少年。それが、アダプター株式会社の代表取締役・小副川貴博氏の中学生時代でした。得意なWebの道へ進み、制作会社勤務やフリーランスでの挫折を経て、2018年に現在のWeb制作会社を設立。そこに至るまでの経緯から現在の仕事に対する想い、そして、これからの展望などを小副川氏にお話を伺いました。
自分を見つめ直して見えた将来。それはWeb業界で食べていくこと。
Webに触れたのは中学生の頃ですね。きっかけは何ですか?
実は、中学生の時はほとんど学校に行ってない状態、いわゆる引きこもりでした。当時は時間だけはたくさんあったので、パソコンを使っていろいろなものを調べるうちにプログラミングに興味が湧き、独学でホームページが作れるようになって、ゲームの攻略サイトや掲示板などを作っていました。その後、高校に進学したことで一旦はWebから離れたのですが、卒業を控えて進路を決める際に、自分には何ができるのか?他の人より優れていることは?と考え、真っ先に思いついたのがホームページを作れることでした。そこから好きなことを仕事にできたらと思って、大学へは行かず専門学校に3年通ってWeb制作会社に就職しました。
念願のWebの仕事についていかがでしたか?
理想と現実は違っていました。就職した会社で制作と運用をやっていましたが、毎晩遅くまで働いて体がついていかず、会社員としての限界を感じて1年ほどで辞めました。入社当時は会社を変えたい!と意気込んでいましたが、やっぱり会社は変わらないし、そんな状況にも疲れてしまい・・・。それでフリーランスという道を選択しました。
フリーランスでの再スタートは理想のものでしたか?
制作会社でたった1年働いた人間がすぐに独立して上手くいくわけがありません(笑)。仕事の取り方がわからず、すぐにお金が尽きて知人の紹介で工場に勤めました。ですが、Webの制作自体は好きだったので勤務の合間に友人のお店のホームページなどを作り、少しずつ実績を積みました。
そう過ごしているうちに転機が訪れました。自己紹介ページをフリーランスが登録するサイトに掲載すると、東京の制作会社の目に留まり仕事に繋がったのです。1本でも仕事をすると次へと繋がり、次第に仕事の量が増えてWebだけで食べて行けるようになりました。そして、会社の理解のもとで仕事を辞めて、再びフリーランスとして再出発することになったのです。
お客様と同じビジョンで、共に成長できる会社を設立。
会社を立ち上げたいという想いは以前からありましたか?
会社員に向いていないと思いフリーランスを選びましたが、会社を立ち上げようと思うようになったのは独立後しばらく経ってからです。フリーランスは作る物のクオリティや出来ることが限られ、お客様に提供する物に限界があり、組織で仕事をする会社とは比較にならない。そうなると、新規で顧客を開拓するのが難しく先がないと感じました。代理店や下請けではなく、直接の取引を増やすためにも法人にしようと考え、思い切って会社を立ち上げました。
会社を立ち上げて1年半ですが、その間に苦労はありましたか?
ちょうど今が苦労している最中です(笑)。立ち上げること自体は難しいことではありません。実際に法人になっても実質ほとんど個人事業主と変わらないし、法人としては見られるものの中身が伴っていない状態です。社内の体制が一つずつしか進まないし、思い描いていた理想に追いついていませんね。
小副川さんは完璧主義ですか?
どちらかというと理想主義といった感じです。会社を立ち上げる時にこうしたいという理想が高すぎて、自社のホームページもなかなか立ち上げまで行き着きませんでした。他社なら簡単でも、自分の会社となると客観的に見られないものですね。それでもかなり削ぎ落としてようやく公開したところです。
現在の仕事の内容について教えてください。
ホームページの制作を主軸に、それに付随するブランディングやWebの集客、広告の運用などが主な仕事です。お客様の要望も様々で、ただホームページがあればいいという方もいれば、売り上げに繋げたいという方もいるので、しっかりヒアリングすることを心掛けています。弊社は小さい会社なのでご依頼を頂くほとんどのお客様と同じ立場ですし悩みもよく分かります。話をすると「一緒に成長しましょう」と盛り上がることが多いです。そういった意味で共感することを大切にしています。
今、力を入れている仕事は?
現在はECに力を入れています。今までやっていませんでしたがECサイトをやりたいというお客様が増えているので、集客して売り上げに繋がるサイトを提案しています。また、昨年からは保守契約もスタートさせ、売り上げの手応えを感じることができています。今後はまだECにタッチしていないお客様へ向けたアプローチをする予定です。これまでは制作だけでしたが、運用をすることになって感じたのが、作った後のことが大事ということでした。作っても誰にも見てもらえなかったら意味がないですしね。
顧客とエンドユーザーを結びつける存在へ。そのために、今できることをやる!
現在の会社の目標は?
今はまだ生まれたての赤ちゃんのようなもの。将来的には福岡を代表するWeb制作会社になりたいと思っていますが、まずは肩を並べることが目標です。ひとつずつ積み重ね、他社が10年かけて成長したことを5年で達成できたら最高ですね。
そのために取り組んいることは何ですか?
ひと昔前よりWebを取り巻く環境のスピードは速くなっています。そのスピードより速く走らないと追いつけません。ただ、できることは限られているので、一つずつやっていくしかない。そのために今やるべきことは、社内体制とプロモーションの強化です。現在は私を含めて社員3名ですが、いずれは5名、10名と増やして、一人ひとりの技術で成り立つ会社にしたい。プロモーション部分では、リスティングやSEOを使った集客やセミナーを開催して、アダプター株式会社の認知に繋げたいと考えています。
一緒に働くスタッフに求めるものは?
仕事をするにおいて大事なのはお客様の要望を叶えることです。そのためにはスキルがあるに越したことはないですが、それは後からでも付いてくるので、私が一番大事にするのは共感できること。一緒に会社を作るために共に歩める仲間です。
最後に、これからどのような会社にしたいですか?
社名にその想いを込めています。“adapter”には変換する、繋ぐという意味があり、そこに私たちが何かを足すという意味で“add”を組み合わせ、造語ですが“addapter”という文字にしました。取引するお客様の先にはエンドユーザーの存在があります。その間に入って調整や関係を繋ぐ役割を果たしたいという想いを込めました。そのために今やるべきことは自分たちを高めること。技術者としてデザイナーとして、ストイックにそれぞれが高め合うような職人のような会社にしたいです。提供する商品のクオリティを高め、自分たちの付加価値を上げ続けることが目標です。お客様にお金を支払っていただくからには、より良いもの、より価値あるものを提供するのがプロの仕事。Web制作会社を立ち上げた以上は、それが私の使命だと思っています。
取材日:2019年10月3日 ライター:井 みどり
アダプター株式会社
- 代表者名:小副川 貴博
- 設立年月:2018年3月
- 資本金:100万円
- 事業内容:ウェブサイト制作・運営、マーケティング、ネット広告、ブランディング、ロゴデザイン、チラシ、ポスター、各種デザイン他
- 所在地:〒816-0861 福岡県春日市岡本1-5 ブレイクスルー福岡春日3F
- URL:https://addapter.co.jp
- お問い合わせ先:092-573-8570