WEB・モバイル2020.08.19

デジタルな業界でアナログな対面サービスにこだわり、お客様をチームでサポート

福岡
株式会社ノーブルトラスト 代表取締役
Takahiko Yamanaka
山中 貴彦

2007年北九州市で創業した株式会社ノーブルトラスト。北九州市をはじめ福岡市、久留米市など福岡県を中心にWebサイトや自社アプリの制作、在庫管理や人材管理などのシステムコンサルティング、トラベルゴルフマネージメントなど、ITに関わる事業を幅広く展開しています。顧客は大きな法人から、町の小さなお店などさまざまで、業種も多岐にわたります。“楽しいことが大好き”という代表取締役の山中貴彦(やまなか たかひこ)さんは、「自らはITの技術を全く持ちあわせていない」とおっしゃいますが、一人でスタートした会社が、なぜ業績をあげて事業を拡大し続けられるのか――。設立までのキャリアや仕事に対する思い、今後のビジョンなどについて熱く語っていただきました。

ITに詳しくなかった若者が、たった一人でIT企業を創業

起業したい思いは以前から持っていたんですか?

全くなかったですね。仕事が終ったら早く帰って遊びたい、そんなサラリーマンでした。大学を卒業して、最初は研究補助の業務に携わっていたんですが、他の人より色んな仕事をしても評価が変わらない会社の仕組みが嫌になってしまったんです。それで、評価してもらうなら営業職しかないと思い、営業に転職しました。

営業では、仕事の中で少しだけインターネットに関する仕事に携わったんです。インターネットがこれからという時代でした。次第に、会社のしがらみがなく自分の思い描く形でお客さんと接することができたらと思いはじめて、27歳で退職しました。自分の思い通りにやるなら独立しかないとは思っていたんですが、その時はお金がないと独立できないと思い込んでいて、今考えればそんなことないんですけど、お金を貯めるためにまずは35歳位まで歩合のいい営業職にでも転職しようと考えていました。

実は退職前にスノーボードをしたんですが、そこで助骨にヒビが入る怪我をしてしまって、治療していたので、お世話になった取引先の皆さんへ退職前の挨拶廻りができなかったんです。退職後改めて挨拶廻りに行きました。色んな方とお話する中で、一人の社長さんに将来的に独立したい話をしたら、「サポートするよ」と言ってくれたんです。

そこで独立を決断したんですね。

もう勢いです。まだ20代で独身だったので。1年頑張って駄目だったらそれでもいいかと。営業の時にIT関連のことを少しかじっていたので、これからはITかなと。今考えれば、現在持っている知識の2%くらいしか知らなかったんですけど(笑)、伸びていく業界にいたほうがいいと思って選びました。

「パートナー」と協働して徐々に事業拡大

創業からどんなご苦労がありましたか?

とにかくお金がなかったので、自分で会社の登記もしたんですが、手続きに苦労しましたね。他に、安い車に買い替えたりとか…。最初の1年はとにかく我慢かなと思っていました。でも僕は基本的にポジティブなんですよ。“生きてるだけでラッキー”と思っているので。だから何かがあっても沈みまくることもなく、何とかしてきました。

どんな仕事から始められたのですか?

会社のスタートは、インターネットの光回線の営業からです。僕は技術はないですが、営業は得意な方だったので、商材としてインターネットを取り扱っていました。お客さまといろんな話をする中で、困っていることを伺ってそれを解決できる道を探していきました。まず、僕にできないことができる外注の方=パートナーを探して、自分がハブになり問題解決しました。

今も同じことをやっています。僕は自分が苦手なことは得意な人に任せようというスタンスなんです。そこからいろいろ事業が広がっていきました。基本的に下請けという発想、言い方が好きではなくて、自分が出来ないことをお願いしているわけなので、技術を持っている方々をパートナーとして迎えて、一緒に仕事をしてもらうという考えです。

対面サービスにこだわり、皆が笑顔になれることを願って

経営理念の‘The Best Service For You ! ”に込めた思いは?

