学生時代はバンドとボクシングに明け暮れていました。高校を卒業して、大阪の音響系専門学校へ。学費を稼ぐためにレコーディングなど行う音楽制作会社でバイトをしながら、プロのミュージシャンを夢見てバンド活動を続けていましたが、20歳のとき、家庭の事情で金沢にUターン。音響、CM、番組制作、人材派遣など、職を転々としながら自分自身を模索していた時期でした。26歳のとき、お金を貯めて3カ月ほど北米や南米を放浪の旅に出かけた際、メキシコで貧しいながらも懸命に生きる人々を見て、「日本に帰ってしっかり働こう」と一念発起し、金沢の制作会社に就職しました。

就職してから10年間はさまざまな経験を積みました。地方の企業ではいろんなことをこなさなくてはいけません。レコーディングが得意でしたが、後輩が増えて管理職的な立場になり、企画や演出、プロデュースなど、マルチにこなすことを求められるようになりましたその後フリーランスとして独立しました。ありがたい事にそれまでのお客さまや知り合いから仕事の依頼が入り、忙しい日々を送っていました。ただ一人では体が持たない、仕事が来てもこなせないので、パートナーを探すことにしました。スキルが近い人より、同じ業界にどんな人がいてどんな仕組みで動くか分かっていて、自分とは違った感覚、人脈を持っている人を思い浮かべるうちに、以前ラジオ番組で一緒に仕事をしたことがある斉藤清美さんに声をかけ、2014年に会社を設立しました。取締役に就いてもらい、二人三脚で現在に至ります。

業務の中核はテレビCMを中心とした広告映像と音楽の制作事業です。しかし時代の変化とともにトータルプロモーションとしてWeb CM、イベント用ムービー、サイネージコンテンツ、MC、ナレーション、イベント運営など、幅広いジャンルの企画演出を手掛けています。

会社勤めをしていたときは会社対会社、人対人など住み分けがありましたが、今は会社の垣根や組織の枠を飛び越えて優秀なクリエイターたちとつながることができています。金沢には、チラシ、イベント、建築デザイン、グラフィック、マーケティングなど、各分野に強みを持ったフリーで活躍するクリエイターが多いので、その特性を活かし連動性のある仕掛けを創り出しています。最高のシナジー効果を生み出せた時は、いつもワクワクします。

屋号を決めるのにかなりかかりました。一つとして同じ色がない独自性を持つクリエイターたちとさまざまな色を重ね、多彩な縞模様を重ねるようにマルチなストライプを描いていきたいという思いを込めています。

設立当初は自分たちの得意分野以外のことを手掛けると、なかなか思うようにうまくいかず苦労しました。良いものを作ったときよりも印象に残っています。もっとできることはなかったのかと振り返り、常に創造性と実行力を磨き、喜ばれるものを創り続ける努力を惜しまずに仕事に向き合っていきたいと思っています。

今でも気の合う仲間たちと趣味でバンド活動を行っており、ドラムを担当しています。音楽活動は楽しく異業種の方とも知り合えて、仕事の活力になります。

一つの分野に特化せず、クリエイティブな仕事をマルチにこなし、チャレンジしていきたい人、プロデューサーとして利益を生むことに自信がある人など、私たちとまた違ったカラーを持ち合わせた人材がいたらいいなと思っています。スタッフが増えることで、アイデアの幅が広がり、その分可能性が広がると考えています。お互いに意見を出し合い、チームを組んで新しいストライプを創っていきたいです。

今は誰もが気軽に動画を作り、ネット配信できるようになりました。ハードルが低くなったことで期待感と危機感を同時に抱いています。おかげさまで人とのご縁に恵まれ、これまではほぼ営業することなく、お客さまに支えられてきました。今後は請負受注ではなく、制作のプロとしてお客さまに対して、驚きや笑顔、共感、感動を提供できるコンテンツ制作会社へと変化していきたいと思っています。