制作プロダクションからクリエイティブプロダクションへ。石川を拠点に、愛媛、岡山、東京に拡大

金沢
株式会社イノセンス 代表取締役社長/プロデューサー
Misa Yotsufuji
四藤 美佐

石川県に拠点を構え、愛媛、岡山そして東京へと進出。テレビ、ラジオ、Webなどの制作、撮影、編集、MAをワンストップで行う制作プロダクションとして成長し続ける株式会社イノセンス。「女性であることで特に苦労したこともない」とエネルギッシュに事業を展開する代表取締役社長の四藤美佐さんにお話を伺いました。

25歳で会社を立ち上げ、地元の業界では珍しく営業も。 お客様の目線で物事を考え、喜ばれることをやっていこうと決意

会社を立ち上げるまでのご経歴をお聞かせください。

金沢市出身で、大学を卒業後、都内の大手化学メーカーに就職し、販売促進や広報などの仕事に携わりましたが、家庭の事情で地元石川県にUターンしました。故郷に帰って仕事を探していた時に、エフエム放送局が開局されることを知り、知人に番組制作の仕事をしてはどうかとお声掛けをいただき、1991年に25歳で会社を立ち上げました。

1人で起業されたのですか?

有志3人で雑居ビルの中の12坪のスペースを借りて立ち上げました。事務処理のスペースもないくらい狭い所でフォトスタジオから始めました。そこからラジオの音源を作る音スタジオへと形を変えていきました。専用の編集室もなく、機材を借りて手探りで事業を繰り広げていきました。その後、テレビのCMを中心とした映像制作に仕事の中心が移って、現在はテレビ、ラジオ、ウェブサイトなど各種媒体の制作、撮影、編集をワンストップで行う、映像をメインとした制作プロダクションとして展開しています。

事業は順調に進みましたか?

すでに制作プロダクションはたくさんあり、私たちは後発でしたので創業当初は大変でした。地元の業界では慣例ではなかったプロダクション営業も行いました。お客様の目線で物事を考え、喜ばれることをやっていこうと思いました。

純粋、無垢、ピュアな心持ちのなかにも頑固さと拘りの妥協なきチャレンジを続けたい

社名の由来を教えてください。

後発のプロダクションとしてスタートするにあたって、純粋、無垢、ピュアな心持ちのなかにも頑固さと拘りの妥協なきチャレンジを続けたいと言う意味を込めてイノセンスと名付けました。英字ではあえて「INNOCENCE」を「INNOSENCE」と「C」を「S」に変えています。

石川県に本社を置き、松山支社、岡山オフィス、東京オフィスを構えた経緯をお聞かせ下さい。

創業当初は圧倒的に北陸3県のお客様が多かったのですが、スタッフに愛媛県出身がいたり、愛媛県は制作プロダクションの土俵が出来ていなかったこともあって、営業に出向いたり、ご縁がつながり受注に結びつきました。金沢、松山での実績から、2018年に岡山、2019年には東京にオフィスを構えることが出来ました。エリアに限定することなく、今後は幅広く展開していこうと思っています。また、創業12年目の2003年には、現在の場所に自社ビルを構えることが出来ました。

業界としては男性が活躍するイメージが強いのですが、女性経営者として苦労されたことはありますか?

創業当初、女性経営者は少なく珍しがられました。おかげさまで良い人たちに恵まれ、女性だからといって特に苦労したとは思っていません。得したことの方が多かったように思えます。ただ、地域性なのか保守的な面があり、男性社会の中での立ち振る舞いには気をつけてきました。

Webデジタルを強化し、お客様のニーズをしっかりくみ取り、広報の役割も出来る「クリエイティブエージェント」

会社の福利厚生の取り組みを教えてください。

制作プロダクションですが、基本的に土日祝日は休みにしています。お客様のご都合であれば例外ですが、休みはしっかり休む。自分の時間を有意義に過ごすことでリフレッシュされ、感性が磨かれ、制作への活力につながると思っています。創業当時は男性スタッフだけでしたから、徹夜作業も当たり前でした。私自身、出産ギリギリまで働いたり、出産後2カ月で復帰したりと働き詰めでした。しかし気持ちと裏腹に体がついていかなくなったり、子育てと仕事の両立の大変さから、今はしっかり休むことにしています。出張も日帰りで、朝にはちゃんと家で子供と向き合えるようにしていました。現在は女性スタッフもいますし、妊娠をきっかけに在宅勤務しているプランナーもいます。優秀なスタッフはどこにいても仕事が出来ます。社員を大切にする会社にしていきたいと思っています。

今後求める人材は?

私より何か一つでも優れたものを持ち合わせている人ですね。人にはそれぞれ個性や得意な事があると思うので、自分をどんどんアピールしてほしいと思っています。

今後の展望、将来のビションなどお聞かせください。

最近の若い人たちはマルチではなく、興味の無いことはあまり追究せず、自分たちが得意とする分野をとことん突き詰めている人が多いです。これからは小ロット制で、各分野ごとに若いクリエイターの感性を育て、融合させていきたいと思います。特にWebデジタルを強化し、お客様のニーズをしっかりくみ取り、広報の役割も出来る「クリエイティブエージェント」に向け、常に新しいクリエイティブを追求し、チームワークで業界に旋風を巻き起こせるよう頑張ります。

取材日:2019年12月24日 ライター:薬子 利恵

株式会社イノセンス (GROUP:株式会社COTOJIT)

  • 代表者名:代表取締役社長 四藤 美佐
  • 設立年月:1991年2月
  • 事業内容:①TV-CM・PV・WEBムービーなどのプロダクション業務 ②WEBコンサルティング・WEB制作・デジタルマーケテイング
  • 所在地:〒921-8062 石川県金沢市新保本4丁目65番地23
  • URL:https://innosence.co.jp/
  • お問い合わせ先:076-240-2052

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