「全てはお客様の為に。弊社のサービスは、お客様との信頼関係を築くためのツールである」という考えです。僕は“出会いに偶然はなく、全て必然だ”と思っていて、可能な限り、なるべく人に会うようにしています。

僕が経験していない話を聞けることはすごく楽しいし、勉強になるなと。会話の中からじゃないと物事は生まれないと思っています。人から得られるものは必ずあって、それはすごくありがたいことなので、いいと思ったことは自分の引き出しに入れるようにしています。たわいない話から、その人の趣向や考え方が分かりますよね。ただ営業に行くだけだったら、聞き上手なだけでいいと思うんですよ。でもモノを売るためというより、相手と仲良くなるために話をしようと思っているので、気付いたことを相手に投げかけて、勢いとノリで楽しくなるように話しています。

やっぱり楽しんでもらいたい気持ちがあるし、どうせなら笑顔でいたほうがいいじゃないですか!(笑)私たちと関わる人にはハッピーになってもらえるよう、まずは自分たちがハッピーじゃないと相手にハッピーは届けられないと思います。

仕事をするうえでの原動力を教えてください。

僕はITが好きか嫌いかっていうとどっちでもないんです。ただITは必要としてくれる方が多い、役に立つコンテンツだと思っているんです。「ありがとう」って喜んでもらうことが好きなので、必要とされているというのが自分自身の満足になっていて。感謝していただくことが一番の原動力なので“お金は後からついてくる”と考えるようにしてますね。

これからのノーブルトラストは?

IT技術を伸ばしていく会社ではないと思っています。AI化が進んでいったり、技術レベルが高い人は世の中にはたくさんいて、うちでできることはよそでもできると思うので。差別化をするなら何ができるかを考えた時に、融通が利くというか、よく言えばうちは「何でも屋」なので、1件1件お客さまから頂いた相談を解決する方法を探していきたいと思っています。

コンピューターだけではできないことはあると思うんですね。僕は基本的に楽しいことが好きなんです。仕事も人に会うことも。「自分とお客さまを楽しくするためにはどうするか? 喜んでいただくためにはどうするか?」と考えて、そこに合ったコンテンツを取り込みながらやっていきたいと思っています。ノーブルトラストという、従業員、パートナーを含めたチームで力をつけつつ、お客さまはじめ、関わる皆がハッピーになれるように、というのが今後も一番の想いです。

新しい事業はお考えですか?

今までドクター向けの高級弁当の営業代行と配送代行とを管理していたんですが、その際に築いた医療関係の方との関係性から、次はタイアップをしてアプリを開発する事業を計画中です。あとはオンラインのチャットシステムの運営など何本か進めているところです。

いっしょに働きたいスタッフ像と社長としてのこれからを教えてください。

求める人材は、責任感を持って自分で考えて能動的に動く人と仕事がしたいです。今いっしょにやってくれている皆は、ご縁があるからこそ関わっていると思うので、大事にしたいなと思っています。会社の代表としては、それぞれの得意分野を生かしていきたいですね。

アベレージヒッターになるよりは、ホームランを打てる人は主砲として、足が速い人は盗塁でと、個々の長所を伸ばして、今の僕とチームで何ができるか組み立てるという感じです。おこがましいですが監督のイメージですね。先頭を切って進んでいくのはこれからも続けます。

取材日:2020年7月9日 ライター:中島 敬子
※オンラインにて取材

株式会社ノーブルトラスト

  • 代表者名:代表取締役 山中 貴彦
  • 設立年月:2007年4月
  • 事業内容:システムコンサルティング、Webアプリケーション、Webコンサルティング、トラベルゴルフマネージメント、紅葉亭・青葉亭 福岡店-高級弁当宅配業-、コスト削減コンサルティング
  • 所在地:〒802-0084 福岡県北九州市小倉北区香春口2丁目10-8 足立興産ビル202
  • URL:https://www.noble-trust.com/
  • お問い合わせ先:上記ホームページの「お問い合わせ」より

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